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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第一章【太蔵は乙女ゲームに転生する編】

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6/121

5 好きにしていいらしい

(ルーク)

◇◇

「はい、案内ご苦労さん〜。じゃあ、そこで立って待機な。」


「「…………っ。」」


二人は素直に頭を下げたが、その目には反抗心が浮かんでいる。

おそらくここに到着するまで他の使用人達に、ボコボコの顔と鼻血塗れの顔で歩かされているのを目撃されていたため、誰かが直ぐに助けてくれると思っているのだろう。

そんな二人の後ろを鼻歌を歌いながらついていく俺が不気味で、誰も道中は話しかけてこなかったが……。


ま、とりあえずは腹ごしらえ、腹ごしらえ〜♬


調理場の扉に手を触れ、俺は鼻歌の続きを歌いながら扉を開けた。

その瞬間、ムワッ!と臭ってくるのは、肉や香辛料の匂い、魚介系スープの匂いにパンの焼けた匂いで、思わず口の中に唾液が溢れる。

そして目に飛び込んできたのは、忙しなく動いている数十人のシェフ達と、出来上がっていく料理の数々だ。

おそらく、これからあのクソ家族達に出す予定の料理だと思われる。


「グッドタイミング〜♬」


俺が調理場に入った瞬間、近くにいたシェフの一人が気づき、大きく顔を歪めて怒鳴りつけてきた。


「おいっ!!この無能なクソガキが、ここになんの用だ!お前には専用の飯をくれてやってるだろうが!!消えろ、クズ!!!」


唾を飛ばす勢いで怒鳴るそのシェフにより、その場の全員が手を止め俺の方へ視線を向ける。

その目には色々なモノが浮かんでいたが……共通するのは、優越感。

   

『自分は()()よりマシだから良かった!』


そんな想いが根底にあって、次に出てくるのは愉快なワクワクした気持ちだ。

安全な場所で自分より明らかに下な存在が虐げられる場面は、心をスッとさせてくれる最高の暇つぶし。

だから皆で一緒にそれを排他して、今の自分の幸せな状況を確認しあおう!楽しいな!……みたいな?


「…………。」


アホらしい……。


手に取るように浅ましい感情が読み取れ、もうため息しか出ない。

すると、俺が何も答えずため息をついたのが、気に入らなかったらしく怒鳴ってきたシェフが殴りかかってきたので……そのスローモーションの様な拳を軽く避け、手首を掴む。


「────へっ……??」


そして、間が抜けた顔を見せたソイツの手首を……俺は笑顔で捻ってやった。


「ギ、ギィィィヤァァァァ────ッ!!!!」


あり得ない向きに向いてしまった手を抑え、ソイツが悲鳴を上げると、周りで見ていた者達の顔色が一瞬で変わる。

いつもの黙って耐えるだけの俺じゃない!?と驚いたのだろう。


「────はい、ちょっと黙ろうか。」


尻もちをついて、捻れた手を押さえているシェフの口元を片手で掴むと……俺はそのまま顔を近づけた。


「なぁ、一つ聞きたいんだが、お前の身分は?」


「あ……う……あぅ……だ、男爵……で……す。」


ギシギシ……。

口元を掴んでいる手に力を込めながら質問してやると、ソイツは震えながらそう答えたので、俺は笑顔をストンと失くす。


「じゃあ、俺の身分言って見ろよ。」


「は……伯爵……様……です……ぅぅ……っ!」


ソイツは震えながら答えたので、俺はパッ!と口元を掴んでいた手を外してやった。


「だったらいいのかな〜?そんなクソみたいな言葉を俺に使って。」


「あ……う……だ、だって皆……────ガっ!!!!」


言い訳をしようとしたそいつの横っ面を殴りつけると、そいつは鼻から出血しながらガタガタと更に大きく震えだす。

だから俺は、そいつの顎を掴んで、まっすぐそいつの目を見つめた。


「皆が、何だ?」


「……ハァッ……ッ!!あ……み、皆が……才能がない……ちょ、長男は……い、いいんだって……っ……ガァッ!!!」


もう一度、今度は反対の横っ面を無言で殴りつけてやると、そいつはその場で土下座する。


「も、申し訳ありませんでしたぁぁぁぁ!!!男爵の分際で、伯爵家の御子息にとんでもない事をぉぉぉぉ!!!」


「そうだな〜?お前と他の奴らの処遇は、後でゆっくり決めてやるよ。とりあえず、お前はあっちの方で待機してろ。分かったな?」


扉の外で真っ青になって震えている使用人達を指差すと、そのシェフはフラフラと立ち上がり、ソイツらの隣に並んだ。


「さてと────……。」


俺がまた笑顔のまま残されたシェフ達を見回すと、一斉に大きく震えて全員が慌てて頭を下げた。

だから俺はそのままご機嫌な声調で言ってやる。


「どうやら才能がねぇクソ野郎共は、好きに扱っていいみたいだからさ〜。これから俺もそうしよう!────で?シェフの仕事ってなんだっけ〜?

これから俺がマズイと思うモン、一つでも出したらさぁ、どうなるのかな〜?

自分の仕事も満足にできない役立たず、いないといいけどな〜。」


「「「「……………っ……!!」」」」


全員真っ青になりながら、直ぐに作業に戻ったのを見て満足気に微笑むと、俺は外で待機している三人へ視線を送る。

すると、真っ青な顔色をした三人は、慌てて頭を下げて俺を食堂まで案内してくれた。



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