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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第三章 定められた血
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強者の隙と弱者の反撃

「…すまない。」 


そう言いながら、溢れ出て来た新人類達を一瞬にして消し去ってしまった。 


その一瞬の隙が、その一瞬の迷いが奴には十分な時間だった。 


「俺の弟は返してもらうよ。」 


オリーブはアサヒに着いている《魔封のお札》を剥がす。 


アサヒはオリーブにありがとうと言い、瞳に星の模様を浮かび上がらせる。 


「その瞳…なるほど。」 


あれほどの悲劇を経験しても、あの日彼の神瞳は開眼していなかった…この数ヶ月で”神の細胞”を移植されたか。 


オータスはあの日の惨劇後再びあの島へ向かい、そこで見つけた資料の事を思い出し、少しの同情とそれでも変わらない敵意を向ける。 


「オータスに効くのかが気になっていたんだ。頼んだ兄さん。」 


そう言いながら全身の魔力を整える。  


オリーブが一瞬にしてオータスの背後に周り、”黒い羽衣”をぶつけた瞬間、オータスの周りを囲っていた神術…万有引力・反によって作られたバリアが砕ける。その瞬間アサヒが、タイミングよく術を放つ。


神技シンギ死瞳時絶クロノスッ!!』 


「───みんな!大丈夫か!!…オータスッ!!!」 

 

森を抜けてガロン達の居る戦場に向かったユイトが、最初に目にしたのは、体が真っ二つに切られた息のしていないオータスだった。 


「オータス!?なんでここに…いやなぜオータスが死んでいる!?」 


「アイツだ!アイツがオータスを睨め付けた瞬間に真っ二つに!!」 


「ユイトか…すこし遅かったな。お前たちの希望ってやつは今潰えた。次はお前だ!」 


次の瞬間、ユイトの視界は真っ二つに分かれた。 


「ユイト…あれはかなり不味いぞ。」 


ここに来るのは実に2回目だ。すこし馴染みや懐かしさを感じながらエクスアップの話を聞く。 


「アイツが使ったのはおそらく、神術の一つ神技シンギ死瞳時絶クロノスだな。あれは目で見た対象を際限なく、綺麗に斬り殺すそんな術だな。」 


「それは強すぎないか?弱点とか無いんですかぁ?エクスアップ先生!」 


「はぁ…弱点はある。弱点は術を発動するための時間だ。およそ一ヶ月ほど再発動に時間がかかる。」 


「それは嘘だ!だってアサヒがもしその術でオータスを殺したなら、僕の時何故使えたんだ!」 


「それはあの術には一度に2回まで貯めることができる効果もあるからな。」 


「それとあともう一つ弱点がある。それは術の照準を定めているときに、照準がズレると術が不発に終わる。つまりオータスが生きていてかつ、お前も生きるそんな未来を作るには一度目をなんとしてでも不発に終わらせることだ。それと、オリーブが持っていた《無常の羽衣》をオータスに触れさせないことだ。それができれば、オータスにあの術は当たらない。」 


なるほどと、エクスアップの作戦を聞いているとエクスアップがそろそろ戻すぞと言い、あの瞬間から20秒ほど前に戻っていた。

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