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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第四章【サマナイズ編】

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98 呼んで!

(ルーク)


「か、母様!!」


ジョアンが大声で叫んだため、その女性の正体が判明した。

あれはジョアンの母親、ローレンだ。


「こっちはゲームの中に出てきたイラストに近いかも……?でも、それよりは少し陽性寄りな感じがする。」


ゲームに出てくるジョアン同様、薄暗くて陰鬱な女性ローレン。

結局最後は大人しく殺されるはずだったはずのローレンの横には、恐らく彼女の契約モンスター、<ブルースター・マーメイド>の姿があった。


《ジョアン!!なんて事……っ!!ゲリー!!止めて!!》


「あぁ〜ん?もしかしてこの変なスクリーンは、お前のスキルかなんかか?

だったらそこで大人しく息子が死ぬのを見とけ、クズ。」


必死に泣き叫ぶローレンを笑い飛ばしたゲリーだったが……他のスクリーンに映っている人物達が街の人々である事に気づくと、一気に青ざめる。


「……なっ……は、はぁ……?な、なんで街の奴らも……?」


ゲリーを見つめるその目は冷たく、激しい怒りが奥底で燃えている様に見えた。

そんな街の人達は一斉にその怒りを爆発させ、怒鳴り始める。


《ゲリー!!てめぇふざけんじゃねぇぞっ!!!よくも今まで騙してくれたな!!》


《全部聞いたわよ!!ローレン様やジョアン様になんてことを!このペテン師!悪魔!!》


《街民を召喚のための生贄に使う計画だと!?ふざけるのも大概にしろっ!クズが!!》


『わぁぁぁぁぁぁ!!!!』


怒りの声は四方八方から聞こえ、流石のゲリーもたじろぎ足を後ろに一歩引いたが……それでもプライドが勝ったのか、その場で突然開き直った。


「う、うるせぇぇんだよ、クズ街民どもが!!お前達みたいな無能は黙って俺に従ってればいいんだよ!!

どうせお前ら全員死ぬんだし?もういいわ。

王都からもっと優秀な人間を街民として連れてくればいいだけなんだからさぁぁぁぁ!」


《何を言って……。》


《────おいっ!見ろっ!山の一部が崩れ始めて……!》


スクリーンの中の街民達は、街の外を指さし叫んだ。

俺もこの場から街の外の方を見ると、山の頂上から一気に山崩れが起こり、街の方へと一気に進んでいくのが視界に入る。


「────くっ……このままじゃ……街がっ!」


ジョアンが踏ん張りながら悲鳴混じりに叫ぶと、1番近い場所にいるローレンがブルースター・マーメイドに向かって叫んだ。


《お願い!マーメイド!山崩れを!》


《ピピピ!!》


マーメイドは必死に水色の防御壁の様なモノを作ってそれを受け止めるが、山崩れは一方向だけではなく多方向から起こり始めたため、とてもじゃないが受け止めきれない様だ。

その近くにいるアッシュは────とりあえず巨大な岩だけ粉砕して止めやすい様にだけしている。


「アッシュ、あいつぅ〜やる気ないな……。まぁ、街の方にはセレンがいるから大丈夫────……。」


俺がセレンが映る街の様子が映っている方を見ると、街の人達が一斉に自分の契約しているモンスター達を召喚し始めたのが見えた。


《俺達の街だ!やってやるぅぅぅ!!》


《土属性モンスターと契約している奴らは防壁の補強を頼む!》


《水属性モンスターで威力を弱めるぞ!》


《ローレン様だってジョアン様だって戦っているんだ!!俺達だって────!》


ワーワー!と騒ぎながら街を守ろうと走り出す街民達。

それに胸熱くして心が湧いたのは俺だけではなかったのか、ジョアンの気配が変わった様な気がした。


「皆……っ……う、うわぁぁぁぁ────!!!」


ジョアンが雄叫びの様な声を上げると、その身から立ちのぼる魔力が一気に吹き出し、防御魔法の威力をあげる。

それに対しゲリーがチッ!と大きな舌打ちをした。


「クソガキがぁぁぁぁ!!さっさと焼け死んじまえ!!消えろぉぉぉ!!!」


ゲリーも負けずに叫び、ドン・スネークの火球の威力が上がったその時……。



《……呼んで……呼んで…………ジョアン……私を……呼んで……。》



「?何だ??」


モンスター召喚の魔法陣から声が聞こえ、フッとそちらに視線を向けると……なんとその声はその魔法陣の奥底から聞こえている事に気づく。


「??誰かがジョアン少年を呼んでいる?」


はて?と不思議に思いながら、俺がその魔法陣の上に飛び乗った瞬間、カッ!!!と眩しい光が魔法陣から放たれた。


「あ、あれ???」


驚き光り輝く魔法陣を見下ろすと、そこから突然ポンッ!と10歳にも満たない様な外見を持つ手のひらサイズの小さな女の子が飛び出してくる。


ピカピカ光る金色の髪のポニーテールに、琥珀色の瞳。

クリクリしたお目々は、髪の毛に負けないくらい輝いていて、服は色々な色の生地をはぎ合わせて作った様な個性的なドレスを着ていた。


お、女の子??


謎の女の子の登場に、ポカンとしている俺。

そんな俺を見て、その子は《魔力をありがとう!変なお兄ちゃん!》と叫び、あっという間にジョアンの元へ飛んで行った。


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