それは光か、闇なのか
時は少し前に戻り、一月前に遡る。
「我々は一体これからどうすれば…」
「もう終わりなのだろう…我々は奴らを完全に怒らせてしまったのだから…」
ユイトと和神教の戦いを見た国王達は一ヶ所に集まり、今後について話し合っていた。内容はユイトが人類史上初の和神教神父を殺したなどと言う喜ばしい話ではなく、あの後国王達に向けて放たれた手紙についてだった。内容は一週間以内に本物のコーリウスの石を持ってくること。またそれまでに降伏、配下となること。どちらかが破られた時点で国を滅ぼすと言うものだった。この手紙を受け、数国が奴らに戦いを挑んだが、結果はとても無慈悲で、残酷なものだった。それもあってか、今世界は完全なる恐怖に飲まれていた。
「我が国ホーリーのリッターの隊員達をスポンサー以外の各国に配置、また各国の兵にも同じように準備をし、来たる大戦に向けての準備をしましょう。我々にはもうそれしか出来ませぬ」
ホーリー国王ギルガ・テル・ホーリーが各国王達にむかって叱咤するが、それが虚栄である事は震える指を見れば誰でもわかる。だが、皆の心が完全に折れてしまえば、もう勝つことなどできないと強く思い、自信のある声で何度も言う。「我々はまだ、負けてはいないのだ」と…
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「いつも命懸けの戦いばかり押し付けてしまってすまないなオータス…」
「いえそれが僕のやるべきことですから」
オータスは優しくそして力強く言葉を返すが、ギルガは何かを感じ取り、オータスに優しく話しかける。
「家族と最後の時を過ごすのだ…悔いの残らぬような」
「はい…ギルガ様」
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オータスは何年振りかわからぬ家の前で物思いにふける。
「でっけぇ!!オータスの家デカすぎんだろ!」
「すっごく大きいね!!」
オータスはブバリアとフリージアの顔を見てニヤニヤとしている。それに気づいたブバリアは「なんだよ!そんなに見るなよ!」と言い、プイっとそっぽを向いてしまう。オータスは少し楽しそうに「あらあら残念だなぁ〜せっかく二人のために家で遊ぶ許可を得たのになぁ〜ざぁんねんだなぁ〜」と煽った。頭に来たのか顔を真っ赤にしたブバリアは「なっ!!ずる…」とまでいいかかってからハッとした顔をし、お返しと言わんばかりにニヤニヤとし始めた。何やら不吉な予感を感じたオータスだが、それは見事に当たっていた。
「まっまぁ?もし俺がお前に負けたら謝ってやらないこともないかなぁ〜」
「またぁ?もう何回もやってるじゃん!めんどいししつこいんだけど!」
そう少しの苛立ちを込めて言うとブバリアは「仕方ないだろ?早く強くなるには俺より強いお前に勝たないといけないんだからなっ?仕方ないだろ?」と言い、手に魔力を込める。
「はぁ仕方ないなぁほんとに…」
オータスは体から魔力を放出し、二人は戦闘体制に入った。




