第223話 BBQ。6 ※店長視点
「遅れちゃってすみません……」
「気にすんな。ところでさ七海ちゃん。この状況を見てくれ」
「……なんでここまで作業が進んでないんですか」
集合時間から少し遅れて七海ちゃんがやってきた。
バカやあざらしのせいで無駄に体力を使ってしまった分、BBQの準備が何一つ進んでいない。
七海ちゃんは少しため息をつくとテキパキと準備をしてくれる。さっきまで時間をかけて俺がやっていた作業は何だったんだろうと思ってしまうほど、一つ一つの作業が片付いていく。
俺も含めたこのメンバーの中で、七海ちゃんが唯一まともかもしれない。
「いやぁー助かるわー」
「本当無能ですね。早く手を動かしてください」
「す、すみません……。そういえばさ、何で遅刻したの?珍しい」
「いや……それは……別に何でもいいじゃないですか」
「何だよ。ずっとうんこでもしてたのか?」
「セクハラで訴えますよ」
「冗談だって!!」
「さらっとそういう台詞が出てくるあたり、そういう性癖の持ち主としか思えません」
「決めつけが凄いな!!……んで、何で遅刻したの?」
「それは……あの……か、髪型とか……服とか何着てこうか考えてたら……時間かかっちゃって」
「へぇー女子って大変だなー」
確かに言われてみると、どこかいつもの七海ちゃんのイメージがいつもと違う。普段はどこか落ち着いたクールな印象を受けるのだが、今日はどこか明るい印象を受けて、なんだかいつも以上に可愛く見えてしまう。
「なんか今日の七海ちゃん可愛いね」
「……え……あ……せ、セクハラで訴えます」
「え!?おかしくない!?」
そこから準備は着々と進み、ちょうど少し遅れてやってきたあかっちや柚子ちゃんに間に合う形でBBQができる状態になった。




