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夜道の散歩

料理対決の後


メアと共に食器や道具を洗い、雑談をしているとそこにファルがやって来た。


「ファルか、どうしたんだ?」

「ルアン、ちょっと散歩しない?」

「メア、任せてもいいか?」

「大丈夫……です。元々メイド…の仕事です……ので」

「ありがとな、よし行こうか」


洗い物をメアに任せ俺達はアジトから出て夜の街を散歩することにした。


「ルアン、その……これ、ありがとね」

「どういたしまして、まぁファルのために買ってきてよかったよ」


その言葉にファルは月明かりだけの夜道でもはっきりとわかるくらい顔を赤くして目を泳がせる。


「どうした?顔赤くして目を泳がせて、恥ずかしいのか?」

「そ、そんなこと……ない…し……そそそ、そうだ!ルアン、これ似合ってるかなぁ?」


俺の質問に戸惑ったファルは何とか話題をそらすと顔に手を当て悶えている。

そこで俺は━━


「似合わないわけないだろ?」


━━もちろん即答した。


まさか即答されるとは思っていなかったファルは不意を突かれさらに顔を赤くして悶える。


「ファル、行くぞ~」

「ぅぅぅ……」

「ほら、行くぞ?」


このままではファルの体が冷えてしまいそうだと思い悶え動かないファルの手を取り歩き出す。


「えぇ?!ル、ルアン何してるの?!」

「あのままじゃ動かないしずっと外にいたらファルの体が冷えるだろ?」

「なんならお姫……抱っ……とか……ゴニョニョ……」

「はい、仰せの通りにお姫様?」


ファルの言っていることがなんとなくわかった俺は少しふざけながらファルを抱き上げ街の屋根を跳躍しながら次々と渡りアジトへと向かって行く。


「ちょ、ちょっとルアン?!何を……」

「自分で言ったでしょう?だからアジトの少し前までこのままでいてあげるよ」





〜〜〜





その後アジトに着くとファルは真っ赤になった顔を隠すようにして自分に割り当てられた部屋へ戻って行った。


それを見送って俺も自分の部屋に入るが先程の発言を全て思い出しベッドに顔をうずくめ悶絶していたのは秘密なのである。

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