何度も何度も何度も何度も
「──────なるほど…俺の体の一部から俺を複製したか。お前なかなかやるのぉ」
シートはアルファルクの方を見ながら、ニヤリと笑うとユイト達を見て一人懐かしい顔の男を見つける。
「その顔は…ハンじゃないか!!その体…魔力だけでもこの世に縛りつこうとするとは…魔物と何一つ変わらないではないか!」
「お前!「ユイトさんいいんだ。確かにシートの言うとうりだ。シート…次こそは肉塊一つと残さず塵と化してやる!我ら生涯の仇ッ!!」
「やれるものならやってみやがれ!魔物野郎が!」
ハンとシートが叫び合い、互いに向かって走り出したそんな時ユイトは、ここに来るまでにハンと話した事を思い出した。
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「ハンさん。どうかしましたか…?」
ハンが急に方向転換し、アルファルクのいる場所では無いところへ走り出した。
「この魔力…間違いない妻の物だ。」
二人の目の先にある”物”は、”薄い青色の養液につけられ、たくさんのコードが刺さっている脳”であった。
コードの先には謎の機械があったが、その上に「魔力供給機」と書いてあった。
それを見てハンはゆっくりと呟いた。
「妻は、《無常の羽衣》を作れるとは言っても、とてつもない魔力を必要とするんです。羽衣を作るには妻の持つイニミタブリーが宿る脳が必要…ユイトさんアルファルクは人造人間を作っているんですよね。ならたぶんその理由はこれだと思います。
…最初からおかしいとは思っていたんです。シートと戦い、肉体が朽ち魔力だけの思念体となった私の目的は妻を探し、共に旅立つこと。妻を捕らえたと言われ、アルファルクに無理矢理魔力を奪われ、妻とも会えず1500年…妻の魔力だけが心の支えとして、いつか会えると信じて…なんで…どうして…」
ハンは泣きながらもヤンに「済まなかった。こんなところで1500年も…」と何度も何度も何度も何度も繰り返して謝る。我慢していたものが溢れ出る様に、言葉にならない言葉だけが、ハンから溢れていた。その背中はとても神話の偉人とは思えないほどに小さくうずくまっていた。
泣き止んだハンがゆっくり語る様にヤンに話す。
「もう大丈夫だ。私が君を終わらせる。」
そう言いながらハンは機械を蹴り壊し、ヤンの脳を取り出し、丁寧に潰した。もう二度と復元できない様に。
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「ガロン!アイ!アサ!全力で、シートを倒すぞ!」




