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残照 ~俳句と人生、老いの旅~  作者: 松涛/編集:山鳥はむ


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暮れなずむ佐渡の漁り火夏休み

平成十九年八月



 二〇〇七年七月、新潟中越沖大地震が発生した。



 道路復興の報を聞き、わたしは刈羽郡刈羽村の外注先を訪ねた。原発の膝元であり、震源地に近かっただけに心配だった。


 車を飛ばし着いてみると無傷ではなかったものの人身の事故はなかった。



 この地域の地盤はさすが原発を建設しただけに強固で、被害を最少に食い止められたと思う。

 大雑把な被害状況は把握していたものの、わたしの気分は持ち前のイージー感覚が首を擡げ、観光気分に早替わり。

 このまま帰るのが惜しくなり、憧れていた日本海の夕日を見ようと良寛の故郷、出雲崎を抜け寺泊に出た。



 海は、佐渡ヶ島を悠然と浮かべて果てしなく広がっていた。真っ赤な太陽は最期の力を振り絞り、暮色は更に色を増した。



 まるで濃い藍色の素地に数千万に千切った金箔を一つずつ丹念に貼り付けたような光景に息を呑んだ。


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