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残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ


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背をさする妻の寝息に春惜しむ

平成二十一年五月



 平成二十一年五月十七日、沼杏会で二重丸に選ばれた句だ。



 春惜しむ……が効いている、と評された。

 其処のところを詳細に申し上げたかったのだが、

「それ以上言いなさんな。解説の多いのは『自句自解』という」

とご指導頂いた。

 ここでまた取り上げて云々すると、文字通り自句自解になってしまう。



 と言いつつ、まだ喋り続けている……。

 最近、ワイフに衰えが目立つ。枕辺に座っているといささか切なくなってくる。別離の時期はそう遠くはないと感じている。



 わたしは、ワイフになにを報いたただろうか。

 彼女には、もっとマシな選択もあっただろうにと思う。

「貴方と出会えて幸せだった。明朗という宝も得た。周囲のお陰、感謝、感謝」と言っている。



 今、わたしに出来ることは、せいぜい痩せた背中を擦ってあげること位しかない。

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