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暴食 2

ベルゼブブの一撃を受け止めた俺は即座に地を蹴り後ろへ飛ぶことでベルゼブブから距離を取ったが足が地面へと着くその前に既に目の前には二撃目の手刀が迫ってきていた。


「?!」

「あ、逸らされましたねぇ」


咄嗟にベルゼブブの腕を左へ逸らしたことにより眉間を貫かれることは避け眉からこめかみにかけ一筋の赤いラインが描かれる。


『主、こん何故使わない?』


お前生き物には透過するんじゃないのか?


『違う、生き物も斬れる、弾ける、こんが望んだ時だけ透過、精神を斬る』


俺の解釈は根本的に間違ってたと?


『こん、グレードアップ、どっちも自在に進化した』

「おやぁ?ボケーッとしてていいんです━━かぁ?」


ベルゼブブはニヤニヤと冷笑を浮かべながらそう言い切ると同時に鋭い回し蹴りを首目がけて放ってくる。


こんの事で頭がいっぱいになっていたために反応が遅れてしまいベルゼブブの蹴りが首へと吸い込まれるように入り吹き飛ぶ。

その数瞬後ルアンは一直線に建物の壁へと突っ込んで行きそれを逃がすまいとその建物は崩壊しルアンを瓦礫の波に閉じ込める。


「おやぁ、派手に壊れましたねぇ?」


ベルゼブブは崩れた建物を眺め嗤笑混じりに呟くと次の瞬間に身体がぶれ崩壊した建物の上にたっていた。


その好機を逃すまいと瓦礫の中からルアンがこんをベルゼブブ目がけて突き刺そうとするがそれをわざとらしい欠伸をしながら一歩下がる事で楽々と避け口元をニィッと歪ませる。


「惜しいですねぇ、ほらほら頑張って」

「余裕で避けてるくせによく言う━━わ!!」


突きを外した俺は瓦礫の山から這い出た後ベルゼブブ目がけて何度も斬り掛かる。


「ほらほら、惜しいですよぉ?後もう少し後もう少し」

「余裕だなクソが!!」


左から右へ水平斬り、右肩から左脇腹にかけて袈裟斬り、振り下ろしたこんをそのまま斬り上げをするが全て手刀により弾かれ最小限の動きで避けられる。


「ほらぁ、当ててくれていいんですよ?」


ベルゼブブが嗤笑を浮かべながら言うがもうほとんどこんを触れる体力が無い、首を蹴られた時から意識を保つのに精一杯になっている。


「もう限界見たいですねぇ、それじゃあ━━━あ?」

「そこまでですベルゼブブ」

「おや傲慢さん、何で邪魔をするんです?」

「その人は私にとって必要不可欠な物です、なのでこれ以上手を出そうものなら貴方に少し痛い目を見てもらわないといけませんね」


シファーがそう言い切ると突然全身が凍るような殺気と威圧がこの空間を支配する。


「ちぇーせっかくこれを壊して次の怠惰に切り替えようとしたのに」

「そんな事したら貴方を消しますよ?」


シファーの脅しにベルゼブブは舌を出しおどけると元来た道を大人しく引き返して行った。


「…………本当に俺七大罪やめた方が良い気がする」

「いや、させませんし出来ませんからね?」


結局シファーに助けられたな…………強くなりたい。

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