陽の光
「お前は楽しくない……もっと強い奴を呼べ。殺すぞ?」
「悪いがさっきと同じとは思わないで欲しいね…始める前に一つルールを作ろう。この戦い…負けた奴が勝った奴に従う。どうだ?」
何故今更俺と戦う?他者との魔力を使ったルールは自身とに加えるルールとは違い破ることは出来ないぞ?何を考えている?だがどちらにせよこちらに有利…断る義理はない…
「二言はないな?」
「あぁ」
ユイトがいい終わると同時にユリは体中からとてつもないほどの量のカマイタチを放ち辺りを切り刻む。ユリが勝利を確信した時、辺りの煙は消える。だがその瞳には傷一つとしてないユイトが立っている姿が映っていた。
「────!!まさかこの短時間で魔力の向きに気づいたのか!」
「あぁ最初は意味がわからなかったよ…だって魔力に向きなんてないんだよ?放出すればそのまま出ていくんだもの。でも気づいた。なら放出口を増やせばいいんだって…そして今初めてやって初めて成功した!」
今初めてだと!?普通の人間の放出口は一つのみそれを増やすには血の滲む努力と圧倒的なセンスか必要不可欠!まさか俺以外にも放出口を見ただけで増やせる奴がいるとは…先ほどの奴との戦いの時は奴の魔力の向きを見てからその対角線に術を打っていたが二つとなるとそれはかなり難しくなる…それに奴はの限界値が二つとは限らない。必要になれば三つ四つと増やせるかもしれない。そうなれば魔法を打っても食われ意味もない…むしろ無駄に魔力を奪われる。なら…近接戦闘でぶちのめす!!!
「さっきよりは楽しめそうだ…!!」
ユイトは体中に”白に変わった雷”を纏い、ユリと見合う。天井から一粒の小石が落ち、地面に触れた時二人の拳が激しくぶつかり合う。その衝撃により祠には大きなヒビがいくつも作られた。二人はまるで見えていないかのように強力な攻撃をぶつけ合う。それは嵐のようにも見える二人の戦いに祠はついに耐えきれずに崩壊を始める。天井からは暖かく、そして優しく包み込むかのような陽が差し込む。
「せっかくだ…広く使おう」
ユリはそう言い終えると祠を木っ端微塵にし、ユイトに地面を割るような一撃を加える。ユイトはその勢いのまま空中に飛び上がり、空中からユリに向けて『土白雨槍』を放つ。何あるようにまさしく雨のように落ちてくる槍を使い、ユリはユイトの前にまで駆け上り、強烈な一撃を与える。ユイトはお返しに、高速の蹴りを食らわせ、地面に撃ち落とした。そのままユイトは左手を今さっき叩きつけたユリに向ける。そのまま左手を覆うような形で装土・化神ガイアの左手を作り出した。
「やっぱり出来た……!」
魔法は創造性がそのままで反映される。大切なのは発想をしっかりと試すことってローズに言われたな…
地面にめり込むように叩きつけられたユリはガイアの左手を壊そうとするが、ガイアは自然にある岩や地面を魔力によって圧縮し、身に纏う術。そう簡単には壊せない。だがユイトはガイアを解除した。ユリは疑問に思い、ユイトの方を見ようとした時ユイトはすでに目の前におり、ユリの顔面に魔岩をぶつけた。辺りに散布されていた魔力を喰らい尽くした魔岩はユリをとてつもない速さで吹き飛ばした。
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「────う…はッ!!」
うなされるように寝ていた彼は飛び起きる。
周りを見渡し、自身が外にいることに気づいた彼はユイトを探す。タイミングよく現れたユイトが彼に言う。
「おはよう。500百年ぶりの外はどうだい?」
「最高だよ…こんなにも綺麗なんだね…外は…あっそうだ!アイツは…ユリはどうなった!」
「ユリなら俺がしっかりと叩きのめした…それとユリには全ての魔力を君に渡すことと、もう人を傷つけないことを魔力を使ったルールで決めたからもう大丈夫だ」
「そんな…どうお礼をすれば…」
「お礼なんかいらないよ…ただ今俺の仲間がいる国やこの世界がかなりピンチなんだ…だから俺と一緒に来てくれないか?」
「いいのか?俺で…」
ユイトは力強く頷く。彼はそれを見てありがとうと呟きユイトに名前を聞く。
「俺の名前はユイト…第七隊隊長だ」
「ユイト…いい名前だね。俺はハルマ…ハルマ・リン。これからよろしく。隊長」
2羽の鳥が木を離れ、遥か遠くの空へと飛んでいく。それが美しい青空か、はたまた嵐なのかは誰にもわからない。




