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Dive in the world   作者: 星長晶人
第一章 仲間集め編

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悪魔とドS

 さて、キングゴブリンを倒しに行くか。


「おっ? いたいた」


 エリートより一際大きいゴブリンを見つけた。


「俺が一番乗りだな」


 キングゴブリンの首は俺がもらった。


「そうはいかないぜ」


 リューシンや他の皆がいた。


「ちっ。一番乗りじゃないのかよ」


 残念だ。


「じゃあ、誰が一番最初にキングを倒せるか、勝負だな」


 笑って言う。


 ーーが。


 ゴキッ。


 キングゴブリンの右腕が折れた。


「あぁ~! 切れ味加減するのって難しいけど、骨を折る感覚っていいわね」


 聞き覚えがあるような、聞き覚えがないような声がした。


「……誰?」


 ティアナが呆然と呟く。……まあ、そりゃそうだ。


 おそらくはクアナであろう人物が、切れ目で頬を赤くし、うっとりした表情で頬に手を当てていた。


 ……周りに手足のないゴブリンを数体連れて。しかも、宙に浮いている。怖いな。


「……怖いぞ、ジーク。戦いん時にああなるんだったら遠慮したい」


 うわっ。こいつ、性格変わると見たら掌返しやがった。


「……ちょっと様子見ようぜ。実力が知りたい」


 ボソボソと話す。ああなるとは誰も予想してなかっただろうしな。


「あなた達は手を出しちゃ駄目よ? キングちゃんはあたしが可愛がってあげるから」


 嬉しそうに言う。……ドSだな。


 グシャッ。


 ぐ、グシャッって何だ?


「んん~! この肉と骨が潰れる感覚、最高だわ!」


 見ると、キングゴブリンの右手が潰れていた。


「潰すのって難しいのよね。糸を絡ませて、切れないように加減して力入れないと駄目なんだから」


 器用さがバカ高いから出来るのか。


「ギィ……」


 キングは右が使えなくさせられて怒っているらしい。


「何? あたし、刃向かうペットはいらないわよ? 刃向かうのを止めてあたしに平伏すのは見たいわね」


 嬉しそうだ。


「……力加減次第で潰すことも出来るんだから、いい発見ね」


 グシャッ。


 左手も潰した。


「ギガアァ!」


「はぁ……。そうよ。そういう悲鳴が聞きたかったの」


 さらにうっとりした表情になる。


「切り落としちゃうとHPが減って死んじゃうから、折るか潰すがいいわね」


 ドSの笑みを浮かべる。


「ギッ」


 恐怖を感じたのか、キングは逃げようともがくが、動けない。……糸で動けなくしてるのか。


「威勢のいいこと。けど、どこまでその威勢が続くのかしらね?」


 それ、悪役が言うセリフだろ。


 スパッ、ゴキッ、グシャッ、ブチッ。


 切る、折る、潰す、千切る。


 具体的に描写すると、キングゴブリンの左腕を指の間に沿って、肩まで腕を五本に分け、それの骨を粉々に砕き、それをさらにグシャグシャに潰し、引っ張って肩から千切った。


「あぁん! もう最高! いい感じだわ……」


 クアナは恍惚とした表情で言う。……グロい。


「ギギャアアアアアアアァァァァァ!!」


 キングゴブリンの哀れな絶叫が響く。


「はぁ……。いいわよ、もっと苦しそうな声を上げなさい」


 キングゴブリンの全身に切り傷をつける。……俺もちょっと引き始めた。


「……いい玩具が見つかったから、もういらないわね」


 クアナは多分糸で吊り下げた、ギリギリ生きているゴブリン達に言う。


「バイバイ」


 ゴブリン達は細切れになって消えた。


 ……哀れ、ゴブリン達。


「脚もいらないわよね」


 キングゴブリンの脚を見て言う。


 ゴシャッ。


 脚を腿の辺からもぎ取った。


「ギギャアアアアアアアァァァァァ!!」


 ……可哀想に。無駄にHP高いせいでまだ三分の一も残ってる。


 ご愁傷さま。


「もう抵抗出来ないわね。さぁて、どうやって遊んであげようかしら?」


 怖いな、クアナ。どうしようか。


「あぁ~! これからやろうとしてることを想像すると、もう絶頂に達しちゃいそう。ゾクゾクするわ」


 キングを地面に転がして言う。


 俺らもゾクゾクしてるけどな。……寒気という別の意味で。


「楽しみぃ」


 クアナは両手をキングの顔に近付ける。


「……?」


 俺らにはさっぱりわからん。


「ガゴッ!?」


 キングが目を見開いて呻く。苦しそうにピクピク動いている。


「まずはどこを弄ろうかしら。喉? 胃? それとも肺?」


 ……口からキングの体内を糸で探ってるらしい。


「……やっぱり胃かしらね。喉を潰しちゃうと悲鳴が聞けないし」


 胃でも潰したらヤバいけどな。


「ゴアアアアアアアアァァァァァァ!!!」


 胃が潰されたらしい。……もう皆は目を逸らすか、嫌な顔をしている。


「ああぁん! 内臓潰すなんて初めて……。いいわぁ。もっと、もっと欲しい」


 息荒くして、恍惚の表情で言う。……楽しそうだな。


「もう我慢出来ない。内臓一気に潰しちゃお」


 極上の笑みを浮かべる。


 グシュッゴシュッ。


 ……内臓が潰される音が響く。


「ーー!」


 声にならない悲鳴を上げる。


「あぁ。このままじゃ殺す前にあたしが逝っちゃいそう」


 ……エロチックになってきたな、おい。


「……っていうか、もう悲鳴上げないの? つまんないわね。じゃあいらないわ」


 悲鳴を上げないと見ると、あっさり切り捨てた。


「……」


 無表情にバラバラに切り刻むと、キングはやっと死ねた。


 ……良かったな、キング。ちゃんと死ねて。

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