表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/91

冬の日や友病巣の影重し

平成二十年七月



 ステルス性癌という言葉を初めて知った。

 本人の口から直接聞いたのだ。



「それって、どういうこと?」


 何故かそんなことを聞いてはいけないと思った。



 いかにも気楽そうに、しかし的確に説明する彼を訝った。

 彼は東大の工学部から大企業の経営者に成った男だ。


「今の化学治療がわたしに合っていて、最近調子がいいんだ」と言う。まさか本気で信じているとは思えない。



 その後、突然、電話があって、チャイムが鳴った。

 ドアを開けたら皺だらけで土気色の彼が立っていた。


「最近、旅づいている」と言う。

 なに? 旅だと?

 何も食えないと言っていなかったっけ? 

 とても独りでは帰せなかった。



 直りつつあると信じたいのか? それとも生死を越えて達観の境地で「さようなら」を言いに来たのだろうか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ