ゴオルの実力
刀を抜刀し、互いに構えると静かに睨み合う。
━━カラン
何かが落ちた音が裏路地に響き渡ると同時に息を合わせたように飛び出す。
ゴオルが持ち前の筋力を生かし軽々とグレートソードを振り抜き最初の一手を放つ。
その一撃を刀の鎬を走らせることで受け流しその勢いのまま頭部めがけ刀を振り下ろす━━
「そらよ!」
━━しかしその一閃はゴオルの裏拳によりたたき落とされ突っ込んだ勢いに合わせてゴオルが腹へ蹴りを入れる。
腹部へ衝撃が走りそれと共に浮遊感と疾走感を感じその次の瞬間にはそれが後頭部から腰にかけて何かに叩きつけられる感覚へと変わる。
「ぐがっ!」
「甘いなぁ?その程度か!」
ゴオルが転がる俺へ切先を向け煽ってくる。
くそっ、普通に強過ぎやしねぇかこの人。あれでカウンターぶちかまして来るとかゴリラとか軽々と捻れんじゃねぇのか?
「どうした、来ないのか?ならこちらから行くぞ!」
飛び込んで来たゴオルを見た俺は咄嗟に横へ回転することで地面をも抉る一撃を回避する。
「そこっ!」
地面へ食い込みかけたグレートソードの刃に向け位置エネルギーの恩恵を受けたナイフを当て更に深くめり込ませる。
「チィ」
めり込んだグレートソードを引き抜くのは大きな隙になると瞬時に判断したゴオルは見たことも無い構えをしこちらを睨みつけてくる。
「漢にゃ拳があれば十分なのさ!」
「それはどうでしょうね!」
牽制用のナイフを数本発射しナイフに続くように走り出す。
「ウオルアァァァ!!」
瞬間、俺の思考は止まった。
ゴオルが目の前でたった一撃で牽制用とは言えかなりの速度があるナイフを突きの風圧だけで叩き落としたのだ。
「だから言っただろ?漢には拳があれば十分なんだってな」
ゴオルがニィっと笑い俺へ背を向け
「悪魔だのなんだの名乗るならもっと腕磨いて出直してきな」
俺はその時ゴオルにアモンと同じようにこりゃあ勝てねぇな、という感情を抱いた。
「ゴオルさん」
「あんだ?」
「ギルドそっちじゃないっすよ」
「あ、ああそうか」
ゴリラは方向音痴だった。
エラーにより更新できていませんでした、すみません。




