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残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ


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妻逝きて今年のさくら色淡し

平成二四年四月



 この句も「妻逝きて」になってしまった。



 しかし一生の内にそう体験する事ではない。

 無理矢理忘れることを努力することでもあるまい。少々女々しくたっていいと思っている。



 「女々しい」っていう言葉は改めて見ると可笑しい。

 もし私が先に逝ってワイフが残ったとしたら?

 まさかメリィ・ウイドーではあるまいな。

 こんなくだらない想像こそ女々しいということになるだろう。



 話をさくらに戻そう。



 この俳句は日経俳壇に掲載された。

 確かに今年のさくらは色が淡いと感じた。



 東京に居た時は眼下、いや四十五階から見ていたので花びらを見ていたというより花苞を見ていたのかもしれない。



 此処に移転して、二人で近場に限られていたとはいえあちこちドライブをして廻った。


 今でも周辺を通るたびにワイフが偲ばれる。



 喫茶店、緑の里山。

 そして大川端の満開の桜……。


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