幻じゃない現実
あれからいったい何時間たっただろうか。アイの治療のおかげでなんとか一命を取り留めることができた。その後に起こったことを、オータスから話を聞いた。アサヒとオリーブと言う男は結局あの後見つかることはなく今は騎士団の船でツンリ島から1番近いハンズ半島のリッターの基地に向かっていた。
「ユイトもう体は大丈夫?」
「うんありがとうアイ」
あんなに暗かった夜空も何も無かったかの様な朝日と共に過ぎ去り新しい朝が来た。
「2人ともおはよう。昨日はよく眠れたかい?」
午前8時を知らせるかの様に鳴いていたウミネコの声を他所にオータスが部屋へとやってきた。
「そろそろ目的地のハンズ半島に着くよ。準備をしておいてね」
そう鼻歌交じりに言い残すと彼はまた自室へと戻って行った。そんな彼を見ると昨日の大地を揺らす様な剣技を持った青年の様には到底見えるものでは無かったのだか彼の服からはやはり昨日の出来事は幻ではないと言うことを実感させる。
「着いたー!長かったねーユイト」
アイは朝から元気に話しかけてきた。純粋無垢な笑顔が今はただ愛おしくて、純粋にありがたかった。
「父さんこの子達だよ魔伝で伝えてた新たなつぼみたち」
オータスは少し離れた所で父と何かを話していたやはり昨日の出来事はもう広がっているのだろう。なにせ14歳の子供が島の人を皆殺しにしたのだから。
「お前たちが生き残りのガキか、俺はローズフォルテッシムスだ。オータスの父で今は騎士団を抜けて国からの命令で古代の遺跡を調査しているよろしくな。」
僕たちはローズさんに挨拶をしてこれからの話を聞いた。
「これからはまず腕章国家ホーリーに向かってそこで正式にリッターに入ってもらう。リッターに入ればオータスの傘の下に入ることになるからアサヒってやつも、そう簡単にお前たちには手を出せないし、家と金が手に入る。最も重要なことは情報が手に入りやすいってことだ。情報はあればあるほど良いものだアサヒに近づくためにも。オリーブってやつに近づくためにもな。」
そう言うローズを他所にオータスは少しばかり気まずそうに口にした。
「父さんそろそろ僕は行くよ。父さん元気でね。」
「それじゃあ行くぞ2人とも。」
僕らは少しばかり、オータスの話し方に疑問が生じたが、リッター所属の騎士になる為に腕章国家ホーリーに向かうのだった




