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春嵐墨田の川面竜登る
平成二十年四月
四十五階の部屋に住んでいると、季節の移いにつれ山の稜線、夕日と雲、そして大都会の夜景など、今までと異なった景色に出会える。
反面、地上目線で見えていた人との関わりが薄れてくる。
それが煩わしいので此処に移った事は確かだった。しかし此処でも友人は増えたのだから快適だと確信している。
東京のど真ん中、こんなに立地条件の良い部屋を維持するには、それなりの経費が嵩む。夫婦の片方でも動けなくなったら更に費用は大きくなっていく。
しかも思っても見なかった百年に一度の世界大不況。
零細企業主の私の不安はいやがうえにも募ってくる。
アメリカのプライムローンに端を発する。
子供の頃は其処と戦争をしてひもじさと空襲の恐怖に脅かされ、晩年、また不安な種を撒き散らされた。
アメリカこそ総ての元凶だと叫んだら、世間の哄笑をかうだろうか?




