120 あれは夢か現実か
久しぶりに皇帝陛下(変態)が出て来ます。
苦手な方は閲覧に注意してください。
あの男の恋愛パート……やってやった(屍)
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外は雨が降ってきたのか、窓に雨が吹き付ける音がしてきた。
「そんなに驚かれることですか?」
スイランさんが、不思議そうに言うので、私は少し周りが見えた。
綾人君と有紗ちゃんとラハンさん、それと何故か王子本人も絶叫していたようだ。
「スイラン殿。それはセリカの意思ということか?」
イリアス殿下がチラッと私を見てから、スイランさんに言った。
「皇帝陛下の思し召しです。陛下はオーレリアン殿下を高く評価されています。『婿が美女なの最高』と気色の悪いことを仰せになられておりました」
「評価って、そこかよ!!」
どうやらセリカ皇帝のリシン陛下は、王子の女装の「オレリアちゃん」がいたく気に入ったようだ。真面目に陛下の言葉を伝えるスイランさんへの王子のツッコミが全力過ぎる。
「わたくしも皇族として生を受けたからには、政略結婚は当然のものと思っておりましたが、『婚約式はレンダール式で、お揃いのドレスを着せるか』とか、『ファルハドも好きだし』と嬉々としているのを聞いて、娘や妹として非常に困惑しております。死ね」
「待て!そこで何で俺が出てくるんだ!あと、軽蔑通り越して、言葉強いな!」
スイランさんの汚物でも見るような視線と口調の思わぬ被弾に、ファルハドさんも思わずツッコんでいる。
「西戍王殿下。レンダールの臣民として、厳然たる抗議を申し入れます」
「フォルセリア卿!俺は無実だ!」
「隊長、最低」「ケダモノは処されろ」
ユーシスさんがファルハドさんに冷ややかな目で訴えると、ファルハドさんが必死で弁明している横で、双子がユーシスさんに同調してファルハドさんを罵倒する。
そこに便乗するかのように、レアリスさんとラハンさんが、「私は好きです」「俺もです!」と何故か皇帝陛下に同調する。火に油を注ぐ行為に、ユーシスさんとファルハドさんが、それぞれレアリスさんとラハンさんに拳骨していた。
そんな中、王子がスイランさんに青い顔をして近付いた。
「スイラン殿、これだけは言わせてもらう。俺に女装癖はないし、マジで皇帝気持ち悪い」
「間違いなく陛下は気持ち悪いですが……あなたは、違うの、ですか?」
王子が否定すると、スイランさんは目を大きくして驚いていた。いったいなんて陛下から王子の事を聞いていたんだろうね。
「我が皇帝陛下の性癖が最低で本当に申し訳ない」
「謝りどころが本当に酷いな」
片手で顔を覆って謝罪するファルハドさんに、イリアス殿下が冷静に言う。
「本題ですが、オーレリアン殿下の女装癖の真偽はともかく……」
「おい、俺にはそんな癖はない!」
スイランさんが話を進めようとするけど、どうにも前に進まないね。
「わたくしとの婚約は、オーレリアン殿下に益があります。その辺りはイリアス殿下も良くお分かりになっていらっしゃるかと」
真面目に切り出したスイランさんの言葉に、私が隣にいるイリアス殿下を見ると、また少し私を見た後にため息を吐いた。
「確かに、な。貴族の支持基盤の弱いオーレリアンには、公主殿以上の相手はいないだろう」
王子が幼い頃から無理やり魔物退治に駆り出されてたのは、お母さまの実家が貴族ではないからだ。今も、諸侯の間では王子の発言権は、功績に見合わないものらしい。それが、大国の公主というスイランさんと結婚することで、その位置を向上させることができるようだ。
私には、決してできないことだ。
「おい、勝手に俺にとっての利益が何か決めるなよ」
王子の声が少し低くなる。
「政略が必要なら、俺の利益を理由にするな。イリアス、せめてお前は」
静かな口調だけど、王子が怒っているのが分かった。
王子はこれまで、王子の利益を装ったいろんな人の思惑で動かされてきた。結局は王子の為になると言って、責任を負わない安全な場所から口を出して、全部を王子に負わせることを政略だと押し付けてきた。
イリアス殿下が人を駒として扱うだけの人じゃないと、和解した今だから言えたんだと思った。
つまり王子は、イリアス殿下を味方だと思って、甘えて嫌だと怒ったんだ。
何を思ったのか、王子の言葉にイリアス殿下はフッと笑うと、急に王子の頭をぐしゃぐしゃっとかき混ぜた。もしかして、王子の頭を撫でてるの?
「いや、なんだ。マジで気持ち悪いんだが」
「そういう訳だ。我々の答えは〝否〟だ。後は国王陛下に談判でもしてくれ」
困惑する王子の言葉を無視して、イリアス殿下はスイランさんにお断りをした。
「そうか。わたくしは実家の権威や財力だけでなく、素手で魔物を粉砕できるから、これから危険な地へ赴くという殿下のお役に立てると思ったのだが」
「…………魔物を素手で粉砕する要員は間に合ってる」
一瞬、何言ってるか理解できなかったけど、スイランさんはどうやら素手で魔物が粉砕できるようだ。
……え!?スイランさんが!?
どう見ても、箸より重いものを持ったことがないような、それは繊細な女性に見えるのに、その細腕で本当に粉砕できるのかな?
みんながザワッとしていたら、スイランさんがレンダールにも粉砕要員がいるのを聞いて興味を示した。
「なんと、レンダールにはわたくしと同じことができる人間がいるのか」
「まあな。ユーシスと……イヴァンもできるんじゃないか?」
「俺は竜化すれば捕まえておくくらいは出来ますが、粉砕はできませんよ。騎士殿と一緒にしないでください」
イヴァンさんがさも心外だと言いたげに否定する。
〝竜殺し〟からも遠慮されるユーシスさんの腕力って……。私からすれば五十歩百歩だけど、どうやら武闘派の人の中では〝粉砕〟は一線を画すらしい。
何て言うか、スイランさんはガチの前衛タイプのようで、ユーシスさんと粉砕談義をしたそうにしている。「やはり手甲なしだと、損傷が弱いだろうか」と聞いたら「どうぞ素手はおやめ下さい」と、やんわりとユーシスさんに素手粉砕を否定されていた。
うん、ユーシスさんのアレは緊急事態だったからね。やっぱり素手はやめた方がいいよ。
「それにしても、何でオーレリアン様との婚約なの?条件で言ったらイリアス殿下の方がいいんじゃないかと思うんだけど」
「アリサ、お前は黙っとけ」
疑問に思ったのか有紗ちゃんが、王子が選ばれたことを不思議そうに聞いた。言われてみれば、王子の利点は分かったけど、スイランさん側に何の利益があるのかが分からない。
それを王子が嫌そうに遮った。それを見て、スイランさんがまたため息を吐いた。
「ふむ。どうやら〝黒の森の血を引く王子〟については、レンダールでは秘されたことのようだ。レンダールの上層部は、よほど殿下の評価を低く伝えておきたいようですね」
呆れた、と言わんばかりにスイランさんがイリアス殿下を見る。
そういえば、お母さまの出身の黒の森の人たちは、みんな〝魔女〟って呼ばれているけど、王子は男性だ。男性には魔女という称号が与えられないのが普通だと思っていたけど、別の理由があるの?
みんな、黒の森については聞きたくても聞けない雰囲気があるようで、ただ黙っていた。イリアス殿下と王子は一度だけ視線を合わせたけど、すぐに元に戻った。
「はぁ。大したことじゃないから言わなかっただけだ」
王子が、ガリガリと頭を掻いて、面倒くさそうに言い出した。
「黒の森の血族は、その魔力量が多いことは知られているが、その馬鹿でかい容量に身体が耐えられるよう、生まれるのはほとんどが安定した性である女性だ。黒の森の男児は珍しくて、昔は邪教徒とか力が欲しい権力者とか変な輩が絡んできたから、十歳まで隠れて住むのが通例だった。でも俺の前に男児が生まれたのは二、三百年前とかだから、そんなおとぎ話みたいな話を覚えているヤツもいなくなったからな。その後は、王位とか面倒なことに巻き込まれないよう、できるだけその話が漏れないようにしてたってだけだ」
王子の生い立ちが立て込んでるね。
お父さんである国王陛下ほどの権力者が、どうして十年も王子を見つけられなかったのか不思議だったけど、特殊な血筋である黒の森の魔女さんたちが全力で隠してたから見つからなかったんだね。
「わたくしが望むのは、魔物狩りの邪魔にならず、前線に立たせてくれる夫です。残念ながら、今のセリカはレンダールほどの自由が女性にはありません。オーレリアン殿下の為人をお聞きし、あなたなら、『女だから』と言う理由で、わたくしを排除しないと思いました。だから、先に国王陛下に婚約の打診をしたのですが、先ほどの殿下方と同じよう、あなた方が許すなら婚約しても良いと仰られました。まあ、結果は惨敗ですが」
スイランさんは、どうやら魔物狩りを生きがいとしているそうです。リヨウさんとファルハドさんが「スイランは戦闘狂だから」と声を揃えて言ったのが印象深かった。
「まあ、殿下は婿がねとしては最高な方ですが、わたくしとしては、この打診だけでも小うるさい親族が黙ることに益がありますので、どうぞお気楽になさってください」
スイランさんは、相当親族から結婚の圧力があるようで、王子へのアプローチがポーズだけのものでもいいらしい。「それなら存分に俺の名を使え」と王子は鷹揚に応じたけど、私は少し胸の辺りがモヤモヤとしていた。
今の話を聞いて、私は気付かないふりをしていたけど、本当なら王子は、この世界中の権力者がこぞって縁を結びたくなるような人なんだ。
今、国内で評価が低くても、他国では正当な評価を受けているのなら、これからもこういう話はどんどん出てくるんだろう。
私なんかが側にいるだけでも勿体ないような人。
私は決して王子の身分や力を当てにして好きになったわけじゃないけど、この気持ちを正直に打ち明けても周りはそう思わないかもしれない。
私が想いを告げることで、王子に迷惑を掛けることになるのだけは嫌だ。
それに、今のこの気安い関係を崩したくはない。今、王子に一番近い女の子が私であったらいいと思う。
いつかは誰かと結婚して幸せになってほしいと思っていたけど、本当にそんな話が出てきたら、自分がとても欲張りだったことに気付いた。
外の強い雨のように、もう、頭の中はぐちゃぐちゃだった。
その夜の食事は、ルミリンナの城主であるアンスバッハさんが獲って来たトナカイ料理だった。ジビエは美味しかったけど、あんまり味わった気がしなかった。
でも、お酒が入った後は、みんな楽しく笑っていたと思う。
相変わらず、ラハンさんと王子はお酒に酔って腕相撲大会をして、今回も醜態を晒していた。今回は、イヴァンさんと二対一で勝負に挑んで負け、イヴァンさんに再戦を哀願しているうちに、何故か二の腕に二人でぶら下がって、グルグルと回してもらってキャッキャッと喜んでいたけど、直後に吐いていた。
お城の皆さん、本当にすみませんでした。
そんなやんちゃな王子をユーシスさんとお部屋に連れ帰り、解毒ポーションを口に突っ込んで自分の部屋に帰った。
昼間の雨が止んで、少しムッと湿気が籠った夜気だった。
雨の間運動が出来なかった子供たちと保護者(?)のレッドさんは、少し外に出かけて走ってくるとのこと。私は、いつもより広いベッドにゴロンと寝転がると、そのまま何となくゴロゴロと何回も寝返りを打った。
そんな私のおでこに、ピタッと仔犬化お父さんの肉球がスタンプされる。
『眠れぬのなら、私と散歩でもするか?』
「……うん」
お父さんの言葉に甘えて、お腹の辺りで寝ていた玄武さんに出かけて来ることを伝えると、二人してチラッと目を開けるだけの返事をしてくれた。
庭に出ると、お父さんはボワンと元の大きさに戻って、「背に乗るか?」と聞いてくれたけど、私は丁重にお断りした。いくらお父さんの魔法で保護してくれたって、私一人で乗ったら絶対怖いもん。
私がそう言うと、お父さんは「なるほど、一人でなければいいのか」と謎の呟きを零すと、キョロキョロと辺りを見て『ここだ』と声を上げた。
「ここにいたのか」
カサッと地面を踏む音がして、そこには心配顔をしたユーシスさんがいた。部屋着なのか、少しラフなシャツを着崩したユーシスさんは、私を探していたと言う。
「食事の前から、少し様子が変だっただろう。昨日も遅かったようだし」
だから、寝る前に様子を見に来てくれたとのこと。他に誰も気付いていなかったのに、こういうところは、ユーシスさんはとても目敏いんだから。隠すのも一苦労だ。
ハル、とそっと呼ばれて話を促されたけど、私は言えなくてただ首を振った。
『気分転換に、近くの湖へ連れて行ってやるというのに、一人では乗れぬというのでな』
お父さんがユーシスさんに告げ口をすると、少しユーシスさんが笑った。
「そういうことなら。私も乗せていただけますか、フェンリル」
何かが通じ合ったお父さんとユーシスさんが、阿吽の呼吸で私をお父さんに乗せた。
今度はお父さんの風魔法のアクロバットじゃなくて、ユーシスさんが私を抱えたままお父さんの背中に乗ったから、半端ない安定感でした。これなら怖くないね。
そしてそのまま、この間の星空の旅行じゃないけど、少し重い雲が残った空を、湖に向けて飛んだ。散歩が目的だからか、この間みたくスピード重視じゃない速さだった。
そのゆったりと動く景色の中で、ユーシスさんが口を開いた。
「もしかして、原因は今日のオーレリアン殿下の婚約のこと?」
背中から聞こえる低い声に、私は黙ったままお父さんの背中に視線を落とした。
無言なのは肯定と同じだと思ったけど、私は何も言えなかった。否定すれば自分の気持ちを殺すことになるし、肯定すれば、今の心地よいみんなとの関係が崩れてしまいそうだったから。
きっと何を口にしても、今の自分の気持ちを表すことができない。
「できれば俺は、君には辛い想いも悲しい想いもしてほしくない」
ちょうど湖に差し掛かったところで、ユーシスさんの穏やかな声がそう言った。
「きっと、それは俺だけじゃなくて、みんな、フェンリルもそう思っている」
うん。知っているよ。
私は、お腹に回っているユーシスさんの腕に手を置いた。
ユーシスさんはきっと、私が何を思っているのか分かっている。でもそれを、否定も肯定もしないで、何も言わないでいてくれている。だけど、それを抱えきれなくなったら、多分また何も言わずに包んでくれるのだろう。私は贅沢だね。
ちょっと泣きそうになった私に、急にお父さんが止まった。
『少し蒸すな。よし、そなたたち、泳いでこい』
「え、ちょ、私泳げない!」
お父さんが棹立ちになって、私たちを落とそうとする。ちょ、ここ、湖の真上!
「大丈夫。息だけ止めて、後は俺に身を委ねて」
ユーシスさんが耳元で言うと、私の体をギュッとユーシスさんに固定した。
そして、その直後、軽い浮遊感と一緒に、ドボンという音と冷たい水が覆う感触がした。
私は、ユーシスさんに言われたままに息を止めて、ギュッとユーシスさんにしがみつく。頭の片隅に、溺れて救助されるときにしがみつくのは良くないと思ったけど、そんな心配をよそに、ユーシスさんは私を抱えたまま力強く浮上すると、足が着く場所まであっという間に泳いだ。
少し、鼻と気管に水が入って、ケホケホと咳をしたけど、生きてるよ!
「ケホ。う、うまれて、はじ、めて、お、おぼれなかった!」
咳き込む私の顔に張り付いていた髪を、ユーシスさんが撫でつけるように払ってくれて、「よく頑張った」と褒めてくれた。全面的にユーシスさんのお陰だけどね。
雲間から満月に近い月が覗いて、湖面を照らすと、そこには薄いシャツが貼り付いて正視に堪えない姿のユーシスさんが居て、私は慌てふためいてしまった。苦笑してから、岸に上がろうと手を引いてくれたけど、足がもつれてまた湖にインするところだったので、ユーシスさんは私を抱えて湖から上がった。
まだ足がガクブルする私をゆっくりと下ろして、顔を伝う水を拭ってくれた。そして、その掌を私の頬に残したまま言った。
「たとえ君が誰を想っていたとしても、俺は変わらない」
その言葉は淡々としていたけど、誠実という以外の表現が見つからなかった。
「ハル。この先何があっても、今みたいに、俺は必ず君を守るから」
私を見る緑色の目がゆっくりと細められる。
「君は君の望むままでいていいんだ」
ああ、ユーシスさんは、どこまで行ってもユーシスさんだ。
私が欲しい時に優しい言葉をくれる。変化を怖がる私に、変わっても変わらなくてもいいと言ってくれる。
少し涙が出そうになったけど、私は笑うことができた。
「ありがとうございます。ユーシスさんがいてくれて、良かった」
自己嫌悪に陥りそうだった私に、「相手が誰を想っていても自分は変わらない」という道を示してくれた。相手の幸せを願い続けられれば、相手の想いが自分に向かなくてもいい。嫉妬するくらいはオプションだ。そう思えたよ。
あれ?でも、それってユーシスさんも……。
私が顔を上げると、切ない顔をしたユーシスさんがいた。
「それなら、ご褒美をもらってもいいかな?」
何を、と確認する間もなく、ユーシスさんの顔が近付いた。
優しく後頭部に宛がわれた手が、少し上向くように私の頭を支える。驚いて咄嗟に動いた手が、ユーシスさんの大きな手に包まれて、長い指が私のそれに絡んだ。
そして、唇の端に触れるか触れないかの場所に、柔らかくユーシスさんの唇が触れた、気がする。
離れたユーシスさんの顔は、甘く溶けた笑顔だった、気がする。
「#$&%*+<>!!!!」
なんか、とりあえず訳の分からない言葉が出た、気がする。
なんで曖昧かというと、お父さんの『迎えに来た……あ、すまん』という声と共に背中がモフンと押され、私は顔面から湖に再ダイブしたからだ。
私の正規の記憶だと、鼻とおでこを強かにぶつけ、ガボガボと水をたっぷり飲んだのと、湧水湖だから雨の影響で水が濁ってなくて良かったなぁ、というお父さんの声が最後だった。
気が付けば、お城の自分のベッドで朝を迎えていた。顔面を打った前後の記憶が曖昧だった。
あれは、どこからが夢で、どこまでが現実だったのだろう。
口じゃないからセーフ!
良い子の皆さんは、湖水を生で飲まないでください。記憶を失いますので。
なんか知らんけど、メスゴリラが増えてしまったので、次回はまた膨れ上がった登場人物紹介でもやろうかと思ってます。




