最終準備
ユイトの味覚が消失してから10日後。次は感覚が消えた。体を触られていてもユイトは気づかなくなっていた。それから2日後。ユイトの視界からは色が消え全てが灰色へ変わった。ユイトは自身に起きている変化を調べている時彼女を思い出す。彼女なら知っているはずと、ユイトは彼女達の隠れ家へと足を運んだ。
「よかったまだここに居て…久々ですね」
「そろそろ来ると思っていたわ。体の事ね。分かっているわ」
ミモザはそう言うとユイトと向かえ合うようにテーブルに座った。
「端的に言えば、魔王の魔力を魔食で喰らったことによる反動のような物だと思うわ。魔王は全ての魔の長。創造神ゆえにそれの魔力を喰らったユイトの体が魔に近いた事で味覚、視覚、感覚が失われた。これ以上魔王の魔力を喰らえばあなたは人では居られなくなる。だから一つ提案があるわ。もう全てを諦めて逃げましょう?」
これ以上なにを何を失うんだと思っていたらまさかの人じゃなくなる?…でも…
「俺はアイが愛した、守りたいと願った世界を守りたい。そのためなら俺は魔だろうがなってやる!」
「そう……そうよね……ユイトならそう言うと思ったわ…なら指輪を頂戴。メンテナンスしてあげる。このままじゃ少し心許ないでしょ?」
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アサとオータスはタイテンへ流れてきた難民達への食料を運びながら雑談を交わす。
「オータスさんなら分かりますか?」
「うーん…魔王の目的かぁ…父さんが調べていた古代の遺跡の方で見つかったのは魔王の誕生から封印までに着いてだからなぁ」
「古代に神と呼ばれていた者達が人を滅ぼすために制作したけれど魔王が暴走し、当時の人の王と神の王が協力し封印した。ですよね…ならやはり人類の滅亡でしょうか」
「確かに奴は『絶滅戦争』と言ったようだしね…ただ何のために?って言う疑問が残るんだよね」
「目的が分かれば対処や先手を打てるのに…」
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「おいおいもう『呼び出しブレスレット』をタダでやったろ?大事な目玉商品をまたあんたにやれってかぁ?」
「まぁまぁそう言うなって俺達の中でしょ?頼むって〜」
「ったくしゃあねぇな”これ”をやるよ」
そう言いながら魔道具屋の店主はガロンに魔道具を一つ手渡す。
「これは?」
「この後市場で見つけた《魔を跳ね返す術式》が組み込まれた布だ。ひっさびに俺の感が当たりだって騒ぎ出してなー」
「へ?えっなっなんて?」
「だから俺の感が」
「その前ッ!」
「あー…魔を跳ね返す?」
「魔を跳ね返すッ!!!!」
「声がデカくて耳がイテェよ!!」
「この布って性能そのままにデカくって…?」
「さぁ?布なんだからできるんじゃ無いか?」




