77/91
新緑に憂さを委ねて魚釣る
平成二十六年五月
ここ四~五年、いやもっと前からか……あれほど好きだった釣りに行っていなかった。
ゴルフに至っては慢性ビギナーに嫌気をさしていたので、もっと前からご無沙汰していた。
ボケたるや鱒解禁日忘れたり
こんな俳句を詠んだのがきっかけだった。
そうだ! 魚釣りに行こう!
七十八歳、独居老人の思い付きにしては乱暴なことだと思う。
何処に? なにを? そして車がない。
この足がないという事は致命的だった。
近場の乗合船に鮨詰めになって周囲に迷惑を掛けないだろうか?
しかし夜な夜な、このことを考えるのは楽しかった。それが熟睡にも繋ながった。
最終的に箱根芦ノ湖の鱒釣に決めた。
ボートを借りる。ポイントは目の前なのだ。
同い年の従弟を誘って前の日からホテルに泊まった。
楽しかった。
一つ残念なことがあった。
それは初心者の彼が私の数倍釣ったことだった。




