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残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ


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38/91

竹薮を揺する音なり焼夷弾

平成二十一年三月



 これも駄作だが、手の入れようがない。

 あの音を思い出すと感覚が麻痺してしまう。


 

 新しいセメントの匂いのする防空壕。

 小さな大仏像を押し頂いてお念仏を唱えていた母。

 デモわが家はキリスト教だったはずだが?



 途切れ途切れの厳粛な声、「ヨコチンナカカンクジョウホウ、空襲警報発令!」知っている人がいたら教えてよ!


 「横須賀鎮守府中部軍管区情報」だったっけ?



 母のお念仏に唱和する私達。

 天空を重いチエンを引摺るようなB―29のプロペラ音。

 ズシンズシンは爆弾。

 竹薮を揺する音がすると薪のように焼夷弾が落ちてくる。


 外は阿鼻叫喚。日本帝国陸軍の高射砲の発射音。

 一度だけマグレで当たり火に包まれた敵爆撃機。

 皆で大拍手。



 世界の景気を好転させるのは大消耗しかないそうだ。

 それには即ち戦争が最適とか。

 いずれ何処かでドンパチ始まるに違いない。



 悲惨な戦時中のお話であるはずなのに、どこか楽しげに感じてしまう。

 俳句も、藪から「ナンダナンダ?」と顔を出したら爆弾で吹っ飛ばされるような唐突感。

 地獄の中にあっても、ユーモアの種は尽きないということか。


(山鳥はむ)

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