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残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ


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年越しのそば温かく洟啜る 嬉しきはいま年越しのそばを食う

平成十九年十二月



 大晦日は普段と違って、兎角、俳句を詠みたい一日である。

 一年のケジメか、反省か。



 年末年始を日本で過ごすようになって、もう何年になるだろうか。空港に行く、ひたすらシートに座り、イミグレーションを抜け、ホテルに向かう。そんな過程が煩わしい。



 我が家で迎える大晦日の夜は、除夜の鐘ならぬ、東京湾に停泊中の大型船が汽笛を鳴らす。

 ボォーと次々に、沖に応呼して響く音は、それなりの風情だが、いつからか大磯プリンスホテルに鞍替えした。


 テレビの紅白が終わると、一人、和食堂に行きそばを啜る。問題山積だから、こんな俳句になってしまう。



 だけどさ、天下を取った家康だって「重き荷を背負うて遠き道を行くが如し」

 そうだよな……凡庸なオレが生きるのを辛がるのは至極、当たり前な話さ。

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