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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第七章 英雄記
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世界が終わる一撃

魔王はファルを木っ端微塵にするために魔力を溜めついに放った。がつい今までファルを貫いていたはずの腕が切り離され、ファルを仕留め損なう。 


「誰だ?」 


「《英雄》ユイト…お前を倒し、神話を終わらせる者だ…」 

ユイトはファルの腹部を貫いている魔王の腕を抜き取り、ファルの”傷を癒す”


「この力……《癒し》のイニミタブリー…?あんたは持ってないんじゃ…」 


ファルは意識が朦朧としながらもユイトに問う。ユイトは優しい笑みを浮かべあとは”俺”に任せろと言い、ファルを地面に優しく置く。 


ユイトは魔王を力強く睨み、魔力を全開放しあたりに散布した魔力を喰らう。 


「その力は…《魔食》…!!なるほどロイスと同じ力を…面白い…それに魔力で出来た翼…その翼は指輪による影響か…」 


コイツ…話してもいないのにこっちの手札を理解している……やるなら短期決戦だ…


「まぁよい今急いでやる必要もない…ついでだこれから5分後俺はこの地に地表焼却放『ジェノスローター』を発射する。この1発を機に我々魔王軍は人類に再び絶滅戦争を仕掛ける…ファルに感謝しろ《英雄》…今は見逃してやる。まぁ『ジェノスローター』から逃れられればまた会おう」 


魔王は空島へ向かい強力なジャンプをし、一瞬にして空島に降り立ち、聳え立つ城の中へ入っていった。 


ジェノスローター…魔王軍との絶滅戦争…魔王を侮っていたわけじゃ無いが、あまりにも一気に立て続けにこうもやられるとは…それだけじゃないあまりにも圧倒的な知…対策をもっと練らないと…でも今はそれをする時間じゃない…まずは地表を焼き払うと言っていたジェノスローターをどうにかしないと…


ユイトは翼を羽ばたかせファルを両腕で落とさぬように抱きしめ空から避難を叫ぶ。その最中に避難中のヨア達を見つけその場に舞い降りる。 


「ローズさんッ!ヨアさんッ!現在の状況を端的に話します。魔王は撤退しましたが、人類への宣戦布告として地表を焼き払うジェノスローターと言うのを後約2分後に発射するようです」 


「宣戦布告…」 


「悲観する暇もないか…あと2分…どうすれば…」 


「”地表”なら”地中”へ逃げれば!!」 


騒ぎに目を覚ましたアサはそう呟く。それに賭けるしか無いとユイトは覚悟を決め足場に穴を作り三人とファルをその中へ避難させると再び空を飛び人が密集している場所を中心に巡り、同じく穴の中へ避難させる。 


残り54秒 


「誰かまだ避難出来ていない人はいますかッ!!!」 

あまりにも多い雑音。通常なら聞こえないはず。だが、本人にもわからない。強いて言うのなら第六感だろう。ユイトの耳を貫くように泣き声が聞こえる。ユイトは一直線に下降しその場へ向かう。 


残り41秒  


ユイトは泣いていた少年の前まで向かう。その場には足が瓦礫に埋もれた少年の母親がいた。父親の方は頭に瓦礫が当たったようでユイトがついた時にはすでに息を引き取っていた。残された母親は息子に向かい酷い痛みを耐えながら逃げてと叫ぶ。ユイトは瓦礫を一瞬にして吹き飛ばし母親の怪我を治すと二人も地面の中へと避難させた。 


残り26秒 

 

ユイトもすぐに避難しようと地面に穴を開け入ろうとしたその瞬間。再び耳に悲鳴が届く。今度は逃げ遅れた人達が火に飲まれそうになっていた。ユイトは火を吹き飛ばし十数人が入れる穴を開け中へ避難させる。


残り12秒 


ユイトは天へ舞い、変形して生まれた砲台にエネルギーを貯めている空島の正面に向かい、ジェノスローターを受け止めれるほど巨大なバリアを作り出す準備を開始する。

 

これでジェノスローターが終わればいい…地中の中の人が少しでも巻き込まれないように…今の俺の全てで!! 


残り0秒『ジェノスローター』発射。同時にホーリー全土を覆って余るほど巨大なバリアをユイトは展開する。最初こそ圧倒的なジェノスローターを完璧に防ぎ切っていたが、それは永遠じゃない。バリアはジェノスローターによって砕かれユイトを飲み込み、地表を焼き払った。ホーリーを軽く吹き飛ばすと、近隣の山をも飲み込み、地形を真っ平らに作り変える。その一撃は遠く離れたタイテンでも確認出来ていた。そして余波はタイテン付近までに及んでいた。もちろんその範囲内にある村や国は消し炭となった。水すら一瞬も持たずに消失。世界の終わりを伝えた。 


死者     不明 

負傷者    1,936,872人 

行方不明者  不明


この一撃は観測上最大規模の凄惨な被害を生む結果となった。

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