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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第七章 英雄記
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破れし無限の才覚

溜放者オーバーチャージ一点集中フルアタックッ!!!』 


ファルの強力な一撃は大地を抉り、魔王を倒さんと向かうが魔王の大剣による一撃はそれをも掻き消し、ファルはそれによって生まれた空気の圧で彼方まで吹き飛ばされる。地形が一瞬にして変わる一撃を放ったばかりだと言うのに魔王はものすごい速さで吹き飛ぶファルに追いつき、大剣を吹き下ろした。衝撃によりホーリー全土の大地が砕かれ、鈍い地響きがガンガンと鳴り響く。 


耐返者オーバーカウンターッ!!』 


大剣の一撃を数倍にして魔王に返したファルだが、魔王は吹き飛ぶだけで大したダメージにはなっていなかった。が反対にファルの方は受け止めた両腕の骨が砕けるほどのダメージを受けていた。 


まだ魔力が俺の方が圧倒的に多いから銭湯が成り立っているが、肉体強度の差がまさかここまで謙虚に出るとは…


ファルは一気に魔力を解放し、魔力を溜め始める。 


「これはユイトに使う予定だったけど…そうもいってられないか…」 


溜めに溜めた魔力をファルはギュッと圧縮する…魔王は嬉々としてそれを待つ。 


溜放者オーバーチャージ霊冥自死ネモフィラッ!!』 

 

強力な魔力の波動を魔王は片腕で容易く受け止める。 

「あぁぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!」 

まだ逃げれていない人もいる!!今ここで俺が死ねばこの国の人みんな死ぬッ!!!それだけは…それだけは!!! 


自身と同じ苦しみを味わう人が増えぬようファルは全身の魔力を搾り出し魔王に放つ。その勢いはどんどんと増し、魔王もついに片腕で耐えることが出来ず両腕での完全な防御へ移る。魔王の顔からは余裕と言った表情は消え、緊張が走る。 


「──────は?」 

 

突如ファルの体を満たしていた魔力が消え魔王に自由を与えた。その隙を突いて魔王は左手でファルの腹部を貫いた。 


「がはぁッ……」 


ファルは腹部を貫かれたことにより血を吐く。 


「その様子…さては知らぬな?《無魔》は確かに無限の魔力を持ち主に与える…が、その魔力は常に体にあるわけでは無い。貯められる量が決まっている。それを使い果たせば一瞬魔力切れを起こす。あの瞬間魔力が切れたのはそう言う事だ」  

 

なんで俺の知らない事を知ってんだよ……


「だが、お前はやはり才がある。普通はあそこまで魔力が持つものはいない。誇れお前の名は俺が後世に語り継いでやる…破れし《英雄》ファルよ」 


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