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Dive in the world   作者: 星長晶人
第一章 仲間集め編

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悪魔と腕試し

「「「……」」」


 男三人がクアナの胸に釘付けになってると、女子三人とディシアの視線がキツくなった。


「……クアナちゃん、性格が変わるって、どれくらいかわかる?」


 ……出たよ、リューシンの笑顔120%。さらに優しく話しかけるときたか。……俺ら四人引いてるけどな。


「わかんないです。……一緒にいたパーティーの人が怯えて逃げ出すくらい、です……」


 クアナがしょんぼりしてしまった。……クアナの二重性格ってどんだけ?


「そうなんだ。でも、俺達は逃げ出さないから大丈夫だよ」


「あの、ありがとう、ございます」


 ペコリとお辞儀をする。……大きな胸が揺れておりますな。


「俺達はクアナちゃんのーー」


「とりあえず、俺達の自己紹介やろうぜ」


 バカはほっといて。


「俺はジーク。全ての魂を継ぐ者ソウルイーターだ」


「私はシュリナよ。伝説の不死鳥フェニックスっていう職業ね」


「……ティアナ。絶望の女神」


「俺はジンオウだ。機神兵でな。二次職になってからはほとんど機械になってるが、ちゃんとしたプレイヤーだ」


 四人で名乗る。


「メンバーはこれで全員だ」


「俺もメンバーだから!」


 リューシンがツッコんだ。


「冗談半分だ」


「半分は本気かよ!」


 ノリがいいよな、こいつ。


「まあ、とりあえず自己紹介しろよ」


「……ったく。リューシン、紋章の守護者だ。よろしくな」


 やっとリューシンが自己紹介したか。


「これで八人か。このメンバーでギルド作るの反対なヤツいるか?」


 俺は言って七人を見渡すが、手を挙げる人はいなかった。


「じゃあ、ギルド作る方針で。んで、三人の実力と俺らの実力を試すためにいい練習台があるといいんだけどな。……リューシン、どっかあるか?」


 可哀想だからリューシンにも活躍の場はやろう。


「……そうだな。やっぱり、広大な草原のゴブリンの群れが手頃だろう。経験値もいいし、数が多ければピンチになって本気が出しやすい」


 顎に手を当てて言う。……三人は少し疑うような目で見ていた。ここはフォローしてやるか。


「リューシンの口調はこっちが本来の口調だ。さっきのが猫被ってる方」


「フォローになってないから! もっと変な目で見られるし!」


 フォロー失敗だな。


「……とりあえず行こうか」


 三人の視線が俺達とおんなじになったので移動する。


 ▼△▼△▼△


「ジークは東京に住んでるの?」


 移動中、ディシアが聞いてきた。


「ああ。ディシアもか?」


「まあね。じゃあ、真紅はジーク?」


「……」


 俺の黒歴史知ってそうなヤツ出てきたぞ。


「まあ、中学ん時の話だけどな」


 隠したいが、知ってるなら無理に隠さない方がいいよな。


「血まみれの真紅と呼ばれた東京最強の不良、ジーク。ここ数ヶ月は噂がなくなったけど」


 そんな大層なもんじゃないけどな。


「血まみれって、怖いな」


 苦笑して言う。


「一部では、早く寝ないとジークが来るよ、と子供達の間で鬼より怖い存在になってるね」


 困ったもんだ。


「まあ、俺の黒歴史はあんま触れんなよ」


 そこで話を切って、リューシンの方を向く。


「リューシン、あれはどうだ?」


 俺はゴブリンの群れを見つけてリューシンに聞く。


「あれか。……キングゴブリンがいるな。規模も前戦った時よりデカイし、腕試しには丁度いいんじゃないのか?」


 うっし。


「んじゃあ、全員戦闘準備だ。あのゴブリンの群れを倒すぞ。一人一匹エリート倒して、真っ先に倒したヤツがキングを狙っていい。早い者勝ちだからな」


 俺は負ける気はないが。


「早い者勝ち? なら、遠距離の方が有利ね」


 シャリアが一歩前に出る。


「灼熱烈火」


 炎の玉がいくつもゴブリンの群れを襲った。


「……残念。エリートは倒してないわね」


 やるな。


「ったく。加減してる暇ないな、お前ら!」


 元のメンバー四人に言って、戦闘準備する。


「モンスターソウル“フォースウルフ”」


 ウルフの白いバージョンだ。まあ、能力は違うが。


「エンブレムセット“フォースウルフ”」


 ガントレットと、新しく追加されたらしい剣を持っている。


「紅蓮絢爛」


 シュリナの周りに炎が立ち込め、火の粉が舞う。


「女神の輝き」


 ティアナを黒が覆い、黒く輝く。


「レーザー砲準備」


 ジンオウの胸が開き、埋まっている薄い青の球体が現れる。


「ジンオウ、ゴー」


「了解した。が、ゴブリンだけでいいか? エリートとは近接でやりたい」


「オッケー。目標、ゴブリン!」


「レーザー砲、発射」


 胸の球体に光が収束し、直径三メートル以上のレーザーが発射される。


「「「……」」」


 新しく来た三人は呆然としていた。


「おぉー。さすがジンオウ。ちゃんとエリートは避けてるしな」


 コントロール出来てる。


「では、ゆっくり行こう。ジーク達は先に行くといい」


 お言葉に甘えて。


「んじゃ、さっさと行くか」


 言って、全速力でゴブリンの群れに向かって駆ける。


「天狼爆砕牙」


 右手に巨大な狼のオーラを集束し、地面に向かって放つ。地面が砕け、ゴブリンを数体倒した。


「範囲攻撃少ないんだよな。一気に倒したいんだが」


 フォースウルフだから魔法が撃てるようになるが、俺のステータスじゃ大した威力はないだろうしな。


「ウインドストーム」


 遅れてきたリューシンがガントレットに風の竜巻を纏いながら、殴り付けると、ゴブリン数体が竜巻に巻き込まれた。


 ……やるじゃん。


「はっ!」


 シュリナがレイピアで高速の突きを放つ。ゴブリンの頭を貫いて、普通ならグロテスクに死ぬが、傷口から発火してから消えた。


「……邪魔」


 ティアナが二本の巨大な鎌を器用に扱ってゴブリンの首を狩っていく。

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