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Dive in the world   作者: 星長晶人
第二章 ゴブリン帝国編

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悪魔とVSオーガゴブリン

 オーガゴブリンの全長は目測で三メートルってとこか。


「……丁度十二体。一人一体でいいな」


 都合がいいな。


「私は少し不安だな」


 クレイスが言う。……まあ、戦ったことがあって負けてたら不安だろうが。


「アレンシアを守るために頑張れよ、騎士」


「……わかっている」


 忠誠心の高い騎士は守るべきものがあると強いらしいからな。


「さあ、ボッコボコにしてやろうぜ」


 ニヤリと笑って、宣言した。


 ーー三人称視点。


「ははっ! いいぜ、その調子だ!」


 ジークはファイタータイプのオーガゴブリンと素手で殴り合っていた。


「……ギッ」


 ……と言っても、かなり一方的だったが。


 サタンソウルでは、全ステータスが×5になるので、オーガゴブリンなら余裕だ。


「ギィ!」


 オーガゴブリンは反撃に移る。ーーが。


「……ちゃんとパンチ出来るんじゃねえかよ」


 ジークに片手で受け止められた。……まあ、それでも十分の一程度はくらっていたが。


「らぁ!」


 ジークはオーガゴブリンの右ストレートを左手で受け止めた後、右手に黒い球体を作り、放った。


「ギイイイィィィ!」


 オーガゴブリンが悲鳴を上げて倒れるが、まだHPは残っている。


「死ねよ」


 そこに、悪魔の笑みを浮かべたジークが、オーガゴブリンの顔面に黒い球体を放って、トドメを刺した。


「……まあ、準備運動にはなったか」


 悪魔は、肩を回してニヤリと笑う。


「……」


 シュリナは細剣使いのオーガゴブリンと睨み合っていた。


「はっ!」


 シュリナの突きも、オーガゴブリンに防がれる。


「フェンシングの試合みたいね」


 さっきから、どっちかの突きを防ぐ。それを交互にやっているだけだが。


「フェニックスフォルム」


 シュリナは勝負を決めにかかる。


「ギッ……!」


 徐々にオーガゴブリンが押されていく。


「火花」


 オーガゴブリンが防戦一方になり、シュリナが高速の突きの三連撃を浴びせる。


「ギィ!」


 その一回がオーガゴブリンの手を貫き、細剣を落としてしまう。


「炎天下」


 シュリナが突きを放つと、周りに炎の爪が出来てオーガゴブリンを襲う。


「……ふぅ」


  オーガゴブリンは倒れた。


「結構キツいわね」


 シュリナは冷や汗をかいていた。


「おわっ!」


 リューシンは無様に転がってオーガゴブリンの棍棒を避ける。


「よくあんな簡単に戦えるな」


 リューシンはジークが一方的に殴ってるのを見て言った。


「こちとら、エンブレムの二重使ってんのに」


 ーー元々の才能の違いだ。


「……声聞こえたんすけど」


 ーー気のせいだ。


「理不尽な……! 俺はモテないし、キモいって言われるし! 全部神様のせいだろ! 呪ってやる」


 一人でブツブツとよくわからないことを言う可哀想な子、リューシン。


 ーー……そうか。それは残念だな。


「えっ?」


 ーー折角、可哀想だからお前に運命の出会いを作ってやろうと思ったんだが、呪われるなら止めよう。


「すいません神様! 俺に運命の出会いをください!」


 ……オーガゴブリンは、何言ってんだ、こいつ。みたいな目でリューシンを見る。


 ーー……はぁ。仕方ない。だが、ちゃんとギルドに貢献しろよ。じゃないと運命の出会いはなしだ。


「うおおおぉぉぉぉ! 俄然やる気が出てきたぁ!」


 リューシンは何やら叫んで呆れているオーガゴブリンをぶった切る。


 ーーその調子で精進したまえ。


「了解です!」


 リューシンは空に向かって敬礼する。……なんて痛い子なんだ。


「……」


 ティアナはさほど苦戦していなかった。


 魔法と二本の鎌を器用に扱って、オーガゴブリンを翻弄していたからだ。


「ブラッディクロス」


 赤黒い十字架がオーガゴブリンを貫き、終わった。


「楽しまないから、加減なし」


 なるほど。


「……ふむ」


 ジンオウはオーガゴブリンを両手のマシンガンで蜂の巣にしながら頷く。


「この程度なら大丈夫か」


 それで頷いていたらしい。


「くっ……!」


 ディシアは苦戦していた。遠距離で、高威力の技を持っていないディシアにとってはオーガゴブリンは苦戦する相手だ。


「鋭い剣」


 まず、鋭い剣でオーガゴブリンの足を地面に縫い付け、


「木の剣」


 木の剣をいくつも召喚してオーガゴブリンを後ろに倒す。


「鋭い剣」


 そこで、鋭い剣でオーガゴブリンの手を地面に縫い付ける。


「鋼鉄の剣」


 鋼鉄の剣を首に刺す。が、皮膚が硬いのか、切れ味がイマイチなのか、突き刺さらなかった。


「木の剣」


 鋼鉄の剣の柄に木の剣を当て、押し込んだ。


「……僕にはキツいね」


 ディシアは苦笑して言った。


「金塊」


 シャリアはオーガゴブリンの頭上に金の塊を出現させ、脳天にぶち当てた。


「グ……アァ……」


 さすがに効いたのか、目を回しながらフラフラするオーガゴブリン。


「牙天爪鱗火」


 オーガゴブリンの頭上の遥か上、そこに、紅蓮の炎の渦が広がっていた。


 その渦が光り始め、渦から紅い逆円錐が出来て、オーガゴブリンを貫く。ただし、それだけではない。


 オーガゴブリンを貫いた逆円錐の先、地面に刺さったその部分から、無数のトゲが生まれる。トゲは渦巻くようにオーガゴブリンの全身を貫いた。


「……ふぅ。こんな大技だったんだ」


 少し呆れ気味に笑って、シャリアは勝利した。

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