試練だの修行だの多くないですかね
ロキが去り置き手紙をみんなで読んでいると突然竜車の上が光りだした。
その出来事に外に出ていた全員がそちらに視線を送るとそこにはアテナがいつも俺の前に出てくる時とは違いちゃんと神っぽい格好をしてそこに立っていた。
「おー神様ー」
俺が某緑男を真似しながら言ってみると笑顔でこっちを凝視された。ちょっと怖い。
「はぁ、私の名前はアテナ。あなた達に助言をする為にやってきました」
「あてな?マスター、この人誰?」
「この方は俺がさっき言った通り神様でちょくちょく試練だの助言だの試練だの試練だのと与える神様だよ」
「なんかこわい」
「ルアンさん?」
あれ?おかしいなぁ、本当の事を言っただけなのにすっごい冷や汗と震えが止まらないぞぅ?!
「まぁいいでしょう、私は試練を出すことによって人を成長させているのです。くれぐれもそこだけは勘違いしないように」
「アッハイスミマセンアテナサマ」
一気に押し寄せる威圧と殺気に片言になりながら返事をする。
返事を聞いたアテナはガードが翼のような形をした剣を虚空から出現させ握るとふわりと竜車から下り剣を地面に突き刺し柄の部分に手を置く。
「さて、話をしても良いですか?」
「あ、どうぞ」
「全員聞く用意はできてるみたいですね。では話しますね、先程の糞女はロキ、私の可愛い部下を殺し更に世界に二度も混沌に塗れさせようとしているものです」
「世界を混沌って」
「糞女はあのファフニールの力に貴方にまだ残っている過去の黒い方のルアンを使い大昔の悲劇をまた繰り返そうとしているのです」
大昔の悲劇ってのはファルの夢で見たあの火の海みたいな状態の事か。
「そこで!!あなた達にはこれから天界へ来てもらい黒ルアンを盗まれないよう保護する事とあの糞女をボコボコに出来る程になるまで試練を与えます」
出来る程になるまで試練与えますって……スパルタにも程がある。
正直言って行きたくないんだよな……
「ルアン、こちらに来なさい」
「は、はい?!」
「頭を差し出しなさい」
「えっ、怖……」
「早く」
「…………はい」
アテナの威圧に負けた俺は大人しく頭を差し出す。
するとアテナは頭に手を乗せ━━
━━その瞬間頭の中に記憶が流れ込んできた。
それはシファーと本当に初めてあった時の記憶だった。
俺とシファーが話しながら転送の準備をしているとそこにロキが割って入って来て記憶が無くなったと。
「ルシファーはこの後何者か、まぁ十中八九ロキにですが殺されました」
「…………。」
「では、皆さんこれから天界へ案内します。この乗り物に全員乗っていてください」
アテナの指示に従い全員が乗るとアテナが何かを呟く。
その瞬間竜車は光とともに消え去った。




