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短編の歴史

捻くれ者のリスと孤独に冒険する冒険者

作者: 猫乃つづり
掲載日:2018/02/06

今日も木の上で巣の中で大空を見つめるリスがそこにはいた。

そして、そのリスは疑問に思うのである。

それは……


「どうして冒険者は楽しそうにしてるのかなぁ〜」


それをぼそりと呟く、だけど誰もそのリスの言葉に返事をするものなどいない。

それは何しろそのリスは一匹だけで暮らしているからだ。

よって、それは独り言になる。


「まっ別に俺の知ったこっちゃねぇけどな」


そう言って、リスは自分で作った手製の机に戻り勉強をするのである。

そのリスの名前はラッセル、捻くれ者のリスで幼い頃から群れで暮らすことよりも一匹で暮らすことを好み、今、現在、木の上で一人で暮らしている。

そして、友達はというとゼロそんなものはなから欲しくもなかったのでラッセルは気にしていない。

そんな孤独なラッセルの日々の暮らしはラッセル自身つまらないものでもなかった。

時間がたち、気分転換がてらに外を見る、見れば朝見た冒険者達が楽しそうに帰っている様子がラッセルの目に移るのである。


「なんで楽しそうにしてんのかなぁ、一人で冒険しても楽しいと思うのに……」


近くにある通りはよく冒険者が交通路として利用しているため、冒険者をよく見かける。

そのつど、ラッセルはそんなことを思うのである。

パーティを組んで楽しいと思うのなら一人でも楽しいと思うのにそれがラッセルにとっての疑問でもあり、好奇心に繋がるものとなるのであったのだった。

そしてある日の夜、ラッセルがいつものように気晴らしに外を何の気なしにに見ていると、そこには一人の少年が町に戻ろうと歩いていた。


「なんでこんな時間に冒険者がしかも一人で……」


ラッセルはその少年に対して疑問に思うのである。

それもそのはず、だいたいこの時間まで来る人はほとんどというよりも全く通らないし、ラッセルがいつの時か読んだ本ではどうやら、魔物は夜に活発になるらしいため、一般冒険者は魔物が活発化していない時間に冒険を開始して、夜は街に戻り冒険の準備と休息をとるの常識らしいのである。

だから、ラッセルは疑問に思ったのだった。


「でも、疲れたからもう寝ようかなぁふわあああーあ……」


夜がだいぶ深く、夜遅くまで勉強した疲れたからか、ラッセルは眠そうにあくびをするのである。


「もう寝ようかなぁうん寝よう……おやすみー」


そう言ってラッセルは早速、手製のベッドに横になる。

本というものを読んで作ったこれらは木で直に眠るよりも心地がいい、改めて本というものは便利でかけがえのない友達であると、詩的な思考を巡らせるラッセル。

そしてラッセルは眠りにつこうとするが……


「気になる……」


動物というものも眠りたいと思うほど眠れず、今回は気になって眠れないのであった。

何が気になるのか、それは以前から思っていた冒険者がなぜ楽しそうにしてるのかということについての思考がラッセルの眠気への扉を開けるのを防いでいるのだった。

しかし、しばらくして睡眠と意識の中で考えているとラッセルは好奇心に聞きたいという好奇心にかられて外に出るのである。

条件としては悪くないし、相手も一人であるため聞いてみるのは絶好の機会だと思ったからだ。


「うぅ寒い……」


季節は秋、夏の暑さの残り香はすでに消え、秋から冬へと変わろうとしている、そのせいか、夜は冷えている。

ラッセルは夜に出ることなどはなく、朝から昼の間に食糧を探すのだから、ラッセルにとって、夜に行動すること自体全くないのであった。

それだからなのか、ラッセルは新鮮な気分で足を動かして、眠気など既になくなり、代わりに足取りを好奇心とともに軽くさせて小柄な体躯を活かして少年の元に向かうのである。


「こんばんは」

「わっ!」


ラッセルは少年の前にたつと人がこの時間に使うであろう挨拶をする。

少年は剣を構えてどこにいるか周りを警戒している。

リスが話すことなどないから無理もないとラッセルはやれやれと頭を撫でる。


「そんなに慌てないでくれ、ほら下を向いてごらん」

「あっ」


ラッセルがそう言うとに少年は顔を下に向けて、見つけたと否や体をのけぞらせて驚く少年。

ラッセルは少年が驚いたのは自分が言葉を喋ったことに驚いたものだと言うことは容易に難くないと思った。


「なっなんだよ君はもしかして魔物か!切るぞ!」


少年は喋る小動物は魔物か何かだとしかも夜であるからきっとそうだと腰に携えていた剣を抜き出してラッセルの前に剣を突き出すのである。

まっ誰だってそう思うのは仕方がないことだからと言うことでラッセルは慌てることなくこんなことを言う。


「まっ僕を疑うのは当然だろうね、だって、人語を喋るわけだし」

「とっ当然だろう!だって人語は人を騙すために用いる魔物もおるわけだしな!」


少年は怯えながら剣を突き出して答えるのであった。

ラッセルはこの少年はまだ立ち振る舞いからしてまだひよっこの冒険者だということを想像するのである。

そうじゃなかったら、いつまでたっても馬鹿な夢見がちな冒険者か何かなのだろうと別のパターンも同時に考える。

最も、先程のパターンは僅かな確率だが……

そして、ラッセルは剣を突き出されても焦ることなく己の出自を簡単にかつ要点をまとめて言うのであった。


「まっでも僕は魔物でもなく妖精でもなく普通のリスだ。だいたい動物は群れをなして行動する生き物だけど僕は群れるのが嫌いなとんだ捻くれ者で、人語は独学で勉強して話せるんだ。あっそうそう、僕の名前はラッセルよろしく」


そうラッセルが自己紹介を終えると、どうやら魔物でもなく妖精でもない普通のリスだということが完全ではないがしぶしぶ了解したようで少年は剣を鞘収めるのである。


「なんか完全に信じてないように思えるから、実際に僕の自室を見てみるかい?」


ラッセルはまだ自分を警戒している少年を察してか、自分の家がある木の方角の方に言いながら、指を向けて示すのであった。


「別にいい……めんどくさいし」

「じゃあこれで信じてもらえるよね!」

「うーんわかったよ信じればいいんだろ!」


どうやらラッセルの家は木の高いところにあるということがわかるものであったので、ふてくされたかのように少年はしぶしぶながら認めるのであった。

その様子にラッセルはしてやったりと顔をニヤケさせる。


「てか、なんだよ!俺に話しかけたのは冷やかすためなのかリス!」


ニヤケられたのも相まってどうやら早く休みたい少年は苛立ちを隠せない様子で足を地を何回も振るようにガタガタと揺さぶるのであった。

しかも名前を呼ばないあたり、自分がイライラの対象になってるからだと思う。

実際、ここで道草をくっているよりもボロボロな体を回復させる時間に回したいのは、ラッセルも承知の上であった。

しかし、それでも聞いてみた理由……それは


「いや、道草をくらわせてしまったのは謝るよ、でもなんで君に話しかけたのかはというよりもたっててもあれだから座ろうか、早く終わるから……」


ラッセルはそう言って、ちょうど、牧場の人が家具を作るのに木を切ったとされる切り株のところに座るのである


「こんなとこで道草……」

「座りなよ、相談的なものでも別に大丈夫だよさぁおいでよ少年」


ラッセルは座って話そうと促すのである。


「うーん、まっちょっとだけならっていうか、さっきの言葉、ちょっと悪魔の囁きみたいに聞こえたぞふざけんな」

「バレた」

「当然だ!たっく短時間で済ませてくれよ……」


フンっと不機嫌そうな感じで鼻を鳴らす。

多分、まだ未熟な冒険者だということがわかる。

とは言いつつも切り株のラッセルとは反対方向に腰掛けるのであった。

不平不満を言いつつも、相談したい悩みがあるのだろうか。

思わず、ニヤリと笑ってしまうラッセル


「なっなんだよ……」


訝しげに鞘にある剣に手をかけながら、怒るのである。


「いや、別に何もないよ、で、まず悩みって何?」


ラッセルは先程の少年の言葉を無視して話を続ける。

どうやら、ラッセルにとって相談されるのは初めてのことだし、冒険者の心情を知れるいいチャンスだと思ったからだ

今の時分はちょうどいい時間帯しかも、静かで話を聞きやすい


「あっまぁリスに行ってもなぁ」


言おうと思っていた口がふさがる冒険者。

はたから見たら人と小さなリスがいて、リスに話しかけてる変な人に見られている感じだ。

しかし、今は人っ子一人いないその中でしかし、やはり誰かが見ているかもしれない青少年にありがちなことが顕著に出ているのであった。


「まっ遠慮なくどうぞ、気楽に気楽に」


とラッセルは肩を揺らしてリラックスをし今から冒険者の話を聞くのが楽しみなようであった。


「お前は気楽でいいよなぁ」


とため息まじりにそんなことを言うのであった。


「まっ別にそんなことはないよ、いずれぼっちは一人で暮らすことの方がよほど楽だよ」

「おっおう」


少年は困惑気味応える。

どうやら、友人関係でも悩みがあるのだろうか?

ぼっちで生きるか仲間に属して生きるかの年代、そんな趣きが顕著に出ている気がしたと感じる。

リスのラッセル


「まっこれでも食べて元気だしな」

「あっありがとうっ……って!これはどんぐりじゃないか!食えるか!?」


差し出されたものに一瞬お礼を……言いかけて、どんぐりだったことを確認するとすぐに抗議に転ずる少年。


「はぁ〜、せっかくのお近づきの印が……」


とガクリとラッセルは小さな背中を悲しそうにしょぼくれるのであった。


「うっうっ」


ついでに泣きだしそうな声をあげようとしていた。

もし、それが大きくなったら付近の人達は何事かとなってしまうことを考えると


「わかったよ!食えばいいんだろう食えば!」

「……」


パクっ


と一粒のどんぐりをそのまま食べる 。

そして、その光景を見ているラッセルは無言(?」で眺めていた。

すると……


「まっまずっぺっ!」


即座に口の中からどんぐりを吐き出す、そして水をガブリとっ飲んでハァハァと荒い吐息を漏らしていた。

と同時にラッセルは


「ぷっ……あはははは」


と笑ってしまうのである、その原因は……


「なんだよ……何がおかしいのかよラッセル」


少年は睨みつけるようにしてリスのラッセルを見るのである


「あはははは……」

「ラッセル切るぞ!この野郎!」

「いやいやいや、ちょっと待ってくれ!もしかして君……」

「うん、何だ?」


少年は鞘にある剣を持ってラッセルを切り刻もうとしていた手を止める。

それが寸分遅かったら、死んでいたのだろうとラッセルは内心ハラハラさせていたのだった。


「君、もしかして、本読んでないでしょ?」


そう言われてうんと顎 顔を縦に動かしながら頷く少年。


「いやー普通はねどんぐりってそのままじゃなくて殻を破って食べるものなんだよ」

「へーていうか!お前さっきの嘘泣きだろ絶対!?」


得意げに説明するラッセルはどこか誇りに満ちていた。

楽しみって思ってしまう。

対する少年は納得したかのように見えたがすぐに過去のことを振り返りプンスカプンスカと湯気をあてて怒るのであった。



「いやー面白いね君……」

「ふん!」


お褒めの言葉を少年に投げかけるが、もちろんからかわれたのかと思うのは当然で視線をラッセルとは違う街道の道に目を向ける。



「あっ!?」


少年は驚きの声を上げる何かあったのだろうか、悪いこととか迷惑のことならば、土下座をしようかとリスクマネジメントを脳内で考えて見るラッセル。

そして、ラッセルもわずかな確率のマイナス面と大幅なプラス面を考えながら少年が顔を向けた方角に視線を合わせる。



「あっ!」


見るとそこには太陽が少しずつ登り始めてきているのであった。

要するにこれは朝日確率的にこれはプラス面の勝ちだろうと即座に切り替えて胸の中で感慨深く見ているラッセル。

そして、少年もまた……


「キレイだな……ラッセル」

「そう……だね」

「うぅ……」

「どうしたの?君!」


少年は感動したのかは涙を拭くとぶっきらぼうにどんぐりをよこすように促す。


「君もどんぐりの良さがわかったのかい?」


ラッセルはニヤリとからかいまじりに言ってみた。


「違うわ!……まぁあれだ……まぁここであったのも何かの縁だこれからもよろしく的な感じ……だ」

「ふふふ」

「つか、なんだよまたニヤリと笑いやがってこの野郎」


グルルと犬の様に怒ってみせる少年、それも何か滑稽に思えてくるラッセル


「ごめんごめんなんか前より素直になったなぁーって思えてね……まぁ僕の方からもよろしく」

「うわっと!?ってなんだよお前」


ラッセルはどんぐりの代わりにその少年の手に自分が乗っかるのであった、少年は慌ててそのリスを支える


「ちょっと僕も旅をしたくなってきたな」

「えっ!?なんだよ急に」


少年はラッセルの突然の提案に驚くのであった。

ラッセルは言葉を続ける


「僕もちょっと確かめてみたくなってきたんだよ、自分の部屋に閉じこもってるだけが全てじゃないということをね、だから……」


そして、ラッセルは息を空一杯に吸い込んでこんなことを言うのであった。


「僕を仲間にしてくれないかな!」

「てぇー!声が大きくて心臓が止まるところだったぞ!」

「てへへへ、ごめんごめんつい、あんまり慣れてないものだからさ」

「たくっ!気をつけてくれよなラッセル、というかしばらく考えさせてくれ」

「えっ?なんですぐには答えは出ないの?」


ラッセルは首を傾げてみせた。

距離感をつかむことが不器用なリスのラッセル。

それもあるが、答えが待ち遠しくてたまらないといったことを感じさせることの方が大きいように感じられた。


「答えはすぐには出ねぇーよというかラッセル、お前は自分の家に戻ってろ、終わったら呼びにいくから」

「うん、わかったよ」


ラッセルは自室に戻り、少年は切り株の上に座り、考えるのであった。



しばらくしてラッセルの元に少年の声が聞こえる


「おーい、降りてこいラッセル」

「ふあぁ、危うく眠くなるところだった」


ラッセルは眠たくなりそうな目をこすりながら、自分の家を出るのであった


「で、決まったのかい?その答えは」

「うーん考えてみたけど俺、ラッセル連れていくことできないわ」

「ふーん、ということは僕をペットとして扱いたいと」

「いや!ちげーよ!」


少年はラッセルのボケに的確なツッコミを入れる、もし等身大であれば漫才ができたのかもしれない。

もちろん、ラッセルもあえて言ってみただけである。


「でもな、ラッセルなんつーか……」


少年は照れ臭そうに頭をかいて


「また……来てもいいか?……」


そんなことを言うのであった。

なんで少年が自分のところにあんだけ嫌がっていたのに今じゃそんなことを言うのかわからない。

しかし、人間とは複雑な生き物であるがゆえに変化にも富む生き物なんだろうということ、そしてその少年も例外ではないということ、そしてラッセル自身も……

多分、この少年も自分と同じような感じであったがために生きづらい世の中を生きて来たのではないかと思い、そして、ここが何か居心地のいい場所だと感じたのではないか?

そんなことをラッセルは思ったのである。


「うーん、なんか告白されたように恥ずかしく感じるなー」


さすがのラッセルもちょっと頬を染めて頭をかく


「べっ別に告白じゃーねーよラッセル!バカにしてんのか!」


とキレる少年


「ごめん、ごめん今のは言葉のあやだよ。別にいいよ、僕の方からもよろしく、ただし条件がある……」

「条件ってなんだよ、もしかしてヤバイやつか」

「そうかもしれない。で、それは……」


そしてゴクリと少年は喉を鳴らす、そしてラッセルもまた普段のおどけた様子が打って変わって慎重な面持ちで言うのであった。


「ここに来たら……冒険話を聞かせて欲しいんだ……」

「は?」

「……プハハハハハ」


真剣な顔でいったラッセルの言葉はその顔とは打って変わってのたいしてヤバイやつでもなく、平凡的なものだということに、少年の時が止まる。

その少年の戸惑った顔にラッセルは腹を抱えて笑ってしまうのである。


「ってぇ!おい、バカにすんなよ何かと思えばそんなことだったのかよ!ていうか笑いすぎだぞラッセル!」


そして、我にかえった少年はラッセルが笑い転げる様をみて、自分の間抜けな姿を笑われたことに腹をたてるのであった。


「プハハハハハ、あーごめんごめん、ついからかってしまったよ、相変わらず面白いねー君」

「ふん、人をバカにするのもいい加減にしろよな!ラッセル」


少年はぷいっと首を横に向けて拗ねるのであった。


「ごめん、これ食べて元気だして……」


ラッセルは申し訳ない気持ちか自分の大切な食料であるどんぐりを差し出すのである


「また、どんぐりか、まぁいーよ」


ラッセルが自分をからかうのは好意があるからのだろうとため息まじりに許してあげることにした。

どんぐりを食べる代わりに少年は自分の背負っているバックのポケットのところにしまうのであった。


「で、ラッセルはそれが条件だと」

「まっそうだね、君の冒険話に期待しているよ」

「おう、ありがとなラッセル、そんじゃまた」

「またね、君〜」


とラッセルは目を輝かせていうのであった。

ラッセルにとって冒険話は人生の楽しみの一つとなっているといっても過言ではなかった。

そして、少年ももちろんそれに応えるようにして返事をしてまた再びの冒険生活に出るのであった。


「あっ名前聞くの忘れてた!でもいいか」


そう言って、ラッセルは再びの勉強か何やらに没入するのである。

なぜなら、また来た時がその冒険者だから、そして冒険話を聞かせてくれにまた戻ってくるのだから。
















ちょっとインフルエンザでかんばしくなかったですが、今日は栄養ドリンクを飲んだおかげで体調が良好に近づいて来たのでは完成してよかったです。

いやー完成した結果、当初思い描いていたのと違っていた展開になってしまいました(笑)。


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