67/91
蝉仆る老いたりといえただ七日 八日目の蝉本願を遂げたるや
平成二十五年八月
蝉の一生とは? 本願とは?
こんな俳句を詠んで独り笑った。
もしその時の私を見ていた人がいたら気が狂ったと思うだろう。しかし、これは笑い事ではない。
思うだに苦節十年、艱難辛苦の長い年月。
空しく七日を過ごせるだろうか。
蝉は七日、私はなんと七十余年。中国、唐の名僧、趙州禅師は問われてこう答えたという。
「汝は十二時間に使われ、我は十二時間を使い得たり」
私は十二時間を使いこなしたわいと言った!
脱帽である。
今の近代中国の諸氏と孔子、孟子等々哲人を輩出した同じ民族とは結びつかない。
もう一つの句の「本願」についてだが蝉は雄が鳴き雌が交尾を求めて寄ってくるという。
その雄が不幸にして器量、度量が悪くその七ノ日間、鳴けど叫べど相方が一匹も寄ってこなかったら犬死ならず「蝉死」と言えないだろうか。




