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十国伝  作者: 魔神
蛇国編

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第五十八話 「野生の本能」

優駿と司馬晋の二人は一言も(はっ)さず、静かに考えを巡らせていた。

勿論、先程の砦の事に()いての件もあるのだが……。一番分からないのは、蛇国の強さである。


一体どの様な方法で、"天覇十傑"最強の三将である李葉を倒したのか?

公孫翔同様、優駿と司馬晋が一番引っ掛かっている所は、そこである。


つまりあちら側には、李葉に勝てる程の何かが……。得体の知れない"化け物"が存在している事になる。

その得体の知れない存在に、優駿達は慎重に成らざるを得なかった。


そんな不安を抱えながらも、優駿達は更に蛇国領の奥へと足を踏み入れていく。


優駿達がこの先に進む為には、山を一つ越えなければならない。道は細く険しく、優駿達の行く手を(はば)んでゆく。


当然ながら敵国も、他国の侵入を阻止する為、何かしらの対策は講じてくる事だろう。


優駿達の進行経路は二つ。

通り易い道沿いを進むか、森を抜ける方法の二つである。


通り易い道沿いの進行経路では道が細く、その先には関が構えてあり、その厚い関門が侵入者の行く手を阻む。


……関門自体の攻略は容易である。しかし、先程の砦に敵兵が残っている場合は話が違ってくる。


その場合は、この細く隊が分断された状態で後方から挟み撃ちに()い、砦よりも更に難攻不落の要塞と化す。


そしてそれは、もう一方の森へ抜けるの進行経路も同じである。長年の間、李葉が築いたその防壁により、先程の関よりも遥かに攻略難易度が高い天然の要塞と化していた。


その為、過去の戦いでは"天覇十傑"の将軍ですら関と森を抜ける進行経路を諦め、先に砦を攻略するしか方法は無かったのである。


このまま道を行くのか?それとも森を抜けるのか?

「……どうするんだい?優駿。」

「…………。」

この先の進行経路に就いて話し合う、優駿と司馬晋の二人。


「うん。もう砦には敵が居ないんだし、このまま進んで関を突破しよう。」

「りょうかーい。」


優駿達は、そのまま山道を進んで行った。道はやがて細くなり、優駿達二万の軍は必然的に長蛇の列となし、だんだんと前後の連携が取り辛くなっていく……。


「気を付けろ、優駿。さっきから、何か嫌な予感がしやがるぜ。」

「……え?」


「俺もだ、優駿。この俺も先程から、嫌な雰囲気を感じている。……一度、辺りを確認した方が良い。」


長年に渡る、戦いの勘と言う物なのだろうか?刹那と張翼の二人は、この状況に(ただ)ならぬ()()を感じ取っていた。


優駿は、すぐに同じ参謀である司馬晋の表情を確認する。


「んー。砦に蛇国兵は居なかったから、多分大丈夫だとは思うけどね。……不安なら一応、その辺りを確認しておくかい?優駿。」


司馬晋は、二人の意見に賛成の様だが……。その違和感を感じているのは、刹那と張翼の二人だけだった。


以前、刹那はある程度の力を持つ者が近くに居ると、その気配だけで相手が何処(どこ)に居るのか分かると言っていた。


武に長けた、この二人になら……。そう言った危険な何かが近付いてくるのを事前に察知出来るのかも知れない。


……そう思い、優駿は辺りを探る為に少数の偵察隊を送った。偵察隊が戻るまで少しの間、軍の足を止める優駿達。


「考え過ぎなら、良いんだけど……。」

「まあ、用心に越した事は無いんじゃない?」

「……そうだね。」


──ダダダダダダッ!

(しばら)くすると、偵察に出していた部隊と共に隊長である士龍が優駿の元に駆け寄ってきた。


「かなり広めに、この辺りを探ってみたけど、敵の気配は感じられなかったよ。」

「あ、ありがとう。士龍は隊長なのに、一緒に偵察に行ってたの?」


「…………。」

「どうしたの?士龍。」

口を閉ざし、静かに考え込む士龍の様子に違和感を覚え、優駿は士龍に話し掛けた。


「何だか、俺……。嫌な予感がするんです。前の戦いよりも……。」


どうやら二人に続き、士龍までも何か嫌な予感を感じ取っている様である。……それも前の戦いの"天覇十傑"が二人も居た翔国との戦いよりも、嫌な予感がすると士龍は言う。


「何も起こらなければ、良いんだけど……。とりあえず先に進もう。」


辺りに敵の気配は感じられなかった。何かあるとすれば、この先なのだろう。優駿は慎重に二万の軍の足を進めて行った。

武将紹介

優駿(ゆうしゅん)

武力 47

知力 87

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


刹那(せつな)

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


公孫翔(こうそんしょう)

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


黄牙(こうが)

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


劉士元(りゅうしげん)

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


張翼(ちょうよく)

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


士龍(しりゅう)

武力 85

知力 64

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。


司馬晋(しばしん)

武力 79

知力 91

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。

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― 新着の感想 ―
えっ、刹那と張翼だけでなく、士龍まで??嫌な予感の正体はなんなんだろう…?
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