悪魔と取り決め
かなりふざけた回です。ウザかったら飛ばしてください。改正はしませんので。
「せーのっ」
ドン。
俺→リューシン。
リューシン→俺。
シュリナ→俺。
ティアナ→俺。
ジンオウ→俺。
ディシア→俺。
シャリア→俺。
クアナ→俺。
レア→俺。
ガラド→俺。
「って何でだよ!」
異義あり。
「何がだ。当然の結果だろ」
「じゃあ、リューシンから時計回りでその人を選んだ理由を言え」
ボケるならツッコんで却下してやる。
「俺は昔からジークがリーダーシップがあるのは知ってるしな。それに、ジークの人徳があってこのメンバーはバラバラにならずにいると思っている」
……真面目すぎてツッコめねえ。
「私は、ジークが気さくで誰とでも仲良くなれるのも理由だけど、今ちゃんと仕切れてるのも理由ね」
シュリナまで……。
「……ジークは優しくて、誰とでも仲良く出来て、ちゃんと皆のこと見てるから。戦闘中に指示出せるのはジークだけ」
……珍しくティアナが長々と喋った。
「こんな見かけで、鈍重な身体をしているのに、簡単にパーティーに入れてくれるのはジークだけだろう。その誰とでも気兼ねなく話せるのは、ジークが持ついい所だ」
……ジンオウまで。
「これは現実でのことなんだけど、二年前、ジークに助けてもらったことがあってね。そういう、お人好しな所もリーダーとしてはいいと思うよ」
……全然身に覚えがないんだが。
「付き合い短いから大してあれだけど、どんな人でも味方につけてくのはリーダーの資質だと思うわよ」
……おだてやがって。
「私は、あの、戦闘の時の私を見ても逃げなかったジークの広い心は、いいと思います」
……ジークって呼ばれてたっけ?
「今ちゃんと仕切れてるのれ、ジークさんがリーダーれいいと思いますよ」
……まあ、第一印象だからな。
「同じく。仕切れるなら良し」
……言葉短いけど伝わったな。
「……ったく。めんどそうなギルドマスターはリューシンに押し付けようとしたのに、これじゃ断れねえだろうがよ」
困ったもんだ。
「数分でそれだけお世辞が思い付くんだったらいいか。しゃーねえな、引き受けてやるよ、ギルドマスター。感謝しろよ、お世辞名人共」
ニヤリと笑って宣言する。
「じゃあ、ギルドマスターはジーク、と」
自分の名前を入力する。
「次は副マスターなんだが、これは立候補か推薦がいいな。誰かいないか?」
「俺はシュリナがいいと思うな」
「私?」
リューシンがシュリナを推薦した。
「ああ。ジークが基本適当な所もあって、副マスターはしっかりしてるヤツがいいと思うんだが」
「……私も、シュリナがいいと思う」
「俺も、いいと思うぞ」
「異義なしだね」
「私も」
「いいと、思います」
「いいれすよ」
「同じく」
全員異義なしか。
「オッケ。副マスターは強制でシュリナな」
「別に、強制されなくてもやるわよ」
副マスターはシュリナっと。
「ギルドの紹介文か。俺が適当に案出して、オッケーだったらそれでいいか?」
「いいと思うわよ」
一つ目。
「さあさあ、いらっしゃい! 見てらっしゃい! 難職限定ギルド、アンチ・ブレイズだよ~! 制限人数は少ないのでお早めに!」
「「「却下」」」
全員に却下された。
「駄目か? 商人風」
「駄目ね。ウケ狙ってるし、まあ、ちゃんと紹介文になってるけど」
ちぇっ。
「さ~て、ここはギルド、アンチ・ブレイズだよ~。ヒッヒッヒ! 生きのいい人間共、興味あるなら入ってみな。難職限定の少数ギルドだ早めに入んなきゃね。ヒッヒッヒ! 入ったらたっぷり調理するけどねえ。ヒャッヒャッヒャ!」
「「「却下」」」
即答された。
「駄目か? 魔女風」
「駄目よ。そっち系の人しか訪ねて来なくなるわ」
じゃあ、三つ目いくか。
「難職限定ギルド、アンチ・ブレイズだよ! 美少女大歓迎! 男はいらないけど。いっそのこと、俺のハーレムギルドにしちゃおうかな。なぁんちゃって」
「「「却下」」」
やっぱ駄目か。
「駄目か? リューシン風」
「俺がモデルかよ」
「駄目よ。女子はおろか、誰も寄り付かなくなるわ。そんなキモい紹介文のギルド」
やっぱりなぁ。
「お前の俺のイメージはそんなんなのか!」
「ああ」
「あっさり肯定しやがった!」
とりあえず、リューシンは無視して進める。
「てへっ☆ 難職の集まり、アンチ・ブレイズっていうギルドだよ☆ 少数だけど、入らなかった悪い子は、このシュリナちゃんが星に代わってお仕置きよっ☆」
「「「……却下」」」
ちょっと間が合ったな。
「駄目か? シュリナ風」
「ジークは私をどういう目で見てるのよ」
「シュリナがこんなこと言ったら面白いなぁ、と」
皆も見たいから間があったんだろうし。
「駄目よ。☆ってついて、星に代わってお仕置きとか時代遅れな感じ全開は、私が恥ずかしいわ」
残念。見たかったのに。
次いくか。
「こんにちは~! いつも元気一杯なティアナちゃんで~す! 難職ばっかのギルドアンチ・ブレイズに入らないとティアナ、怒っちゃうんだからね、ぷうっ」
「「「……却下」」」
また間があったな。この意外路線、いけるかも。
「駄目か? ティアナ風」
「私、こんなんじゃない」
ちょっとお怒り気味だ。
「こんな喜怒哀楽のあるティアナを見たいっていう細やかな要望だ」
「……却下」
駄目か。
次いこう。
「ウィーン、ガシャン。ワレワレギルドアンチ・ブレイズハ、ナンショクゲンテイノショウスウギルドデス。俺はアンチ・ブレイズのマスコット、機神兵のジンオウと申す。キボウシャ、マッテルゾー」
「「「却下」」」
今度は即答された。
「駄目か? ジンオウ風」
「駄目よ。読みづらいわ」
ああ、そこが問題だな。
「あ、あの、難職限定ギルド、アンチ・ブレイズっていいます。入りませんか? えっ? な、何ですか? ……。何? このクソ男共は。あたしに手ぇ出して、無事でいられると? あっ、ごめんなさいね。首、狩っちゃったわ。一時間は調教してあげようと思ったのに。もっと手応えのあるペットはいないのかしらね」
「「「……却下」」」
おぉ、いい感じだ。
「駄目か? クアナ風」
「駄目ね。ちょっと怖いわ」
そっか。
「難職限定ギルド、アンチ・ブレイズ、入りませんか? ナンパ、ですか? ゴキッ。あっ、ごめんなさい! つい力が入っちゃって。腕折っちゃいました。あっ! 何するんですか! 腕取れちゃった……つけるの大変なのに」
「「「却下」」」
まあ、そうだよな。これだけじゃ世界観がわからない。
「駄目か? レア風」
「駄目よ。ナンパ路線止めなさい」
ナンパは駄目なのか。
「難職限定少数ギルド、アンチ・ブレイズ。不遇職で困ってる人、大歓迎! 人数制限までもう少しなので、早めに来て~」
「「「……これが普通」」」
ちょっとふざけてたしな。
「じゃあ、ギルドの紹介文はこれでいいな」
入力していく。
「制限人数は、10~20ぐらいでいいな。現在の人数、10っと」
自分で決める所は入力していく。
「ギルドメンバーの紹介文? マスターになるヤツが見る視点で、職業と名前をもじった一文で、か」
「丁度いいじゃない。二人にちゃんとした自己紹介してないから」
俺が声に出して書き込むか。




