一応戦力だよ!
天空都市についた俺達がまず目指したのは都市の中心部にある東京にあるビルに酷似している建物へ向かった。
「ルアン、いきなりあの建物に向かってどうしたの?」
ファルが人間型に戻り、走りながら質問してくる。
「なんとなくあそこに何かがいる、もしくはある」
そんな事を言っていると目の前には空賊と思われる男達が女性と子供を担いで歩いていた。
「ファル、ちょっと行ってくる。後で追いつくから」
「はぁ、もうっこれだからルアンは……」
頬をプクッと膨らませたファルは他のメンバーにルアンと同じような説明をしてルアンと一緒に付いて行く。
「おい、ファル!先に行ってろって言ったじゃないか!」
「嫌だよ、私だって役に立つってところ見せてあげる!」
ファルはそう言うと走る速度を上げ男達に足払いを繰り出す、それでバランスを崩した男達が担いでいた人達を回収しこちらへ戻ってくる。
「ふふん、どんなもんですか!」
「いや、凄い……凄いんだけど」
次の瞬間体制を立て直した男達がファルに向けて飛びかかってくる。
それを下に潜り込み鳩尾に向けて拳を突き上げそれをモロにくらった男達は3〜4メートル程空へ打ち上げられた。
「たーまやーかぎやーうーたがわやッ!!」
うたがわやのタイミングで俺は男達を壁へ向けてシュート、超エキサイティングした。
「うわぁ、ルアン容赦無いね」
「ファルに危害を加えようとした罰さ」
「は、ははは……」
俺のちょっとしたジョークに何故かファルは渇いた笑いを浮かべている。
男達が起き上がって来ないのを確認すると助けた人達を抱え、安全そうな場所まで移動させる。
「さて、そろそろアス達のとこに戻ろう」
「あんまり先に行ってないとい━━うわっ?!」
俺はファルの言葉を遮るようにファルを抱きかかえいつものように屋根を伝いアス達の元へと急ぐ。
「と、ところでさぁ……何でお姫様抱っこなの?」
ファルは自分で言っておいて恥ずかしくなったのか顔を真っ赤にし両手で覆っていた。
「一番楽だから」
「あ、うん……そうだよね……」
ファルが見るからに落ち込んでいるがアス達に追いつくことだけを考えて8割の力で走って行く。
にしても、そこら中から戦闘音やらなんやらが聞こえてくるな。
アス達に何も無いといいけど……。




