戦闘狂
ケトやファルの言葉に気分と共に頭を下げた俺の視界に指輪が入ってくる。
この指輪どんな効果があるのか見てなかったな。
双神風の指輪
魔力量三倍
魔力を注ぐことにより神風の加護を受けることが出来る
なお、この指輪とは別にもう一つの兄弟宝具がある。
その二つを揃えることにより更に追加効果が付くだの付かないだの………。
あの女神が図書館で言っていたことはこういうことか。
それに兄弟宝具か、兄弟がいるなら揃えてやりたい気持ちもあるな。
「オイ、ルアン。ちょっと表出ろ」
「なんだいアガナ君、僕は今心がズタズt━ァァアア?!」
瞬間俺の体は宙を舞い空中に突然現れた穴へ向け一直線に慣性が働く。
その穴に入るとそこは闘技場のような場所だった。
「これはどういう事だい?アガナ君」
「なに、簡単さ。今から闘おうじゃあないか」
「はぁ?」
これは本格的に戦闘避けのアイテムなりなんなり作らないとな。
「ほれ」
アガナはそう言うと何かを俺に渡してくる。
「これは刃をとった剣だ、これで先に相手に致命打を与えた方が勝ちだ」
「んじゃあさっさとやってさっさと終わらそうか」
「俺を殺すような魔法は勘弁してくれよ?」
「さぁね!」
俺はアガナに飛び込むと真正面から斬りかかる。
袈裟掛けに斬りつけその勢いを殺さずに一回転して胴目掛けて水平に一閃しそれを全て防がれることを予測し後ろへと飛ぶ。
すると次の瞬間には予測した通りアガナの剣が俺のいた場所を通過する。
「当たってないぞぉ?」
「お前こそ全部防がれてるぞ?」
互いの言葉に青筋を浮かべた二人は次の瞬間狂化を使い同時のタイミングで飛び出す。
「ウオラァ!」
アガナが横薙ぎに振った剣を剣の腹を走らせることにより受け流しそのままアガナへと体当たりをかます。
体当たりにより少し空いたアガナの腹に向け蹴りを入れ更に崩し剣の切っ先をアガナの喉へと突きつける。
「チェックメイトだ」
「ちっ、まだ完璧に理性を保つことが出来ねぇな」
「それにしては簡単に元に戻れてるな」
「戦いの最中は気分が高揚しちってるが終わった後なら高揚どころか冷めちまってるからな」
互いに笑い合うと先程の穴をくぐり元の場所へ戻る。
早く誰か俺に戦闘避けのアイテムなりなんなりくれよ……。
戦闘が終わったとにき俺はそう思った




