表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

意識高い系勇者パーティから追放された俺の末路

作者: 埴輪庭
掲載日:2026/01/20

 ◆


 虚空に亀裂が走り、そこから這い出てきた何かの触手が俺の左腕を掠めた瞬間、肘から先の感覚が消えた。見れば、腕がない。切断されたのではなく、存在ごと喰われたのだと気づいたのは傷口から血すら流れていなかったからである。


 そういう場所だった。


 魔界第五圏「エイヴィヒカイト」──永遠を意味するその名を持つ領域は、時間という概念すら歪んで澱んでおり、一秒前の自分と一秒後の自分が同時に存在したかと思えば次の瞬間には両方とも消滅しているような、そんな悪夢じみた空間が果てしなく続いていた。


「カイト、左腕ロストしてるね。ちょっとインシデント・レポート案件かな」


 勇者アルヴィンの声が妙に事務的な調子で響く。金色の髪を風になびかせながら、彼は俺の横を駆け抜けていった。その手に握られた剣が弧を描く。時が止まる。三秒間だけ。しかしその三秒でアルヴィンは俺を喰らった名も知れぬ魔物の核を正確に捉え、斬り裂いていた。


 斬られた魔物は悲鳴すら上げることなく消滅する。“存在確率を著しく減衰させる”とかいう、アルヴィンの訳のわからない能力のせいだ。斬られたものは一定確率で「最初からいなかったこと」になる。実際、俺の腕を奪った虚空の亀裂ごと、その魔物は世界から抹消された。ちなみに時を止めたのはアルヴィンである。勇者アルヴィンは最強で、最強だから時くらいなら軽く止めてのけるのだ。訳が分からないって?俺もだ。


「今の対応、ちょっとプロアクティブさに欠けてたかな。カイトはさ、もう少しリスク・センシティビティを高めていく必要があると思うんだよね。アジャイルな判断っていうか、状況に対するレスポンシビリティをもっとオーナーシップ持って発揮してほしいな」


「あ、ああ……すまん」


 何を言っているのかさっぱりわからないがとりあえず謝っておく。これが俺の処世術だった。アルヴィンは根はいい奴なのだ。ただ、指摘の仕方が独特すぎて、毎回脳が理解を拒んでしまう。しかし時を止め、存在確率減衰の力を持つ奴のアドバイスなんて俺のような凡人には訳が分からなくて当然だとおもわないか?


「カイトさん、腕」


 聖女シンシアが駆け寄ってきた。銀色の長い髪が揺れ、その白い指先が俺の肩に触れる。温かな光が傷口を包み込み、次の瞬間には腕が生えていた。存在ごと消滅したはずの左腕が何事もなかったかのように元通りになっている。


「ありがとう、シンシア」


「いえ、これくらい」


 彼女は柔らかく微笑んだ。死者すら蘇生させる聖女。自身が死んでも、魂を砕かれない限り何度でも復活するという。しかもその魂は多次元宇宙に分散保管してあるらしい。意味がわからない。俺がどれだけ修行を積んでも到達できない領域に、彼女は最初から立っているのだ。


「前方に大規模な魔力反応。おそらく領域守護者ね」


 賢者オリアーナの声が冷静に状況を告げる。黒髪を一つに束ねた彼女は宙に浮かぶ魔法陣を指先でなぞりながら、淡々と分析を続けていた。


「規模は……そうね、小さめの恒星くらいかしら。結界内で処理するわ」


 小さめの恒星。その言葉を聞いた瞬間、俺の背筋を冷たいものが走った。オリアーナの得意技は星術——星界に干渉することで宇宙規模の破壊を引き起こす魔術だ。結界を展開し、その中で超新星爆発を起こす。そんな芸当を彼女は「ちょっと派手にやるわね」程度の感覚でやってのける。そうそう、彼女もちょっとやそっとじゃ死なない。なにやら「本体」を星界の彼方のどこかに隠しているらしく、今見えている彼女は限りなく本体に似せている義体──アストラル・バディというものらしい。何の話だか俺には全くわからない。


 前方の闇が蠢いた。


 それは巨大だった。山のように、いや、山脈のように。無数の目と口と手足が渾然一体となった、見る者の正気を削り取るような存在。魔界第五圏の領域守護者——名前など知らない。知りたくもない。


「じゃあ僕がヘイト取るから、オリアーナは詠唱お願い。シンシアはいつでもリカバリーできるようにスタンバイ。カイトは……」


 アルヴィンが振り返る。整った顔に浮かぶのは申し訳なさそうな、しかしどこか事務的な表情だった。


「カイトはうーん、今回はバックアップに回ってもらおうかな。ちょっと今のコンディションだと、フロントラインでのコミットは難しいと思うんだよね」


「わかった」


 反論する気力もない。実際、俺では足手まといにしかならないのだ。S級冒険者として覚醒し、「分け身」「超高速思考」「空間斬」といった強力なスキルを身につけたこの俺が、だ。そう、俺は自分に自信があった。自分が強いと思っていた。かつて所属していたパーティから追放されたとき、屈辱と怒りで目覚めた力だ。あのときは思ったものだ──これで俺は最強になれる、と。無論スキルを使いこなすために血のにじむような修練を積んだことは言うまでもない。俺には才能があり、その才能にあぐらをかかないだけの勤勉さがあった。


 そんな俺が最強になれないわけがない──そう思ったものだ。


 が、甘かった。


 このパーティに加入してから、毎日が地獄だった。アルヴィン達が探索する領域は俺の想像を遥かに超えていた。初日から死にかけ、二日目も死にかけ、三日目には実際に一度死んだ。シンシアに蘇生してもらわなければ、今頃は魔界の塵と化していただろう。


 アルヴィンが駆け出す。時が止まる。三秒。その間に彼は領域守護者の懐に飛び込み、その巨体を縦横無尽に斬り裂いていた。無数の傷口から漏れ出す魔力が大気を震わせる。


 時が動き出す。


 領域守護者が咆哮した。音というより、空間そのものが悲鳴を上げているような感覚。俺は思わず膝をついた。この程度の威圧で動けなくなるようでは確かにフロントラインでのコミットは難しい。アルヴィンの言葉が今さらながら腑に落ちる。


 オリアーナの詠唱が完成する。


 結界が展開された。領域守護者を包み込む、透明な球体。その中で光が生まれた。


 超新星爆発──と、オリアーナは言っていた気がする。星が死ぬ瞬間に起こる、人智を超えた大爆発の事だそうだ。意味がよくわからない。


 結界の内側だけが一瞬にして灼熱の地獄と化す。温度など測定不能だろう。光が巨大な魔物を焼き尽くしていく。結界の外側にいる俺達には微風すら届かない。完璧な制御。完璧な魔術。


 数秒後、結界が解除されたとき、領域守護者の姿はどこにもなかった。灰すら残っていない。


「お疲れ様。オリアーナ、ナイスワークだったね。タイムライン通りに進行できて良かったよ」


「ありがとう。でも、もう少し効率化できたわ。次は詠唱時間を三割カットするわね」


 三割カット。超新星爆発の詠唱をさらに短縮すると言っている。この人達は一体何を目指しているのだろうか。ああそうだ、思い出した。魔界の完全攻略だった。


 シンシアが俺の傍に寄ってきた。


「カイトさん、大丈夫ですか?」


「ああ、なんとか」


「よかった」


 彼女は心底安堵したように微笑む。本当に優しい人だ。というか、このパーティの全員が本当にいい人達なのだ。ただ、求められる水準が俺には高すぎる。毎日のように死を覚悟し、毎日のように死にかけ、毎日のようにシンシアに命を救われる。そんな日々に俺の心は確実に磨り減っていた。

 

 ◆


 その夜、野営地で火を囲んでいるとき、アルヴィンが口を開いた。


「カイト、ちょっといいかな」


 彼の声は真剣だった。いつもの軽やかさが影を潜め、代わりに何か重要なことを告げようとする者の緊張が滲んでいる。シンシアとオリアーナも、黙って俺達を見守っていた。


「なんだ?」


「単刀直入に言うね」


 アルヴィンは一度深呼吸した。焚き火の炎が彼の金色の髪を橙色に染めている。


「カイトにはこのパーティを離れてもらいたいんだ」


 追放——その言葉が脳裏をよぎった。かつて味わった屈辱。見下され、嘲笑され、不要だと切り捨てられた記憶。しかし不思議と怒りは湧いてこなかった。


 むしろ、胸の奥で何かがほっと息をついていた。


「これはね、決してカイトのパフォーマンスを否定しているわけじゃないんだ。カイトのスキルセットは十分にハイレベルだし、ポテンシャルも感じている。ただ、現状のプロジェクト・スコープを考えたとき、カイトのアセットを最大限にレバレッジできる環境がここではないんじゃないかって思うんだよね」


 何を言っているのかさっぱりわからない。しかし要するに「お前では務まらない」ということだろう。


「僕達はこれから第六圏、第七圏と進んでいく予定なんだ。正直に言うと、そこはもう人間が足を踏み入れる領域じゃない。概念的存在との戦いになる。物理的な剣技が通用するかどうかも怪しいエリアなんだよね」


 概念的存在。物理的な剣技が通用しない。その言葉の意味を俺は理解しようとして、諦めた。理解する必要もないだろう。


「だからさ、これはカイトのためでもあるんだ。カイトにはカイトに合ったフィールドがある。そこでバリューを発揮してほしいなって」


「……わかった」


 俺は頷いていた。驚くほど素直に。


 追放。その言葉には苦い記憶がこびりついている。かつてのパーティで追放されたとき、俺は血を吐くような思いで修行に励んだ。強くなってやる。見返してやる。その執念が俺を今の高みへと押し上げた。


 しかし今回は違う。


 このパーティを見返してやろう、などという気持ちは微塵も湧いてこない。なぜなら、彼らは本当に強いからだ。俺が百年修行しても追いつけないほど強い。そして本当にいい奴らだからだ。俺を見下しているわけでも、嘲笑しているわけでもない。ただ純粋に、俺の身を案じて、この決断を下したのだろう。


 なにより——正直に言えば、俺は毎日死ぬかもしれないという恐怖に疲れ果てていた。


「カイトさん」


 シンシアが俺の手を取った。その瞳は潤んでいる。


「短い間でしたけど、ご一緒できて嬉しかったです」


「俺もだ。ありがとう、シンシア。何度も命を救ってもらった」


「いえ、当然のことをしただけです」


 当然。彼女にとっては死者を蘇生させることすら「当然」なのだ。


 オリアーナも立ち上がり、俺の前に歩み寄ってきた。


「カイト。あなた、思ったより長持ちしたわね」


 辛口だがその目には優しさが宿っている。


「正直、三日で音を上げると思ってた。でも、あなたは二ヶ月も耐えた。それは誇っていいことよ」


「ありがとう、オリアーナ」


 二ヶ月。たった二ヶ月で俺は限界を迎えたのだ。しかし彼女の言葉を聞くと、その二ヶ月すら奇跡的な長さだったのかもしれない。


「カイト」


 アルヴィンが宙空から何かを取り出した。剣だ。美しい装飾が施された、神秘的な輝きを放つ剣。


「これ、餞別。『始まりの聖剣グランス・リヴァイヴァー』っていうんだけど」


 俺は息を呑んだ。その剣から感じる魔力は尋常ではなかった。俺がこれまで見てきたどんな武器よりも、圧倒的に格上の存在。握るだけで自分の力が何倍にも増幅されるような感覚がある。


「これを俺に?」


「うん。僕達の戦いにはちょっとスペック不足でね。もう使わないから」


 スペック不足。この化け物じみた聖剣が彼らにとってはスペック不足。もはや笑うしかなかった。


「ありがたく、受け取っておく」


「うん。その剣、世界を救う力程度はあるから。カイトなら、きっと使いこなせると思うよ」


 世界を救う力。それがスペック不足。このパーティは一体何と戦おうとしているのか。聞かない方がいいだろう。聞いたら、夜眠れなくなりそうだ。


「じゃあ、シンシア。カイトを地上まで送ってあげてくれる?」


「はい」


 シンシアが俺の手を取る。転移の魔法が発動し、視界が白く染まった。


 次の瞬間、俺は草原に立っていた。青い空。白い雲。緑の草。太陽の温かさ。当たり前の、しかしこの二ヶ月間ずっと渇望していた光景。


「ここは?」


「王都の郊外です。あそこに見えるのが王都アスカリオンの城壁ですね」


 確かに、遠くに巨大な城壁が見える。人間の世界。俺が本来いるべき場所。


「カイトさん」


 シンシアが俺を見上げた。その瞳に涙が浮かんでいる。


「どうか、お元気で」


「ああ。お前もな」


 彼女は微笑み、そして消えた。転移魔法で魔界に戻ったのだろう。これから彼女達は概念的存在とやらと戦うために、さらに深い階層へと進んでいく。


 俺は空を見上げた。


 青い。ただ、青い。それだけのことがこれほど尊いものだとは知らなかった。


「さて」


 俺は歩き出した。聖剣を腰に佩き、王都へと向かう。とりあえずギルドに顔を出そう。S級冒険者として、できることはいくらでもある。


 そう思いながら歩いていると、遠くで轟音が響いた。


 見れば、王都の城壁の向こうで黒い煙が上がっている。何かが燃えているのか。いや、あれは——魔力だ。禍々しい魔力の塊が城壁の向こうで渦巻いている。


 俺は駆け出した。


 城門を潜り、街路を走る。人々が逃げ惑っている。悲鳴。怒号。泣き声。混乱の中を突き進み、俺は広場に辿り着いた。


 そこにいたのは魔王だった。


 巨大な体躯。漆黒の鎧。燃え盛る双眸。禍々しい魔力を全身から放ちながら、それは広場の中央に君臨していた。見た感じ大した事はないが、一応魔王は魔王だ。マナの波長が独特だった。


 その前に数人の冒険者が立ちはだかっている。ボロボロの装備。傷だらけの身体。しかし諦めてはいない。


「くそ……まだだ、まだ終わってない……!」


 先頭に立つ若い剣士が震える足で魔王に立ち向かおうとしていた。マナの感じからして、勇者なのだろう。()()には独特のマナ波長がある。まあ……もちろんアルヴィンとは比較にもならないが……。ともかくその勇者は聖剣らしきものを握りしめ、仲間を庇うようにして魔王と対峙している。


「滅びよ」


 魔王が手を掲げた。黒い炎が渦巻き、とどめの一撃が放たれようとしている。


 俺は動いていた。


 「超高速思考」が世界を引き延ばす。「分け身」が三体の俺を生み出す。「空間斬」が虚空を切り裂く。そして──グランス・リヴァイヴァーを抜き放つ。握った瞬間、全身に力が漲った。これまで感じたことのないほどの魔力が俺の身体を駆け巡る。


 魔王の攻撃が放たれるより早く、俺は斬っていた。


 一閃。


 それだけで魔王の身体は両断されていた。断末魔すら上げる暇もなく、魔王は地に崩れ落ちる。黒い炎が消え、禍々しい魔力が霧散していく。


 広場に静寂が訪れた。


「な……」


 勇者らしき若い剣士が呆然と俺を見つめている。


「魔王を……一撃で……?」


「怪我はないか」


 俺は剣を鞘に納めながら、彼に声をかけた。


「あ、ああ……あなたは一体……」


「ただの通りすがりだ。気にするな」


 俺は踵を返した。背後で歓声が上がり始める。魔王が倒れた。人々が喜んでいる。しかし俺にとっては何でもないことだった。


 魔王。


 かつてであれば、それは世界最大の脅威だっただろう。しかし今の俺にはあの程度の存在はただの魔物と変わらない。エイヴィヒカイトで見た領域守護者に比べれば子供のようなものだ。


 歩きながら、俺は空を見上げた。どこかでアルヴィン達が戦っている。概念的存在とやらを相手に、人知を超えた戦いを繰り広げているのだろう。


 王都の街路を歩きながら、俺は少しだけ笑った。追放されてよかった。心の底からそう思う。あのまま魔界に残っていたら、今頃は概念的存在とやらに魂まで喰われていたかもしれない。


 アルヴィン達には感謝しかない。俺を追放してくれて、本当にありがとう。


 ふと、懐から小さな石が転がり落ちた。拾い上げてみると、それは通信用の魔石だった。


 石を眺めていると淡く光り、声が響く。


「あ、カイト?聞こえる?こっちアルヴィンだけど」


「ああ、聞こえる。どうした?」


「ちゃんと帰れたかなって心配でさ。その感じだと大丈夫そうだね。こっちはさっそく第六圏に入ったんだけどさ、ちょっと想定外のシチュエーションが発生しちゃって。概念的存在っていうか、もはや概念以前の原初的意志みたいなのが出てきちゃったんだよね。でも大丈夫、なんとかコントローラブルな範囲に収めたから」


 原初的意志。概念以前。何を言っているのかさっぱりわからない。


「ところで何かあったの?少しハイなマナを感じるけど」


「ああ。さっき魔王を倒してきたところだ。王都を襲ってたからな」


「お、すごいじゃん。カイトならできると思ってたよ。やっぱりさ、適材適所ってあるよね。カイトは地上のフィールドでこそ、真のバリューを発揮できるタイプだと思うんだ。これからもそのポジションでマキシマイズしていってほしいな」


「ああ……そうだな」


 相変わらず何を言っているのかわからないがきっといいことを言っているのだろう。


「じゃ、僕達はこれからもうちょっとディープなエリアを攻略していくから。また連絡するね」


「ああ。死ぬなよ」


「死んでもシンシアがなんとかしてくれるし、それに僕が九回までノーリスクで死ねるってこと忘れたのかい? でも君が心配してくれて嬉しいよ、頑張るね。それじゃあまた」


 通信が切れた。


 俺は空を見上げた。青い空。白い雲。穏やかな風。


 分相応が一番だ。


 そう思いながら、俺は歩き続けた。どこへ向かうのかはまだ決めていない。

 

 だが絶対にアルヴィンの所へは行きたくない

 

 (了)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
作品紹介

━━━━━━━━━━━━━━━━


※ 20260119時点、第一章完まで毎日午前六時に投稿予約しています。
【ジャンル】(長編)ハイファンタジー〔ファンタジー〕
「追放された王太子と公爵令嬢が冒険者になる話」
総合ポイント 1,068pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

六十年間、何をやっても失敗し続けてきた男がいる。
幼稒園では振り付けを覚えられず、学校では成績も運動も最下位。
恋は告げられず、仕事ではミスを重ね、やがてリストラ。
期待されないことだけが彼の救いだった。
期待されなければ、失望されることもないからだ。
両親を看取り、五十五を過ぎた頃、彼は三十年ぶりに小説を書き始める。
題材は自分自身。
何の取り柄もない、救いようのない半生。
書き上げた原稿を、返事など期待せずに出版社へ送った。
──しかし。
【ジャンル】純文学〔文芸〕
「闇、搔き毟りて」
総合ポイント 0pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

この記録集は、二〇二五年八月から九月にかけて起きた「灯之村発熱事件」に関する資料をまとめたものである。
事件の中心人物である花村園子(動画共有サイト「ViShare」チャンネル「SONOKO's Journey」運営者)は、二〇二五年九月十四日に交通事故を起こし重傷を負った。
退院後、彼女はすべてのSNSアカウントの更新を停止し、現在も消息不明となっている。

本記録集には以下の資料が含まれる。
・花村園子が撮影した映像の書き起こし
・関係者へのインタビュー記録
・ViShare動画およびコメント欄のアーカイブ
・SNS(Z、Picstagram等)の投稿記録
・インターネット掲示板の過去ログ
・メール・ダイレクトメッセージの記録
・行政文書(保健所報告書、村議会議事録等)
・新聞・週刊誌記事
・医学論文・学会報告
・郷土史料・古文書
・その他の関連資料

なお、プライバシー保護のため、一部の人名・地名は仮名としている。
また、資料の配列は時系列に沿っているが、一部編集を加えている箇所がある。

※ 本作は作者が去年のいつだったかにかいた「ヒツギノムラ」という因習村系ホラーをモキュメンタリー形式に仕立て直したものです。
【ジャンル】ホラー〔文芸〕
「灯之村発熱事件 記録集」
総合ポイント 22pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

魔力が絶対の価値を持つウェザリオ王国で「無能」と断じられた王子シャールと公爵令嬢セフィラ。
しかし彼らには万物を操る未知の力があった。
元王子と聡明な元令嬢は国を捨て、追手を退け、辺境の街で冒険者として再起する。


━━━━━━━━━━━━━━━━

「貴女を愛する事は、私にはできない」
──近衛騎士団長ガリューは、セレスティアにそういった。
そして彼女は人を辞めた。
【ジャンル】異世界〔恋愛〕
「血と鉄と愛」
総合ポイント 114pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

ここ最近、ランベール王国ではしょうもない理由での婚約破棄が流行している。
麗しき公爵令嬢ライラ・オーネストはそれを苦々しく思っていた。
だがそんな彼女もある日、婚約者であるエルリック王太子から婚約破棄を告げられてしまう。
しかしその理由は真実の愛を見つけたからでも、ライラに愛想がないからでもなかった。

※ 本作は 『なんか説得力のある婚約破棄 』 『なんか説得力のある元鞘』 の二編をコンテスト応募用にまとめたものです。
【ジャンル】異世界〔恋愛〕
「つかず、離れず」
総合ポイント 122pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

承認欲求の末路。
とあるウェブ小説作家の生きざまとくたばりざまを書いた恥小説。
【ジャンル】純文学〔文芸〕
「馬鹿面(ばかづら)」
総合ポイント 116pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

「なんか説得力のある婚約破棄」(※ランキングタグにリンクあり)の後日談。
どうしようもない政治情勢で婚約を破棄せざるを得なかった王太子エルリックと公爵令嬢ライラ。
二人は優秀であり、優秀であるがゆえに道理を通せば国が滅びると理解し、愛を諦めたのだ。
しかし──
【ジャンル】異世界〔恋愛〕
「なんか説得力のある元鞘」
総合ポイント 2,432pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

よくある聖女召喚。
でももしも召喚した聖女がやべー聖女だったら?

「可愛らしいですわね、小さな子犬が吠えているようで」

召喚された聖女は、王に向かってそう微笑んだ。
瘴気に覆われ滅亡の危機に瀕した王国。
起死回生を賭けた聖女召喚の儀式は成功し、銀髪に紫の瞳を持つ絶世の美女が現れる。
だが彼女は王の懇願をあっさりと断り、牢に繋がれても怯える様子すらない。
プルーウィアと名乗るその女は、周囲を見回してただ一言、「原始的ですわね」と呟いた。
そんな彼女を従わせようと脅す国王を、彼女は終始穏やかな笑みで見つめている。
まるで、人間が蟻の巣を眺めるような目で。
この「聖女」は一体何者なのか。
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「よくある聖女召喚」
総合ポイント 4,852pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

アイドルはうんちをしない。
これは比喩でも誇張でもなく、文字通りの事実である。
彼女たちの体内に入ったあらゆる物質はどのような毒性を帯びていようと完璧に無効化され、吸収されてしまう。
そんなアイドルが、アイドルたちが世界を救い、そして破滅させる話。
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「アイドルはうんちをしない」
総合ポイント 202pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

ここ最近、ランベール王国ではしょうもない理由での婚約破棄が流行している。
麗しき公爵令嬢ライラ・オーネストはそれを苦々しく思っていた。
だがそんな彼女もある日、婚約者であるエルリック王太子から婚約破棄を告げられてしまう。
しかしその理由は真実の愛を見つけたからでも、ライラに愛想がないからでもなかった。
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「なんか説得力のある婚約破棄」
総合ポイント 6,264pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

「品」──それが僕と亜里沙の決定的な違いだった。
亜里沙は二年付き合った恋人だ。
でも彼女は何をやるにも雑だった。
料理も、紅茶の淹れ方も、そして僕らが共有する「ある趣味」においても。
過程を楽しむことを知らず、すぐに結果だけを求める。
僕は彼女との日々に疲れていた。
だがそんなある日、見知らぬ男から届いたとあるメッセージ。
そこには、彼女のあられもない姿が映っていた。
そう、NTRという奴である。
怒るべき場面で僕が感じたのは、ただ一つの確信だった──やはり、彼女とは性格が合わない。
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「性格の不一致」
総合ポイント 684pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

信長公記、ほぼ史実。
【ジャンル】歴史〔文芸〕
「森蘭ギャル」
総合ポイント 720pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

殺すことだけを教え込まれた軍人アシェルと、人の本心を見抜く力ゆえに孤立してきた王女キュルケ。
幼い頃から奇妙な絆で結ばれていた二人だが。
【ジャンル】異世界〔恋愛〕
「後の月」
総合ポイント 224pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

呪いの動画を見てしまった。
私は一週間後に死ぬらしい。

でも大丈夫(?)。

地球が三日後に滅びるそうだから、怖くない。
【ジャンル】ホラー〔文芸〕
「メテオリック・エクソシズム」
総合ポイント 296pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

勇者が魔王を倒そうとしなかったらどうなる?
【ジャンル】ハイファンタジー〔ファンタジー〕
「勇者に放置された魔王の末路」
総合ポイント 1,334pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

男の生きざま、恋情。
ハーメルン、カクヨムから転載
【ジャンル】現実世界〔恋愛〕
「ウィdンドウショオポイング」
総合ポイント 154pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

帝都ティランの会員制サロン「銀枝亭」に集った五人の貴族たち。
話題は庶民の間で流行する「婚約破棄譚」への痛烈な批判だった。
設定の杜撰さ、人物造形の稚拙さ、読者の被害者意識……舌鋒鋭い文芸誌編集主幹カタリナを中心に、知識人たちは存分に嘲笑を重ねていく。
だが談話の果てに浮かび上がったのは──
【ジャンル】純文学〔文芸〕
「阿呆鳥の連環」
総合ポイント 588pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

職場のパワハラに苦しむ会社員・彩乃は、高校時代にいじめた相手・美月から勧められ、ストレス発散のため呪いグッズをフリマアプリで販売し始める。
しかし購入者たちが語る「被害者の声」は、かつて自分が加害者だった過去を否応なく突きつけてくる。
美月は許してくれた。
でも、許されていいのだろうか?
罪悪感に蝕まれ、眠れない夜を重ねる彩乃。
やがて購入者たちの呪いの対象に「報い」が訪れ始めたとき、彼女はある決断を下す。
【ジャンル】ホラー〔文芸〕
「ノロイ、ノロワレ」
総合ポイント 48pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

ハルシオン王国──二百年前、この国は極度の男尊女卑社会であった。
女には相続権がなく、教育を受ける権利もなく、結婚相手を選ぶ自由さえ与えられていなかった。
女は道具であり、家畜であり、男の所有物に過ぎなかったのだ。
だが今は違う。
一部の男が──そして多数の女が国のあり方を変えた。
だが今度は逆の方向へ振り切ってしまっている。
ちょっとした事で「罪を償うために」と次々自裁していく男たちを前に、女王リディアをはじめ、女たちは社会の在り方を変えようとする。
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「レミングス」
総合ポイント 126pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

剣士カイトは勇者アルヴィンから追放を告げられた。
そして──!!!!!!
【ジャンル】ハイファンタジー〔ファンタジー〕
「意識高い系勇者パーティから追放された俺の末路」
総合ポイント 19,366pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

「私たち四人は対等なの」
──女の提案で始まったのは、三人の男が一人の女を共有する異常な日々だった。
弁護士の真司は漁師の啓二、バーテンダーの了と共に、愛する妻・莉子と暮らしている。
かつては嫉妬に狂い、互いに殺意すら抱いた男たち。
しかし奔放な妻に振り回され、同じ苦しみを共有するうちに、敵同士だったはずの三人の間には奇妙な連帯感が芽生え始める。
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「オープンマリッジ」
総合ポイント 128pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

ジャズの良さがさっぱりわからん
【ジャンル】エッセイ〔その他〕
「ジャズとかよくわからん」
総合ポイント 0pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

時は大霊能時代!
悪霊、死霊が跋扈するようになり、治安は悪化し、世界中、不穏な事ばかりのサイテーな時代である。
日本でも霊務省が死刑囚を呪いの物件に送り込み、悪霊に始末させることでコストを削減するという悪趣味な制度が採用されている。
そんな中、ベテラン執行官・大佐貫はいつものように凶悪犯の処理に向かうのだが──
【ジャンル】ホラー〔文芸〕
「ポイズン・エクソシズム」
総合ポイント 112pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

ちょっとトッぱずれた世界観の短編を集めました。
目次──各話の簡単な概要は第一話の前書きに。
【ジャンル】コメディー〔文芸〕
「トンチキな作品を集めた短編集」
総合ポイント 110pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

夕暮れの駅のホーム、今にも線路へ吸い込まれそうな女性に男は全力で体当たりを食らわせた。
男の名前は藤巻俊一。
いわゆる、「ぶつかりおじさん」である。
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「感電」
総合ポイント 318pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

夜ごとに星が降る美しい国で、欲しいものは何でも手に入るワガママ王子。
ある日、メイドの大切な形見を無慈悲に捨てた彼は王の怒りに触れ、身一つで城を追い出されてしまいます。
孤独な旅の果てに王子が見つけたものとは
【ジャンル】童話〔その他〕
「星のきらきら」
総合ポイント 96pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

電柱が自らの意思で根を張り、街を闊歩するようになった日本。
かつての大反乱を経て、人類は彼らとの奇妙な共存関係を築いていた。
人間とコンクリートの間に立ち、摩擦を仲裁するのが「電柱保安調整官」である佐山の仕事だ。
【ジャンル】コメディー〔文芸〕
「電柱街」
総合ポイント 10pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

不同意性交は死刑!!
そんな社会で男と女が恋をする。
【ジャンル】現実世界〔恋愛〕
「君と僕の同意性交」
総合ポイント 84pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

冒険者パーティ『碧空の翼』の荷物持ちバジルは醜く無能な中年男だ。
そんなある日、彼は仲間に囮として森に捨てられた。
絶望の淵で彼が手にしたのは、若き美女へと変貌する奇跡の力であった。
復讐を誓ったバジルは美貌の魔術師「ジル」となり、かつて自分を見下した男たちの前に現れる。
何も知らない男たちは、かつて蔑んだ男とも知らず、彼女の愛を求めて争い、堕ちていく。

※ 本作は捜索用の為に執筆しました。
こんな感じの作品を読んだことありませんか?
どうしてもオリジナルが読みたくて、しかしタイトルを思い出せないので、仕方ないので書きました。
おおむねこんな感じの設定だったとおもいます。
もしあったら教えてください!DMでも感想でも構いません!
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「無能な中年男、男をたぶらかす魔女となり、自分を捨てたパーティメンバーに地獄を見せる」
総合ポイント 216pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

鬼塚剛志は現場監督として赴任した京都で、正体不明の敵に精神を削られていた。
それは「京都弁」という名の、本音と建前が入り混じる魔宮であった。
職人の笑顔の裏にある真意が読めず、挨拶すらも攻撃に聞こえる日々。
蓄積されたストレスと疑心暗鬼が限界を超えた時、男の拳が禁断の解決策を選び取る。
【ジャンル】コメディー〔文芸〕
「京都殺拳地獄(きょうとごろしこぶしのじごく)」
総合ポイント 46pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

産後豹変した妻・絵里奈の苛烈な叱責に追い詰められる夫、洋平。
家庭に居場所を失った彼は怒りを糧に「完璧な仕事と育児」をこなして自らを死へ追いやるという狂気的な復讐にも似た自滅の道を歩み始める。
【ジャンル】ヒューマンドラマ〔文芸〕
「夢の轍」
総合ポイント 136pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

太平洋戦争架空戦記。
【ジャンル】歴史〔文芸〕
「白い悪魔」
総合ポイント 368pt


━━━━━━━━━━━━━━━━

甘い嘘よりも、冷徹な罵倒を。
裏切りの果てに少女が抱いた歪で抗いがたい執着の物語。
【ジャンル】異世界〔恋愛〕
「花弁」
総合ポイント 114pt
```
― 新着の感想 ―
意識以前に存在が高次元なんだよなー。
意識高い!高すぎる!!笑笑
なんでアサインされたか気になりますね あえて脆弱性を作り、パーティーの連携学習のためにアサインされたのかな?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ