心の蓋
「コーリウスの石を手に入れたからといって三大魔獣を倒さなければ魔王を蘇らすことはできないのだろう?今の戦力では勝ち目はないだろう。今は待つべきだ」
あの日ユイトから手にしたコーリウスの石についてオリーブとマイヌは完全に意見が割れており話し合いは長引いていた。
「オリーブテメェ…長年の目標が叶う寸前なんだぞ?悠長に待ってろってか?」
「少なくともオータスが死んだ後でもいいだろう?」
今にも戦いが始まる。そんな空気を破る一言
「敵襲ッ!!何者かによってコーリウスの石が盗まれました!!敵の数一人ッ!!」
「は?」
────────────────────────
「中々優秀じゃないか和神教も」
ブバリアはコーリウスの石を握り締め一気に飲み込む。
「─────これで後は三大魔獣の最後の一体を俺が倒し、『五十無双封印・開錠』を発動すれば魔王の封印は解ける」
────────────────────────
「まだ盗人も、蘇りし魔王も出会えないとは…クソッ!時が経つにつれてドンドン目標から離れていく!」
マイヌがそう叫んだ瞬間空が一気に黒に染まる
「なんだお前も俺を平和のために利用しようとしているのか…阿保だな変わりに俺が利用してやる本望だろう?魔王と平和を作れるなら…やる事は単純人を狩り尽くすんださぁやれ」
『洗光掌握』
────────────────────────
「友達がッ!!父さんがッ!!母さんがッ!!みんなみんなみんなみんなみんなみんなみんな死んでそれがそれがそれがァッ!!!」
マイヌは酷い隈が深く刻まれた顔からユイトに向けて叫ぶ。
「嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌で嫌でッ!!!」
マイヌは大量の涙を流しながら氷でユイトを攻撃する。ユイトは黙って話を聞きながらそれらを交わす。どうやら洗光掌握によって意識はそのままに身体の自由を奪われ、トラウマである大量無差別殺人をやらされていたようだ。おそらく眠っていた感情や記憶を無理やり思い出させたようだ。
「俺だけじゃないみんなも同じだったッ!なのにオリーブ以外は魔石のせいで忘れていたッ!忘れるはずが無いのにッ!!俺が俺が俺が殺した!!」
魔石は人の心を歪ませる
「俺はねッ!本当は…本当はま────」
「もういい…後は任せろ…」
ユイトは『巨爆魔岩』を発動しマイヌを粉砕する。最後の抵抗なのか『洗光掌握』を破り、自身の意思で魔術を切ることが出来たマイヌの体はもう元には戻ることはなかった。




