創造神と原初神
「皆さん順調に死んでいってますね」
「アテナちゃんも酷いねぇ」
「あら、ハデス。あの青年は?」
「あぁ、ルアン君?少しの間休憩と評して置いて来ちゃった」
ハデスはアテナの問にニヤニヤと笑いながら返すとアテナの見ている水面を覗き込む。
「おー、順調に死んでいってるね~」
「後は死に伴って改変されていく身体に中身が耐えられるか、それとその身体の出力に振り回されないよう制御を覚えてくれるかが問題です」
「確かに力を持ってても制御出来なきゃ迷惑なだけだもんねぇ」
「なぁ、この【唯一神】って何だ?」
アテナとハデスの会話に一人の青年の声が入って来た。
「何だ、ルアン君か~侵入者かと思って敵意丸出しにしちゃったよ♪」
「そうか、で、これはなんなんだ」
ハデスのふざけきった返事を無視しさらに追及するとハデスは一つ大きなため息を吐く。
「アテナちゃん、0.00027%が当たっちゃったよ」
「そのようですね」
「どういう事なんだ?頼む、いや、教えてください」
ハデス達の意味深な発言に更に【唯一神】について気になった俺は頭を下げハデスやアテナに教えを乞う。
「どうする、アテナちゃん」
「仕方がありません、ルアン……いえ、創造神様。僭越ながら私が説明させていただきます」
「創造神?」
「はいはい、そこは説明するから待ってね~」
この前ロキの口からも出て来た創造神という言葉、それは何故か俺の事を指すもののようだった。
でも、何故俺が創造神なんだ?
そんな疑問を抱いていると目の前に半透明の板、と言うよりモニター?が現れた。
「まず我々原初神の話をします、我々創造神様手ずから作り出された神達のことを我々は原初神と名称しています」
「ちなみにハデスさんとアテナちゃんも原初神の一人ね」
「後ついでにあの腐れロキもです」
ロキの事を額に青筋を浮かべながら言うアテナだったが、次の瞬間アテナは表情を引締める。
「ここからが本題ですが我々原初神達は創造神様に造られた者達です」
「それ自体はさっきハデスとやり合っている時に聞いたな、だが俺が創造神ってのはどういう事なんだ?」
「それは後々わかることです」
アテナはそう言うとモニターを閉じた。




