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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第六章 君は彼を理解する
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変化の始まり 人の終わり

「まさかもう終わりじゃないだろ?」 


「なんども頭叩きつけんな…」 


血で顔半分が染まり、ガンガン鳴り響く頭痛に苛まされながらもユイトは立ち上がる。 


《英雄》は…《英雄》は…僕は《英雄》じゃない…でも世界が《英雄》を求めるなら《英雄》を演じると…決めたんだ…じゃなきゃ…犠牲者が…世界が…僕が許さない

  

ユイトは魔力を全身を駆けるように漲らせ、その意思を示す。 

 

「そうか…なら殴死コロス!」 

 

両者の一歩も譲らない殴り合いが繰り広げられる。 

 

全身の魔力を…《雷人化》の最適に回す!まだだ…まだ足りない速さが、力が!《オーバーフロー》も《雷人化》も、もう切れる。コイツの鱗を一枚でも砕けなきゃ、術を放とうとダメージにならない! 


ユイトは隙をつき、オクトレスの右足を掴み回転しながら地面に叩きつけ、一気に上から連撃を叩き込む。それすらも奴の放った濃い魔力波により簡単に防がれ、ユイトはオクトレスから距離を取らされる。二人は再び激しい近接戦を繰り広げる。それでも奴には一歩劣り、ユイトは砲弾のような一撃を腹に打たれ、民家を十数件破壊するほどの速さで吹き飛ぶ。そしてそれに追いついた奴の拳によって、ユイトは大地を割りながら埋まるほどの勢いで地面に叩きつけられる。その時ユイトの身を守っていた二つの鎧は消え、文字通り丸裸同然に変わる。オクトレスはユイトを持ち上げ、左腕を折られながらも抵抗するユイトのみぞおちに神速の蹴りをお見舞いし、数キロほど吹き飛ばす。

 

「はぁ…はぁ…はぁ……グハッ」 


みぞおちに自身を数キロほど吹き飛ばすほどの威力の蹴りをもろにくらったユイトは当然吐血する。そんなこと構いなしに近づくオクトレスは左手に力を込めユイトに向けて一気に振るう。 


足に力が…折れたか…避けられない…クソッ 


その拳がユイトに当たるその瞬間ユイトの魔力は黒に近い紫に変色し体を蝕む。”怨念”のようなそれは見事オクトレスの拳を跳ね返すが、ユイトの皮膚全てを剥ぐ。剥がれた肌はチリとなり消える。魔力はユイトの意思を奪い、額に2本の禍々しく捩れる黄色いツノと身体中を覆うように現れた新たな真っ白な肌、気味が悪いほどの紫色の魔力の結晶が鎧のように肩と前腕から手にかけて、攻撃により衣類が千切れ、はだけた胴体にも魔力の結晶が生える。その結晶はスネから足を包むようにも生える。手と足には狂気とも言える黄色い爪が生える。 


「魔力の暴走…と言うよりかはまるで”魔族に変化している”ようでもある…不思議な存在だなユイトとは」

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