表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十国伝   作者: 魔神
朧の団編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/36

第十五話 「暗殺者」

──ドガッ!!

激突する、両軍。


「…………。」

その大きな戦力差に、刹那は公孫翔率いる朧の団に不安が過る。

奇襲をかけず、正面から正々堂々と戦う事は決して悪い事では無い。悪い事では無いのだが……。この戦力差では、流石に刹那でも朧の団の事が不安になってくる。

……それに、刹那は優駿を助けなければいけない。ここで朧の団に、負けて貰っては困るのだ。

刹那は朧の団の戦い方に不安が募り、黄牙の方をちらりと見る。


「なあ黄牙、公孫翔はその……大丈夫なのか?」

「……何がだ?」

「公孫翔は、何か策とか考えて戦ってるのか?俺には、あまり分からないが……。こういう戦いってのは色々と作戦を考えて、事を有利に進める物なんじゃないのか?……例えば不意を付いて、奇襲をかけるとか。」


刹那の問いに黄牙は、刹那の顔では無く戦っている最中(さなか)の公孫翔の姿を見ながら答える。

「……正直な所、俺には公孫翔(あいつ)が何を考えているかは、よく分からん。」

「……は?」

「よく分からんが……。一つ言える事は公孫翔(あいつ)の言う通りにしていれば、絶好に間違いと言う事だ。翔は……あいつは天才なんだ。俺達朧の団を捕らえる為に、国からは二十数回の討伐隊が派遣され攻めてきた。だが(おれ)(たち)は、その全ての戦いに勝利し、討伐隊を跳ね除けてきた。……翔の策略の、お(かげ)でな。」

「…………。」


「……それに、この戦いは既に(おれ)(たち)が勝つ事が決まっている。」

──!?

「なっ!?勝つ事が決まっている、だって?どうして、そんな事が言えるんだよ!!」

……フッ。

黄牙は刹那の驚く顔を見ながら、にやりと笑みを浮かべる。

「それは公孫翔に、強力な二本の剣が居るからだ。……それも恐ろしく、強力な剣がな。


その言葉に驚く刹那。……確かに、公孫翔は強かった。刹那に勝利する程なのだから、かなりの実力者だろう。

そして刹那の頭に、領主の館で出会ったあの二人の姿が過る。

「…………。」

……あの二人は強かった。特にあの戦斧を持つ大男は、化け物じみた強さを誇っていたのだ。

その為、刹那には(にわか)には信じられない話だった。少し納得の行かない表情の刹那に、黄牙は()()()を告げる。

「何だ、あまり信じて無いって(つら)だな。だが()()()の名前を聞けば刹那、きっとお前も驚く筈だ。この国で……。いや、この大陸で奴の名前を知らない者は居ないからな。」

「誰だ?……そいつは。」

黄牙は、にやりと笑いその名を告げた。


「そいつの、名は────。」


刹那はこの時、気が付いてはいなかったのだが……。公孫翔は、部隊を三つに分けていた。

朧の団の所属人数は、刹那を含めて二百五十九人である。刹那の居る黄牙隊は五十六人、公孫翔率いる本体は二百二人。

……つまり残る三つ目の部隊の人数は、たった一人だけと言う事になる。


……すたすたすた。

領主邸の裏口へ、一人の男が剣を携え近付いて行く。領主邸裏口の衛兵は、約六十名。朧の団本体が正面に現れた為、こちらは少し守りが手薄になっていた。

そこに、死神の如く現れる一人の剣士。


「何だ、貴様は!?」

「止まれ!お前、ここが何処だか分かっているのか?」

相手はたった一人、裏口の守りの衛兵は六十人も居るのだ。……その為、気が大きくなっているのだろう。

朧の団が攻めて来ている、と言うのにも関わらず。この裏口を守る衛兵達は、何処か少し気が抜けてる様に見えた。


……すたすたすた。

その剣士は衛兵達に声を掛けられても、一切気にする事も無く衛兵達に歩み寄る。

裏口を守る衛兵、五十人に囲まれる剣士。

「…………。」

剣士は歩みを止め、衛兵達を睨み付ける。


「おいっ、止まれ貴様!!」

「おいお前、聞いているのか!?」

衛兵達は怒り、その剣士の首に持っている槍を突き付ける。

その状況に全く動じず、その剣士は不敵に笑い。……衛兵達に、こう告げた。


「死にたく無ければ、そこを退()け。」

武将紹介

「優駿」

武力 45 かなり低い。

知力 75 割りと賢い。

主人公オーラ 50 あまり無い。


一応これでも主人公。

亡き国、優国の王子。

生き別れの妹を探している。

祖国の復讐の為、蛇国と戦う決意をすが。諦めて物乞いや盗みを働いている。

頭は悪く無いのだが、使い方を知らない。

こんな治安の悪い、しかも圧政に苦しむ翔国に来た事を少し後悔している。


「刹那」

武力 89 かなり強い。

知力 54 ちょっと低め。

髪型 95 かなり気合い入れてる。


村の自警団の一員。

剣の腕は相当な物で、盗賊百人を平気で蹴散らす実力を持つ。この大陸でも屈指の実力を誇ると言えるだろう……。

でも頭の方は、お察し。

綺麗な長髪の黒髪が特徴。毎朝一体何時間掛けているんだ?って位に気合いが入っている。


「公孫翔」

武力 刹那より強い

知力 高い筈

髪型 98 美容院通ってるの!?


朧の団の若きリーダー。義賊。これでもかって程、髪型に気合いを入れている。え?毎日、美容院通ってる?ってレベルに気合いが入っている。後、仲の良い妹が一人居る。


「黄牙」

武力 かなり高いらしい。

知力 そこそこ高いらしい。

キザ ちょっとキザ。


公孫翔の相棒。

非常に腕の立つ剣士。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
翔よりも黄牙よりも、更に強いやつが!もう刹那の強さが霞んでしまいそうですね〜(ToT)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ