表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十国伝   作者: 魔神
翔国編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

34/36

第三十四話 「老兵」

「何て、数なんだ……。」

まだ戦いに慣れていない、新入りの志願兵数名がそう小声で漏らした。

──オオオオオオオオ!


四万と言う大軍を前にして、恐怖に(おじ)じける新人兵士達。この四万の大軍と、それを率いる"天覇十傑"の将に動じずに居られるのは、公孫翔と黄牙の二人だけではないだろうか。

三千しかいない朧の団に、襲いかかる四万の討伐軍。十倍以上の差がある、翔国軍との決戦が始まろうとしていた。


「…………。」

公孫翔は、チラリと左側の崖に視線を移す。手筈通り月影団を中心に、多数の盗賊団が加勢に来ていた。……その数は、ゆうに五千を超え。朧の団三千と合わせれば、八千対四万と言う形になるだろう。


「勝てそうか?……翔。」

この大軍を前にして、少し不安を感じたのか。黄牙は公孫翔を心配し、そう尋ねる。


「こちらが負ける事は、まず無いだろう。悪くても引き分けだ。奴らには、軍師が居ないからな……。」

四万の大軍を見ながら、公孫翔は何処(どこ)か寂しそうにそう話した。

「……そうか。」


四万の大軍を前に、二人は全く動じもせず語り始める。

「刹那、司馬晋、士龍……。俺は、実に良い拾い物をした。あの三人は、いずれ"天覇十傑"にさえ引けを取らない将に成長する事だろう。これでまた俺達の野望(ゆめ)に、一歩近付く事になる。」

公孫翔は黄牙の顔を見つめ、熱く野望(ゆめ)を語る。


「俺は目の前に居る四万の討伐軍を倒し、そして十国全てもを制圧し。……この大陸全土を、統一する王になる。その為には黄牙、お前の力が必要だ。……これからも頼むぞ。」


「任せておけ、"天覇十傑"は全員この俺が倒してやる。」

「フッ……。」

……二人は、笑っていた。


「……行くか、()()の夢へな。」


──────────。


「うーむ、どうしたものか。全く、この国の王にも困った物じゃ……。」

この戦いに無理矢理参加を余儀なくされた、一人の老兵はボソリと漏らす。


(わし)もそろそろ引退して、ゆっくりとした老後を送りたいのだがな……。」

この老兵は隣国である葉国への侵攻に、参加を強要されていた。

しかし急遽、本国から呼び戻されて戻って来てみれば……。翔国軍随一の知将である筈の青辛将軍が敗戦の責任を取らされ、そして処刑された事に心を痛めていた。


「やれやれ、本当にこの国の王には困った物よな……。」

おまけに、その反乱軍の鎮圧に向かわせられ。更には本日中に、その首を取ってくる様に命じられる事になる。


反乱軍(あちら)がそれを逆手に取り、罠を仕掛け様物なら終わりなんじゃがのう……。」

老兵は白くなった髭を触りながら、げんなりと(つぶや)いた。


「……如何(いかが)なさいますか?厳狼将軍。」

隣に居る側近の兵士が、そう老兵に話し掛けた。……いやその人物は、老兵と言うにはあまりにも似つかわしく無い風貌(ふうぼう)なのである。その鍛え上げられた肉体は同じ"天覇十傑"である、臥龍将軍に匹敵する程の巨躯(きょく)であった。


──"天覇十豪"の一人でもあり翔国軍筆頭の大将軍、厳狼。


「ならば策ごと、潰すしか無かろうて。」

厳狼将軍は巨大な矛を手に、鋭い目付きで反乱軍を睨み付けながら。……ニヤリと笑っていた。

武将紹介

優駿(ゆうしゅん)

武力 45

知力 85

主人公 オーラがあまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


刹那(せつな)

武力 89

知力 54

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


公孫翔(こうそんしょう)

武力 92

知力 99

髪型 98 美容院通ってるの!?


(おぼろ)の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


黄牙(こうが)

武力 96

知力 77

自称 最強剣士。


公孫翔の相棒。非常に腕の立つ剣士。最強を自負しているのだが、実際は……。


劉士元(りゅうしげん)

武力 97

知力 67

暗殺 最強の一族


大陸最強の暗殺者一族、"剣竜(けんりゅう)"。


臥龍(がりゅう)

武力 96

知力 68

体格 98


"天覇十傑"に名を連ねる、最強の将軍の一人。その実力は、剣竜とも互角に戦える程の強さを持つ。翔国が誇る、二大将軍である。


張翼(ちょうよく)

武力 94

知力 87

自分 大好き


翔国、臥龍配下の部隊長。その実力から、将来を有望視される人物。野心家で、自信過剰な所がある。


青辛(せいしん)

武力 74

知力 92

糸目 では無い。目を閉じているだけ。


知将。その知略は翔国一と称される人物。翔国の軍略を一手に取り仕切っている将軍である。二大将軍に隠れがちだが、非常に優秀な将軍と言える。


呉頭(ごず)

武力 85

知力 38

悪行(カルマ) 96


大陸最大の盗賊団、月影団(げつえいだん)の頭目。朧の団以外で唯一、討伐隊を退ける程の武闘派集団の親玉である。かなりの怪力の持ち主。かなり悪事を働いているが、領主程嫌われてはいない。


士龍(しりゅう)

武力 84

知力 58

努力 家


志願兵の一人。刹那にその実力が認められ、一隊を任せられる。槍の使い手で、実力はそこそこ。割と勘が冴える事もある。


司馬晋(しばしん)

武力 78

知力 89

糸目 開眼しないタイプの糸目。


掴み所の無い、何考えて居るのか良く分からない糸目。……その糸目が、開眼する事は無い。


厳狼(げんろう)

武力 98

知力 84

最強 お爺ちゃん


"天覇十傑"に名を連ねる将軍。翔国軍、筆頭の大将軍でもある。……そろそろ引退して、孫とゆっくりしたいお年頃。身長二メートル以上の巨体を誇っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
ついに翔国4万の大軍が!! 大丈夫か朧の団、そして月影団連合軍! ていうか厳狼将軍強すぎやろーー!w さすが最強おじいちゃん!知力もまぁまぁあるし!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ