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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第五章 思いと願いを現実に
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星屑の残穢

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」 


ジックは白い残像を空中に描きながらグリオスに向かって突撃するが、片手間に逸らされ距離を取らされる。ジックは方向転換ディレクション・ソリュートの力によって近寄る事すら出来ずにいた。  

どうにかしないと本格的にまずい…!!ユイトの言っていた能力は本当だったのか……想像より数倍面倒だなッ!


ジックは自身の周りに大量の火球を作り出し、自身と共に突撃する。今度は当てると誓いながら方向転換の射程距離に入ると一気に火球をバラバラにし、全方位からの狙撃を開始する。だが、やはり容易く防がれてしまう。ジックは狂った様に何度も同じことをする。距離を置くと火球を作り、近寄るとグリオスを囲む様にバラけさせ、発射する。 


なにがしたいんだコイツ…同じことばかり繰り返して…意味が分からないぞ…


グリオスは怪しく思いながらも方向転換で最も簡単に防ぐ。ジックは突然先ほどまでの行動をやめ、距離をとってから術を放った。 


『獄炎滅却!!』 


辺り一面を火の海に変えたその一撃にはグリオスも思わず驚くが、グリオスの周りには一切炎は無く、それはまるで孤島のようにも感じられる。 

 

やっぱりアイツの方向転換には規則性があるな…だが情報が少なすぎる…!!アイツの存在が確認された文献は五百年以上前!それから今までに攻撃を当てたのはユイトとオータスのみ!あまりにも情報が足りない! 


今度はこっちのターンだと言わんばかりにグリオスは怒涛の爆発を放った。辺り一面に爆発が広がり、地面は抉れ、吹き飛ぶ。ジックはバニラの速度を最大にし、なんとか避ける。が、その場にいた隊員達は避けることが出来ずに巻き込まれていく。巻き込まれた隊員達の悲鳴と鮮血が宙を舞う。太陽の光に照らされた血はキラリと光る。それを見たジックは怒りで頭が真っ白になりかけるが、深い深呼吸をして距離を取る。その時だった。


「死んだユイトでさえ俺に一撃を入れたと言うのに…この程度か…」 


焦げた肉や血の匂いのする右手をジックに向けて放つ。 


直勢爆発ストライク・プレシオス!!』 


目の前に一瞬にして現れた爆発は轟音と共にジックを最も簡単に飲み込み、大地を焦がし、溶かし、吹き飛ばす。その勢いのまま辺りの異臭を放つ”兵士だった物”や建物すらジュッと音を立てて蒸発させる。 


「あと何百年まてばまた一撃を入れられる者は現れるのやら…」 


轟音も消え、辺りには不気味なほどに真っ直ぐに抉れた焦土と彼の言葉だけが残された…


「あらら燃えちゃったか」 


グリオスの目線の先には服の裾がほんの少しだけ焦げていた。

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