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第126話 ふぇー。18

 そんなこんなで俺と柚子ちゃんは現在、カラオケの前にいる。


 滅茶苦茶行きたそうだったから来たけど……正直不安要素しかない。しかし、考えてみれば画面を見ながら歌うんだから、俺と会話するわけではないので、歌うのに何の支障もないのかもしれない。


 カウンターで受付を済ませ、店員さんに教えてもらった番号の部屋を探す。そういえば、女子高生と密室で二人きりということになるんな……ぐへへ。俺の顔が徐々にニヤけてきたので自粛する。この機会に逮捕されないことを我ながら祈りたい。部屋を探す途中、ドリンクバーでジュースを入れ、準備は万端だ。


 部屋に着くと、柚子ちゃんはすぐに機械を操作しだした。早速曲を入れるのだろうか?しばらくするとモニター画面には『後奏カット』と表示された。たしかに1時間しかとってなかったし、効率よく歌えるからいいかもしれない。やはりこういう操作に慣れている所を見ると、改めて女子高生なんだなという印象受ける。気が付くと、またモニター画面が切り替わった。今度はなんだろう?画面には大きく『精密採点モード』と表示されていた。


 ……柚子ちゃんガチじゃん。俺と一緒にまったりカラオケするというより、完全に一人で楽しむ感じじゃん。しかし、こうなってくると柚子ちゃんの歌唱力も期待せざるを得ない。カラオケに来て早々採点モードに変えたのだ。歌に自信があるのだろう。柚子ちゃんは首をぐるぐる回し、軽い準備運動をしている。気軽に遊びに来たとは思えないほどのやる気だ。既に歌う曲を決めていたのか、準備運動が終わると慣れてた手つきで機械を操作し始め、ピピッ!っという音と共に曲が予約された。スピーカーからはリズミカルなテンポのイントロが流れ始める。


 ――なんとなく聞いたことがある。歌詞は思い出せないが、去年紅白にも出ていた人気アイドルの曲だ。正直こういう感じの曲は好んで聞かないが、柚子ちゃんが歌ってくれるとなると話は別だ。声も可愛いし、こういう曲調の歌がよく似合い――――。

 

「ふぇええええええええええええええええええええ」


「ちょ、ちょ……」


 な、なんだこれ……。

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