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残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ


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27/91

除夜の鐘雨音に消え酒沁みる 出来過ぎのわが人生の大晦日

平成十九年十二月



 大晦日に対する思い入れはまだまだ続く。

 杏子先生に叱られそうだが、五七五に言葉を集約する訓練をしていながら、とても四百字に収まるものではない。



 世界中とは言えないが結構多くのニューイヤーズ・イブを体験してきた。

 スペインでは葡萄を食べる。爆竹を鳴らす国もあった。

 しかし、日本のおおつもごりの夜が肌に合う。一茶を真似て、こんな俳句も作ってみた。



 なにはあれおおつもごりやさりながら



 兎も角も一年暮らせたが? 果たして総智を絞ったか?

 ベストを尽くしたか? 大きな疑問符が付いてくる。



 いまだかつて、大晦日の晩に思はず一人笑みが零れるような歓喜を味わったことがない。これが、人生というものか。爪先立ちもいささか痺れが廻ってきた。

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