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元最強軍人のおじいちゃんが、殺されるはずだったモブキャラに転生して乙女ゲームを拳無双をする!  作者: バナナ男さん
第五章【入学院テスト編】

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(カーター)110 僕だけ?

(御者の男:カーター)


気持ち良い風に吹かれながらチラッと中の様子を伺うと、それはそれは皆同じ様に怒りと憎しみに支配された目をしていて……。

ルストン様とフルート様の口からでてくるのは「許さん……許さんぞぉぉ……あのクソガキがぁぁ〜っ!」「この美しい私によくも……よくもぉぉぉ〜……!!こんな事おかしい……っ!なぜ、なぜ……!!」なんていう、自分以外をすべて呪う様な言葉ばかり。


────あぁ、この人達は、もう『駄目な人達』なんだな……。


完全に呆れ果てた気持ちになって、僕はハァ……と大きなため息をついた。


僕は一度、行ってはだめな道を間違えて進んでしまった。

その時に犠牲にしてしまったルーク様に赦された事、これは心から感謝しなければならない事で奇跡なのだと、僕はよく知っている。


だってさ、僕だってずっと虐げられて虐められて辛かったから!


ルーク様がされてきた事よりずっとずっと軽いのに、未だにその時の事がフラッシュバックする。

それとは対照的に、ルーク様はもう僕達やルストン様達に対して、本当に何も思うことは無い様だ。


凄いよね〜。

僕なんて未だに、虐められてた時に湧いた辛い気持ちや怒り、憎しみの気持ちが燻っているというのに。


またルーク様への尊敬ポイントが上がり、自分へのガッカリ度も上がる。


うん、うん、頑張ろう……。

頑張って生きてルーク様のお役に立つ存在になる、それが僕にとっての最大の罪滅ぼしってヤツだ。


僕は両頬を叩いて気合を入れて、先を急ぐ。

そしてナイル様が住んでいる街の入口に着くと、僕はさっさと降りて次元収納庫から沢山の荷物を出していった。


「?おい、ナイルの屋敷はまだ先……。」


ポカンとしながら僕を見つめるルストン様達を他所に、荷物をすべて出し終えた僕は、フ〜ッ!と大きく息を吐き出し、おでこを伝う汗を袖で拭う。


「僕が命じられたのは、ナイル様の領へルストン様達をお送りする事なので!ここからは徒歩でお願い致します〜。

では、これにて失礼いたしますね。僕はルーク様専属の御者なので〜直ぐに屋敷に戻らないと!申し訳ありません〜。」


『ルーク』という名前を聞いて発狂したローレン様。

斑ハゲの剥げていない部分を引きちぎり始めたので、それに気を取られている隙に、全員を速やかに馬車から追い出した。


「さようなら〜。」


永遠に!なんちゃって!


ルンルン♬と鼻歌を歌いながら、ルーク様の待つ屋敷へと向かった。

随分と遠くまでルストン様の叫ぶ声が聴こえてきた気がして、「ザマァみろ!」と叫んでしまったのは赦して欲しい。


◇◇

「やっぱり王都は遠いもんなんだな〜……。カーター。あとどれくらいで王都に着きそうだ?」


馬車の窓からひょっこりと顔を出して僕に尋ねてくるルーク様。

現在、サマナイズを出発して数時間が経過していて、王都まではもう少し時間がかかる。


「まだまだですよ〜。途中経由の次の街でもまだあと数時間かかりますね〜。」


「そうか〜……まぁ、仕方ねぇよな。カーターは大丈夫そうか?」


ちゃんと僕の体調を気にかけてくれるルーク様。

ぶっ続け&更に文句と暴言しか飛んでこなかった以前と比べたら、まさに天国の様な職場環境!

昔の自分のバカさ加減に、また少しだけ気分が凹む。


「はい〜問題ありません!僕のスキルの中には馬車を引いている際、スタミナや体力値の減少を大幅に削減するモノもあるので〜。」


ご機嫌で答えると、ルーク様は「へぇ〜。」と言いながら僕をジッと見つめた後、少しだけ不思議そうな顔をした。


「?んん?なんじゃこりゃ?────ま、いっか。うむうむ、良いスキルを持っている様だな。

それはカーターが辛いに耐えて手に入れた力みたいだから、これからも大事にするんだぞ〜。

努力と根性で手に入れたモノは、今後の人生を幸せにしてくれるモンだ。いいじゃんいいじゃん。」


非常に軽々と褒められてしまったが、僕にとってはこれはクリティカル・ヒット!

自分としては自分を嫌いなる&自己否定ばかりされた辛い過去。

それを必要なモノとしてくれたのが嬉しかった。


自分を虐げてきた日々すら、必要なモノだったと言ってくれる。

その強さが純粋に凄いと思う!


「ありがとうございます!俺はこれからも頑張りますので、安心してお任せ下さい!」


エッヘン!と胸を張って宣言すると、突然前方に大きな魔力反応をキャッチした。


「!前方に巨大モンスターがいる様です。スキルを発動しますので皆様馬車の中からでないで下さいね〜!」


恐らく人に敵意があるモンスター。

そうでなければ森から人が通る可能性のある道にはでないからだ。

直ぐにスキルを発動すると、僕と馬、そして馬車本体の周りは霧に包まれた。



【操縦師】


< 幽霊馬車 >


自身と自身の操縦する乗り物の存在を消す事ができる認識阻害系幻影魔法

魔力、魔力操作、操縦テクニック、操縦経験値、乗客からの信頼、感謝によって精度が上がる

(スキル条件)

一定以上の魔力、魔力操作、操縦テクニック、操縦経験値、乗客からの信頼、感謝がある事


(後天称号)

【&$%#のデコピン】NEW!

自身の努力と根性、決意に比例して成長率がUPする

一定以上&$%#からの怒りを向けられ、その刺激によって精神構造に変化をもたらした事で取得



「ほほ〜う?これが幻影系魔法ってやつか。これで外からは見えないんだよな。」


「はい。これでモンスターに気づかれずに先に進めますよ〜。」


ご機嫌で答えると、やはり前方から見えてきたのは人間の捕食が目的のEランクモンスター<イナゴ・スライダー>

大きな牙が二対ついた口を震わせガチガチと大きな音を鳴らしている。


<イナゴ・スライダー>

体長5m越えのイナゴ型Eランクモンスター

羽がとても大きく飛ぶと鳥並に飛び回る事ができるため空中戦は避ける事を推奨

狂人な顎と牙は固い獲物の肉を簡単に引きちぎり、一度捕まればあっという間にバラバラにされてしまう

スピードが非常に早いが人の気配には疎いため、見つけたら音を立てずに逃げるのがBEST



「イナゴか……よし、アイツ食おう!」


ルンルンでイナゴ・スライダーの横を通り過ぎようとした時、突然ルーク様が発した言葉を聞いて、思わず固まった。


「…………はぃ?」


「ちょうど小腹がすいた所だったからちょうどいい。よし、まずは〜……。」


「ちょ、ちょ、ちょ〜!!??」


せっかく見えなくしている馬車からアッサリと飛び出し、屋根に立つルーク様。

それに泡を吹き出しそうなくらい焦っているのは────僕だけの様だ。



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