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230 私の誕生日 その2

昼食を食べ終わり、次のお店に移動しました。そして連れていかれたのは、クリスマスデートで行った、真珠の専門店。


あれ? ネックレスとイヤリングが揃ったからもうほかの物はいいよね。


そうしたら浩二さんに言われたの。


「指輪で三点揃うだろ」

「ええっと、いいの?」

「もちろん。というか、結婚してからは宝飾品をプレゼントできないかもしれないから、今の内な」


なんかイケメン発言です(笑)。


というわけで、またまたじっくりと見比べて選びましたよ。指輪にはそんなにこだわりがなかったの。だから、デザインリングにしたのよ。パールを細く長い爪がつまみ上げるようなイメージのもの。その爪に小さなダイヤがついていたのは、ご愛敬かな。本当はダイヤは無いものがよかったんだけどね。


リングのサイズが合わなかったので直すことになったから、手元に来るのはもう少し先のこととなった。


お店を出て「この後どうしようか。どこか行きたいところはある」と、聞かれたけど、行きたいところなんてなかったの。「それじゃあ」と、車に乗せられて連れていかれたのは、浩二さんの部屋。


こたつで向かい合っているけど、また私は居心地の悪さを味わっているの。なんか浩二さんの雰囲気がね。それに何度か浩二さんは口を開きかけるけど、言葉は言わずに口を閉じてしまうのよ。そんなに言いにくいことを話そうとしているのかな。


「えーと、浩二さん、家に送ってもらっちゃダメかな」


そう言ったら、なぜか浩二さんの眉間にしわがよったのよね。


「そんなに俺と居るのは嫌か」


と、ぽつりと言われたけど、違うから。


「そんなことはないけど、私が落ち着かないのよ」

「どうして」

「さっきも言ったけど、今は生理中なのよ。トイレを借りづらいじゃない」

「なんで? 普通に使ってくれていいけど」


浩二さんが不思議そうに聞いてきた。これははっきり言わないとわからないかな。


「えーとね、その、ナプキンを取り換えるわけでしょ。それの始末に困るというか、ね」


目は合わせないように浩二さんの胸元辺りを見ながら言った。


「えー・・・と、ああ・・・確かに」


浩二さんはわかってくれたのか、しどろもどろに答えた。視線があっちこっちいっていそうだ。


「だからね、私的には家に帰った方が落ち着くのよ」

「わかった。だけどその前に、謝らせてくれ。土曜日の朝のこと」

「それはもういいわよ。別に怒っていないもの」

「本当に?」

「本当よ。というか、どうやらね、生理前で気持ちが不安定になっていたみたいなのよ」

「ええっと・・・それは・・・」


表情に困ったような顔で私のことを見つめてくる浩二さん。男の人だし、こういう話はあまり聞いたことがないのでしょう。


「あのね、私の生理の周期って普通より長いのよ。一般的には28日から30日くらいかな。でも私は35日から40日くらい間が開くのね。そのせいなのか生理が始まる3日くらい前から、気持ちが不安定になりやすいのよ」


浩二さんは瞬きを何度か繰り返した。


「それって他の人もなるのかい」

「さあ、わからないわ。他の人に聞いたことはないもの。千鶴は普通の周期で生理痛もそんなにひどくないって言っていたし、奈緒子は逆に排卵痛というのかな、それがあるというのは聞いたわね」

「・・・そうか、人それぞれか」


浩二さんは真面目な顔で頷いていた。


「そうなんだよね。人それぞれなんだよね~」


ついぼやきが口から出てきてしまった。


「私の周期の話をすると、うらやましがられるんだよね。だってね、一年に10回来るかどうかなんだよ。回数が少ないのがうらやましいとか言われるけどね。でも毎回生理痛が重いのよ。それもね、お腹が痛くなる時と、頭に来る時があるのよ。最低3日は続くから嫌になるのよね」

「そ、それは大変だね。でも麻美、なぜその話を?」


顔を引きつらせて浩二さんが聞いてきた。


「知っておいてもらおうと思ったからよ。浩二さんと出会ってもうすぐ1年になるけど、今まではたまたま生理のひどい時には会わなかったでしょう。夫婦になって一緒に暮らすのに、隠しておくのはおかしいじゃない。それにね、私は生理痛がひどい時は、死んだような目をしているらしいのよ。動きも緩慢になるし、返事をするのも億劫になったりするのよ。かなりめんどくさい状態になると思うのよね」


そう言ったら浩二さんは「わかる」と言ったの。それって誰のことを想定したのかしら?


「佳恵ちゃんがさ、本人は隠しているつもりみたいだけど、毎月不機嫌になる時期があるんだよ。兄貴の話だと、どうやらそうらしいって言っていたな。ちょっとしたことでもイライラして、兄貴と口喧嘩をしていたよ」


続けて言われたことは、どうやらお義姉さんのことを、お義兄さんから聞いていたようだ。まあ、お義姉さんの八つ当たりの対象はお義兄さんのようだったけどね。それとも、他に何かお義姉さんを怒らせるようなことをしているのかな。私には明るくて優しいお義兄さんなんだけどな。


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