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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第五章【入学院テスト編】

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120 楽しかったんだもんな?

(ルーク)


ゴッ!と燃え上がる俺を見て、セレンも燃えてアッシュは────冷え冷えした空気のまま、椅子の背もたれにもたれ掛かった。


「ハァ……ホントめんどくさ。っつーか、アンタ、結構恨まれてない?さっき合流した時、それなりの数の殺気をぶつけられていたけど。」


どうやら我らが番犬ドーベルマンのアッシュ君は、鋭くそれをキャッチした様だ。


「あ、そうそう。俺、結構敵が多いみたいなんだよ。

別に大した事してないのにな〜。ちょっとグリード家をお掃除しただけなのに〜。」


目元を三日月にして笑うと、セレンが不思議そうな顔をしたが、アッシュは納得したのか、小さく息を吐いた。


「なるほどね。とりあえず攻撃してこない限り放置でいいの?」


「OKOK、基本はそのスタンスでいい。どうせ攻撃してこないだろうし。

あ、そうそう、そういえば俺の兄達とも久しぶりに再会したんだよ。

さっきの座学の試験の教室で。もうすっかり元気みたいだな。」


「…………へぇ?」


ニコニコ笑っていたアッシュとボンヤリ顔をしたセレンから、ピリッとした空気が流れる。


「なるほど、ルークの兄上様達なら……ぜひ挨拶をしておきたいものだ。」


「どんなヤツらなんだろうね。見ておかないとね。短い付き合いになると思うけど。」


食い気味な二人の迫力に押されながらも、ぱくぱくとサンドイッチを食べ続け完食した後は、試験会場であると書かれていた【闘技ドーム】と呼ばれる建物を目指した。



【闘技ドーム】は、まさに魔法の叡智と呼ばれる様な様々な最新魔法が施されている、主に実技の授業を行う時に使う建物らしい。


メインの学び舎に次ぐ大きさを誇るこの【闘技ドーム】、中には模擬戦などで使う大きな四角い形のリングが十数個あり、多分そのウチのいくつかを使って試験を行うと思われる。

そして凄いのは、この建物全体にある魔法が掛けられている事だ。


それが<再生魔法>


これはかなり特殊な魔法で、指輪型の魔道具【再生リング】というモノを装着する事で使用可能となる。

簡単に言えば、この指輪をつけている者は一度死んでも生き返るというとんでもない魔法なのだ。


原理はサッパリ分からないが、かつて時の精霊のイタズラと空間系スキル持ちの人達や魔道具の天才職人達の努力によってできたモノだと言われている。


「めちゃくちゃ凄いよな〜。一回死んでも生き返れるなんて。」


到着した俺達は、全体的に丸い形をしている巨大ドームを見上げながら、入口で渡された再生リングを装着した。

透明な石がついたシンプルな指輪で、戦いの邪魔にはならなさそうだ。


「つまり死ぬ可能性もある試験ってこと。確か受験生同士の模擬戦ではかなりの死者数が出るって聞いたよ。」


「ほう?では、手加減はしなくてよさそうだ。」


セレンは邪魔〜と言わんばかりに、指に嵌めた指輪を見てムスッ!としていたが、アッシュの言葉を聞いて機嫌は直った様だ。


確かに熱が入ると、死んじまう事だってあるもんな〜。

この素晴らしい魔法を開発してくれた人達、本当にありがとう!


感謝の気持ちを抱きながら、俺達は中へと入っていった。


◇◇

「うわ、広〜……。」


「これは……凄いですね。」


俺とセレンは完全なお上りさん状態で、キョロキョロと周りを見回す。


巨大なバトルリングがいくつも設置されており、多分この上で試験が行われると予想ができて、もう既に到着している受験生達から伝わる緊張感も相まって気合が入った。


これは楽しい戦いが見れるはず!


ワクワクしながら、腕を伸ばしたり足を伸ばしたりしていると……突然殺気混じりの視線が堂々とぶつかってきたので、振り返る。

するとそこには殺さんばかりの目で俺を睨みながら近づいてくるライアーとスティーブの姿が……。


お?なんだなんだ??


予想外の行動に目を丸くしていると、二人は俺の前で止まり、ギロリと睨みつけてきた。


「ルーク、良くも俺達家族をめちゃくちゃにしてくれたな。この悪魔め。」


最初に言葉を発したのはライアーで、目は充血しているし額にはいくつも血管が走っているため、相当怒っている事が分かる。


「父様も母様も、傷が癒えても尚フラッシュバックに悩んでいる。人を不幸のどん底に叩き落して楽しかったか?」


スティーブの方はライアー程顕著に外見に怒りは出さなかったが、静かで、しかし激しい怒りをその内面に感じた。

俺はその怒りに悲しげに顔を歪める────わけもなく、真っ向からそれを受け止めニヤ〜と笑ってやる。


「楽しかったかって?そりゃ〜俺が答えるまでもなく、自分たちの方がよ〜く知ってんじゃねぇの?

楽しかったから、ずっと『ルーク』にやってたんだもんな。

悪かったな〜楽しんでいる所を邪魔しちまって!」


「「────っ!!」」


二人は同時にカァ〜!と顔を赤らめた後、更に激しい怒りで燃え上がった目で俺を睨むが……俺はへっ!と挑発的に笑いながら耳をほじってやる。


ずっと無力なルークを虐めてきた二人。

自分がやってきた事を人にやられて怒る……は、この俺には通じないぞ〜?


そんな余裕な態度を見せる俺に対し、我慢ならなくなったのか、ライアーが突然怒鳴りだした。


「……クソッ!ふざけやがってっ!」


そしてその勢いのまま、俺の胸ぐらを掴もうと手を伸ばそうとしたその時────グイッと襟元を引っ張られ、俺の体は後ろへと飛ばされる。


「あらら……??」


素直に下がった俺の前に、ずいずいっと前にでてきたのは、セレンとアッシュだ。



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