大切な人を守るため
暗闇から現れたオリーブはすぐに鏡の中へと入り、ぐったりとしたアサヒをアルファルクに見せる。それを見たアルファルクは急いで治療を始めようとする。そんな時オリーブがアルファルクに話しかける。
「アルファルク…アサヒは治るのか?」
「正直これだけの出血じゃあ厳しいね」
「そうか……なら俺の血を使え」
「…それは命を捨てる覚悟がある。と言うことかい?」
「あぁどうせ病に犯されたこの体じゃあそう長くは生きられない。元に俺の魔術《闇の支配者》も出力がかなり落ちている。この力もアサヒに与えてやることが出来るのだろう?」
「なるほど…どうせこの量の血を与えて死ぬと言うなら力を継承して死ぬと」
「魔術を継承させると前の持ち主は負荷に耐えられずに死ぬ。その後に新鮮な俺の血を輸血すればアサヒは生き返る。新たな力と共に。」
「だが君が死ねばそれこそ保守派は終わりだよ?今でさえ過激派を抑えられずに他国に侵攻しているのに」
「それも大丈夫だろう。俺が向こうに着いた時には、すでにグリオスとパ・スミレはやられていた。これで過激派の残りはスノードロップとマイヌだけだ。残りの神父の穴埋めは俺の部下から選ぶといい。ちょうど人数分いる。それに皆、心から平和を望むものばかりだ。お前の様に平和のために力が必要出あることも理解している。確かに人道的では無いがな。」
「新人類には全員犯罪者しかいない。確かに人道的では無いが、世直しとしては最適ではある。仕方ないんだ。……なぁオリーブ。本当にいいんだな?」
「─────あぁ…これから面倒をたくさんかける。すまない、アルファルク…俺の代わりに新たな…真の平和を手にした世界をその目で見届けて欲しい。」
オリーブはそう言い残すとアサヒの体にそっと触れ、全身の魔力をアサヒの体に注いだ。その最後の一瞬まで見届けたアルファルクはオリーブの遺体をゆっくりと持ち上げ、机の上に置き輸血を始めるのだった。
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「もうだめだ…すまない!ハサッ!」
道端で今にも新人類に殺されそうなタイテンの兵士を風を切る様に走り現れたユイトが新人類を真っ二つに切り捨て、助け出す。
「最後まで諦めてはだめだ!ほら立って!立って守るんだろう!大切な人を!」
「はっハイッ!!」
ユイトはその言葉を聞いて頷くと再び戦場を走った。




