第129話 へこむ。
「あの……あかっちさん」
「……どうしたの?」
「えっと……あの……」
七海ちゃんをいじって遊んだ後、普通に仕事をしてたんだけど……急に元気が無くなっている。……どうしたんだろ。
「……すみません。ウィークイン補充してる時に、缶を凹ませてしまいました……」
「あー。誰にでもあるミスだし、しゃーないよ」
「あの……弁償するんで、レジ打ってもらってもいいですか?」
自分からミスを言う辺り、七海ちゃんって真面目だなーって思う。最初の頃は俺もよく缶を凹ませたりしたけど、何にも気にせず補充してたからなー。まあ、その後店長からめっちゃ怒られたんだけど。
「いや、それ俺が買うよ。ちょうどコーヒー飲みたかったし」
「いや……でも……」
「いいって、いいって」
こういうのって自分で買うより他人が買ったほうが、より注意しようって気になるしね。まーいいでしょ。
「……あかっちさんって優しいですよね」
「気のせいじゃない?」
「そうですか?私は全く好みじゃないですけど、女性にモテそうですね」
「……なんで褒められてるのに、傷つかなきゃいけないんだろう」
「好きな人とかっていないんですか?」
「んー。なんだかんだ言って店長が一番好きかな?」
「……へぇ……そうなんですか……。そういえばあかっちさんって妹がいるんですよね」
「え、さっきも聞いたよね」
「……即決50万円なら売れるかな……」
「ちょ!何の金額!これ笑う所だって!」」




