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Dive in the world   作者: 星長晶人
第二章 ゴブリン帝国編

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悪魔とゴブリン帝国の壊滅

「……んで、ちゃんと反省したか?」


「「「……はい」」」


 とりあえず九人に修理代とめり込みをプレゼントした後、再びクエスト集会所に集まった。


「ったく。折角人がいいクエストを持ってきてやったのに、人の元カノの話をしてんだもんな」


「……それはすまん」


 メガネが一時割れてるリューシンが申し訳なさそうに言う。


「そのクエストの説明は、アレンシア・シャーマルにしてもらう」


 仲良くなったクエストの受付嬢を紹介する。


「アレンシア・シャーマルです。クエストの受付嬢をしております。この度は私の勝手なお願いでご迷惑おかけしました」


 アレンシアは深々と頭を下げる。


「ゴブリンの群れ討伐を一日で二十回するクエストは、アレンシアに頼まれてたことでな。三日連続を、五回分にしてもらったんだ」


「……増えてるし。で、何でそんなことを頼んだんだ?」


 リューシンがアレンシアに聞く。


「……折角人が事情聞かないでやったってのに、お前は何でそうデリカシーがないんだよ」


「……いえ。ちゃんとお話しするつもりでしたので……」


 ほら、逆に気を遣わせてんじゃねえかよ。


「……はぁ。んで? 何でそんなことを頼んだんだ?」


 仕方なく聞く。


「ゴブリンの群れ討伐を一日で二十回するクエストを、三日連続か一日で三回以上すると出現するクエストがあるんです」


 ほほう?


「ゴブリン帝国の壊滅、それがクエスト内容です。……元々は私達の国で、ゴブリンに奪われてしまったんです」


 なるほど。そういう事情か。


「報酬はどうなんだ?」


「レベル25まで上がる経験値と、グランドクエストの解放、参加者全員に限定装備が貰えます」


 ……めっちゃ破格じゃん!


「……普通にその帝国と戦ったら、それだけの経験値が貰えるのか?」


「レベルにもよりますが、大体レベル5ぐらいは上がります」


「……いいな。受けようぜ。んで、どこなんだ?」


 ニヤリと笑って、俺は引き受ける。


「広大な草原です。場所は私と連れで案内しますので」


「アレンシアも戦うのか?」


「はい。私の国ですので」


 アレンシアの?


「王女なんです。……ゴブリンに奪われて、両親を亡くしたので、女王ですが」


 王女様だったのか。


「まあ、いいけどな。明日でいいか? 今日はもう夕方だし」


「はい。引き受けて下さり、ありがとうございます」


 アレンシアが深々と頭を下げて、話は終わった。


「で、ゴブリン帝国ってどれくらいの難易度なんだ?」


 話が終わって、リューシンに聞いてみる。


「βテスト時にはなかったが、まあ、ゴブリンの群れを十回やるみたいな感じだろ」


 そんなに楽なら、レベル5以上も上がらないだろ。


「まあ、要注意だ。今日はここで解散にするが、明日のために準備をしておいてくれ」


「待ち合わせ時間は?」


「十二時半までにここ集合だ」


 ギルド集会所にな。


「了解。装備や、回復アイテムを揃えるんだな」


「回復アイテム?」


 何だそりゃ?


「それくらいは知ってろ! HPやMPを回復するアイテムだ」


「何!? そんな便利なものがあるのか?」


 知らんかった。……まあ、回復アイテムはあるよな、普通。


「……はぁ。RPGに回復アイテムがなくてどうすんだよ」


 リューシンが呆れて言う。他もうんうん頷く。


「……まあ、各自準備をしておいてくれ」


 結局、カッコつかないが、解散した。


 ▼△▼△▼△▼△


「よっ」


 また、十二時半ピッタリにログインする。


「全員集合したわね」


 シュリナは俺が来て言う。……何か、シュリナの方がマスターっぽいな。


「今日はありがとうございます」


 アレンシアはいつものシンプルな格好じゃなく、何故か花柄の着物を着ていた。


「……その格好とその人は?」


 何故国を取り戻すのに着物なんだ。あと、隣にいる甲冑を着た騎士みたいな美女は誰だ。


「とりあえず、歩きながら話しませんか? ……ここだと目立ちますし」


 そんな格好で来た癖に人目が気になるのか。


「まあいいか。とりあえず行こうぜ」


 しゃーない。


 大した説明もないまま、広大な草原に向かった。


「この人は私の側近で、騎士団長を務めていたクレイスです。私を逃がすために私についてきてくれました」


 忠実な人なんだな。


「よろしく頼む」


 小さく頭を下げる。


「ああ。俺はこのギルドのリーダー、ジークだ。二人程人じゃないヤツが混じってるが、気にしないでくれ」


 余計な一言を言う。


 ゾンビとロボットな。


「……実力は確かなようだな」


 ……スルーされた。


「私がこの格好をしている理由は、二つあります。一つは、私の職業の装備だということ。もう一つは、私、性格が変わるんです」


 ……はい?


「私は幼い頃から英才教育を受けてきたんですが、色々なことにピッタリな私が出てくるんです」


「例えば?」


 リューシンが興味津々で聞く。


「国民の前に出る時は高飛車な、人を蔑んで悦ぶように」


 ドSだな。


「書類をまとめたり、王女の仕事をしている間は、眼鏡をかけて真面目に」


 眼鏡と真面目か。


「戦や出陣の時は、冷徹に残酷に人を殺せるように」


 無表情ってことか。まあ、ドSだよな。……こんなヤツが王女って、大丈夫なのか?


「夜は物凄い甘えん坊に」


 何でだよ。


「夜ではちょっとえっちになり、いじめられるのが好きになります」


 ドMか!


「キャラ濃いだろ」


「……その時その時に最適な自分を作ってしまうので。普段はこうですが」


 ありがたや。……普段から変人だったら困る。


 って、メンバーにドMと変態と真面目と無表情はいるじゃん!


 困ったもんだよな。


「それぞれに適した性格になるためには、この正装がいいんですよ」


 アリンシアは少し笑って言った。

Infinite Abilities Online を読んでくださってる方、更新にはもう少し時間がかかりそうです。

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