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人神奇譚  作者: いかのてんぷら
第六章 君は彼を理解する
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次を見つめて

「どこでそれを知った……!!!!」 


恐怖すら感じる威圧感を放った声が辺りに響く。 


「あまり多くの人に聞かれたくないだろ?場所を変えよう」 

アルファルクの意見に賛同し、3人はソクガク城内へと向かった。 


「ここならいいだろ…さぁ話せ」 


城の会議室に入り椅子に深く座ったジックが再び問いかける。 


ウラカワ・ジン?ジック・ウライが本当の名前じゃないのか…だとしたらジックさんは何故僕らにそれを…


「ユイトも混乱しているみたいだし俺の知っている仁くんの情報と何故それを知っているのかを話そう。今から10…いや二十年ほど前かな?6歳だった君はホーリーの闇とも言える集団《召喚士》によってこの世界に呼ばれた。その後は他の四人と共に暮らしていたが、君にだけ異世界からこの世界に来た時の特殊能力ボーナス…《チート》がなかった。君達5人が呼ばれたのは戦力強化…つまり君は用無しになった。そのまま君は捨てられ、タイテンの前国王夫妻に拾われる。そして今に至る。会っているかな?」 


「あぁ…で?なんでそれを知ってんだよ」 


「俺が何年生きていると思ってる。この世界のほとんどの情報を知っているさ…方法は簡単、鏡を使った潜入さ」 

 

ジックは納得したのか少し落ち着いたが、このままじゃ他のことも質問しそうだったので、ユイトは割り込んで話をした。 


「それで僕の仲間が人質に取られているってどう言う意味だ?」 


「そのままの意味さ、今彼女たちはオクトプスにいるのだが、国を巻き込んだ君を誘い出す罠にハマったようだ。罠を作ったのは四天王の一人…《呪王》杉原涼…今はコル・クーラと名乗っている様だよ…コルと共にいるのは後二人、一人は君も知ってる彼だよ」 


「アサヒ…」 


「正解…ただアサヒも君の知らない術を持っているよ。それはオリーブの使っていた《ダーク支配者マスター》だ。闇を自在に操る力だ。君に負わされた傷があまりにもひどくてね。色々あってオリーブはアサヒのために死んだ。その置き土産だね。対策は特にない。闇を1から作れる術でもあるからな。完璧に近い魔術と言われるだけはある。ただ一つ注意して欲しいのが彼の持つもう一つの魔術…《音切サグリアス》が《ダーク支配者マスター》によって出来た傷も対象内と言うことだ。つまりアサヒと戦う時は一度も攻撃を喰らってはいけないと言うことだ。喰らえばもうまともに魔法は使えないからね。

もう一人は君によって人生を大きく変えられた少年ファル・デイディットくんだ。彼の魔術は《耐返者オーバーカウンター溜放者オーバーチャージ》、受けたダメージを数倍にして返す術と溜めた魔力を数倍にして放出する。この二つが使えるかなり当たりの魔術だが、彼の最も強力な力はそれじゃない。それは魔力だ。彼は《無魔のイニミタブリー》を持っている。つまり奴は無限の魔力を持っている事になる。無限の魔力から放たれる溜放者リバースはつまり無限の威力となる。気をつけろ。対策は奴に魔力を溜めさせないことだ。 

次にコルのチートは自身と相手の時間の認識を変える《時間変更タイムチェンジャー》を扱う。時間を早くしたり遅くしたりと…なかなか厄介な魔術だな。さらに奴は結界術を得意としていて、今オクトプスに張られている結界にはユイト以外が入ることを禁ずると言う物とユイトとコル、アサヒ、ファル以外の生物は感覚が狂うと言う物の二つだな。俺のミラオレンスも機能しないみたいだ。近くまでなら遅れはするが」  


「ならそれでいい…早く送ってくれ」 


「おいユイト!コイツの言う事を信じるのか!?まだコイツが嘘を話しているだけの可能も」 


「アルファルク…!!」 


その場にいた全員が振り返り、ドアを見つめるとそこには顔を真っ青にしたサナが立っていた。 

 

まずい…サナがそろそろ起きる時間だった!!ここで話す話じゃなかった…! 


サナはアルファルクに強く問いかける 


「あの時あそこにいた他の兄弟達はどこにいったの?」 


兄弟達と言うのはサナと初めて会った時に話していた他の人造人間クリエイティブヒューマンの事だろう。当初僕らはアルファルクを倒したあと、救助するはずだった。だが、アルファルクの策略によりシートと戦う事となった。その時に彼らも連れ去られたのだと考えていたが、どうやらそうでは無いらしい。 


「俺のミラオレンスは崩壊した時、俺から離れた場所にある中の物や、人はミラオレンスと共に消滅するんだ。だから君を除いた残りの人造人間クリエイティブヒューマンはもう…」 


「そう…それが分かったからもういい…ユイトも気にしなくていいよ。きっとみんなそれで取り乱したりして欲しく無いと思うから。それより聞いたよ。アイお姉ちゃん達つかまっちゃったんでしょ?早く助けにいってあげて」  


自身より5歳下の子の方が戦況を見れていることよりもサナも悲しいはずなのに、自身に気を遣い、次の目標をしっかりと見れている事にユイトはどうしようもない不甲斐無さを感じていた。

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