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楽しい楽しい試験の時間


━━俺は最大のピンチに陥っていた━━


目の前のゴリラと戦わなければならないこの状況。親にテストで悪い点取ったことがバレた方がまだいい…………



「おい、言いたい事があるなら言ってみろよ」

「い、いえ!何もありません!!」

「ならさっさと始めるぞ」


やだなー怖いなー闘いたくないなー


『ふざけている余裕があるのなら闘えるのでは?』

『違うわ!余裕が無いからこうやってふざけて気を紛らわせてるの!』

『あ、来ますよ?』


その瞬間大砲の砲弾の如く黒い塊がすっ飛んで来た。


「闘いの最中に気を抜くとは余裕だな!」

「あっぶねぇ!」


教官の俺程あるグレートソードと思われる得物が地を粉砕した


死ぬ!これに当たったら確実にDeadだよ!ゲームオーバーだよ!


「やっと気合い入れたか。なぁに死にやしないさ」


良かった死なないならいい━━━


「当たりどころが良ければな」


前言撤回本気でやらんと死ぬわこれ


「死なない程度に頼みますよ……」



その言葉と同時に教官が俺の脳天目掛けてグレートソードを真っ直ぐに、そして殺意を乗せて振り下ろす。

それを俺は横に飛び込む事で避け、必死に気配を消すことだけを考えながら最短距離で教官の背後に付く。


「んぁ?どこいった?」

「ラァ!!」

「おっと、後ろとられちまってたか」


教官はそう言うと俺の背後からの突きを軽々とグレートソードで防ぎ


「教官として面子丸潰れだな、だが━━━甘いな!!」


グレートソードの腹で俺を吹き飛ばす。


それを辛うじて手に持った剣で防ぐが何メートルも後ろへと飛ばされる。


「にしてもお前どうやって」

「後ろをとったのか。と言うなら答えは俺が空気だからですよ……」

「空気って、お前人間じゃねえのか?」

「気配が全く無い奴のことを言うんです!」


自分で言ってて自分にダメージが来るっていうね………。


「まぁいい、俺の背中に立ったのはお前が初めてだ。冒険者に入るならそんだけの実力があれば充分過ぎるくらいだ」

「なら━━」

「だが、まだ面白いことを見せてくれそうだから合格にはしないぜ?」


鬼!鬼畜!鬼教官!もう冒険者にしてくれよ!面白そうだからまだやるとか阿呆だろ!!


「オラ!」


ゴリラがグレートソードを上から右から下からと振りまくる。

俺はそれを躱し、ちょこちょこと攻撃していると━━


「まぁこれで充分だろ。」


教官が笑いながら今頃そのセリフを吐いた


「はぁ……ふぅ、これで俺も冒険者ですよね?」


息を一生懸命吸い込み吐き出す


「あぁ、お前みたいな奴が入ってきてくれるとはな。正直うちのギルドにぁ腰抜けが多くてな、俺に挑戦して来る奴がいなかったんだ。まぁ、お前は色々面白い所があるしぜひとも引き入れたい」

「ぁ……ありが……とう…ござい…ます…。」


その言葉を聴き終わった時異常な疲労と身体の重さが襲いかかってきた。

ファルの力が無けりゃこれは既に倒れてたな。

そう思い、ファルに巡り会えたことを感謝しながら訓練所を出た。

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